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2021/07/06 僕がエンジニアを選んだ理由と見通す力

10数年前、まだ転職して一年もたっていない頃、僕はマネージャー昇進や昇給を捨てて0からエンジニアになることを決めました。

結婚直後、子供も産まれる、みたいな大事な局面でどうしてそんな判断ができたのか今思えばだいぶ無茶なことしたなと思うけど、そのころはぼんやり「これからエンジニアって仕事がかっこよくなっていくんだろうな」という妄想だけがあったんですよね(その頃はまだエンジニアの地位って今ほど高くなくて、どちらかというと裏方、という感じだった)。

初めは新卒より使えない中堅社員、というレベルで本当にそのチームにいるだけでお荷物だったし、自分のエンジニアリングに対するセンスのなさにもほとほと呆れるレベルだったな。皆さんの中には少し頭が良ければある程度書けるんでしょと思う方もいるかもしれませんが、仕事にするとなると期待値が変わります。

25歳でバイオリンはじめて3ヶ月後からオーケストラで演奏会、みたいな話。今はたくさんのオンライン教材で自分のペースで進められるからすごく恵まれているけど、その頃はスクールに通って教科書を開いて講義を受けてというのを2ヶ月やるだけ。

現場では自分の基礎もちゃんとできてないのに日々のタスクに追われて毎晩泣きながら仕事を進めるなんてこともありました。

それでもなんとかやって来れたのは、若かったから。確かに既に結婚していたし子供もいたけど、知らない世界だからこそ決断できた。今同じ状況になったら、その決断ができるかは怪しい。

お金や名声じゃなく、自分が書いたコードが動いている、誰かの役に立っているという快感だけ。でもずっと認められるみたいなことがなくてしんどい。そんな毎日。心折れそうな(というか折れた)タイミングもたくさんあったけど純粋に好きだし楽しいからここまで来れたんだろうな。

みんなにそんな苦労してほしいとか全然思ってません。苦労は買ってでもしろみたいなこと言う人いますけど人生生きてるだけで苦労だらけなので買わなくても大丈夫です。いらない苦労はしなくていいです。

その代わり自然とやってくる苦労はしっかりと受け止めて欲しいのです。そしてそれはできる限り若いうちに。若ければしんどくても体力と酒と愚痴でなんとかなります。そしてそれはいつしか経験で昇華されます。

若いうちに成功している人を見たり、お金を稼いでいる人を見ると焦る気持ちもわかるし、僕もそうでした。でもお金の価値ってどんどん下がってるんです。だから小さい力で自分自身や自分の周りを幸せにできる何かをできる限り若いうちから取り組んで少し時間が経った時に自分自身がぎゅっと濃縮している状態を目指すときっと素敵な人生になるんじゃないかなと思います。

結局エンジニアを選んだ理由は大したことじゃなかったんだけど、自分の中身を濃くしていくための一つの武器・スイッチとしてエンジニアリングを直感的に選んだのだと思ってます。皆さんにもきっと身近にある、そんなスイッチが見つかりますように。


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