ジャズの流れる街仙台の魅力に「ふれる」仙臺はじめて物語－楽都仙台の誕生－　

2024年7月7日 18:15

東北学院大学「公開講座」
六軒丁学舎２０２４～新しい「学び」場～
第3回：2024年7月 6日（土）　10:00～12:00
ジャズの流れる街仙台の魅力に「ふれる」仙臺はじめて物語
－楽都仙台の誕生－　
講師：千葉富士男
【終了報告】

【講話の要約】
第二次世界大戦終戦直後から1958年の日劇ウェスタン・カーニバルを経て、現在に至る芸能界の歴史の一端である。芸能界といっても、スターの歴史ではない。スターやレコード会社やテレビ局も出てくるが、主に戦後の芸能プロダクションの歴史である。
東京を震撼させ日本中を熱狂の渦に巻き込んだ１９５８年の第一回日劇ウェスタン・カーニバルの前夜から後日にかけての混乱と熱狂の経過をつぶさに追いかけて行くと主催者の渡邊美佐と渡辺晋の物語は日本の芸能史そのものだった！

1 芸能事務所の現代史　ナベプロ・ホリプロ・ジャニーズ…
芸能界はいかにして誕生したのか？
2 日本の芸能プロダクション　マナセプロダクションの誕生から昨年75周年を迎えた
3 第二次世界大戦後の仙台　9月にGHQが進駐し宮城県内各地に米軍施設Campが設けられ、それぞれに将校クラブ・下士官クラブ・兵卒クラブ・女性隊員用クラブ、それぞれに慰安のためのジャズバンドが配置された。
4 1946年4月、進駐軍の通訳兼秘書をしていた曲直瀬花子とその夫・正雄が「オリエンタル芸能社」を設立。
オリエンタル芸能社は一気に仙台におけるバンドマン招聘などの進駐軍ビジネスをほとんど独占し、その勢いで東北一帯の進駐軍マーケットを掌握していった。
以降、オリエンタル芸能社は、東京などからバンドマンや歌手、芸人たちを呼び、仙台各地の進駐軍基地キャンプなどに送り込む仕事を精力的に行うようになった。
オリエンタル芸能社の拠点のひとつになったのは、仙台市上杉にあった佐竹旅館だ。
ここが、バンドマンたちの常宿となり、タップダンスの中川三郎プラザーズ、奇術の松想斎天勝。まだ幼かった曲芸の海老一楽之助・楽大郎、無名時代の江利チエミや雪村いづみらも泊まっていたという。江利チエミは当時をこのように回想している。
「仙台の仕事が多かったわね。原町キャンプとか多賀城キャンプ、ひとの道教団の社を接収した花京院の将校クラブとか。ほとんどのところへ行った。（略）曲直瀬のママは目鼻立ちが大きくて、子供から見ると最初のうちは恐いなあと思った。ところが、実際にはすごく優しくて、それに親切だった」
江利チエミは花子のことを「ママさん」などと呼び、親しんだという。そんな彼女はやがて進駐軍仕込みの「テネシーワルツ」で歌謡界にデビューし、大ヒットを飛ばすことになる。
日本のジャズは東北から出てきたという一面もあるんです。ナンシー梅木さんも北海道からどうしてもジャズをやりたいからアメリカへ行きたいと思ったんだけど、「まず仙台に行って曲直瀬さんのところの音楽に触れたい」と言って、仙台にしばらくいたそうです。
実は仙台はジャズの一大拠点のようになっていたんです。ジョージ川口さんや中村八大さん、松本英彦さんも来たことがあるし、平岡精二さんも来た。
それこそ美佐と出会う前の渡邊晋さんもね。（曲直瀬道枝さん談）

5 このオリエンタル芸能社（のちのマナセプロダクション）こそ、現存する最古の戦後生まれの芸能プロダクションのひとつであり、曲直瀬家は、日本における現代型芸能プロダクションの始祖であり、言うなれば、戦後芸能プロダクションの歴史は、馬に乗った米兵と老婆の偶然の出会いから始まったのでした・・・・・・

　
講座の終了議にfieldwork：2024年7月 6日(土)13:00～15:00
宮城県多賀城市のジャズ喫茶　PARAGONIAN（パラゴニアン）
　
Jazz Cover Art Gallery, Jazz Listening Cafe and Jazz Wine Bar PARAGONIAN
住所：宮城県多賀城市中央1-12-41
電話：022-364-7788
時間：木曜～土曜カフェ11:00~15:00（LO14:30）、バー 18:00~22:00（LO21:00）日曜 11:00～19:00（LO18:00）
※ワイン昼飲み可
休日：月～水曜
WEB
https://www.instagram.com/paragonian_jazz/
備考：駐車場7台／15席／
料金目安：カフェ 1000円、
バー 3500～4000円／カード可／全席禁煙