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ブルータス、40歳おめでとう。ありがとう、ブルータス。

学生時代から20代の社会人生活から結婚するまで、とにかく、早く、カッコいい大人になりたいと背伸びを続けていた。自分なりの拘りをもち、センスがいい男になりたい。振り返れば、マガジンハウスの雑誌に学びつつ、片手に持っていることがカッコいいんだと心から信じていた。
学生時代はそこそこ真面目に勉強もしながら、かなり真面目にバイトもこなして、相当真面目にデートのことを考えていた。限られた予算でどこに連れて行こうか、そんなことばかり考えていた毎日。あの情熱をなぜ勉学にもっと向けなかったのだろう(笑)

でもそういう自分がとても好きだ。後悔はしていない。
サブカルを「ダカーポ」で学び、デートコースを「hanako」で調べるのが習慣になっていた。当時のhanakoは、「渋谷」のようにエリア毎にレストランガイドを特集していて、本当にお世話になった。この頃に失敗もしながら、いいレストランを見抜く力を身に着けたのだなと思う。
そういえば、noteでも有名な渋谷のbar bossaの林さんのサークルが期間限定であって、先日、林さんと直接Zoomでお話する機会を戴いた。bar bossaを初めて訪れたのは20歳くらいだったけど、hanakoで知ったのですよと林さんにお伝えしたところ、やっぱりそうなんですね!とのリアクションだった。それくらい影響力があった雑誌だったと思う。
(林さん、近日中に行きますね!)

さてさて。そんなマガジンハウスの代表的雑誌であるBRUTUSが40周年を迎えたとのことであります。
おめでとうございます。お前も不惑か、ブルータス!

最近のBRUTUSは「ポップカルチャーの総合誌」を標榜しているらしいのだけど、男性誌界隈で、他の様々な出版社がBRUTUSに挑戦しながら、真正面から凌駕することはできなかった。
もちろん、ニッチ的に、よりアート寄りにいったSwitchとかStudio Voiceはとてもいい雑誌だと思うし(Switchで藤代冥砂が連載していた「誰も死なない恋愛小説」が好きだったなあ)、もっといかにも金持ち受けしそうなGQとかEsquireとかも特集次第で買うこともあったけど、総合的にBRUTUSを凌駕した雑誌はない。断言できると思う。

実用と雑学、伝統と流行、ベタとニッチを兼ね備えているのがBRUTUSだ。そのバランスが素晴らしいんだろうなと思う。そして、徹底的な拘りに基づいた自信、というか一歩間違えたら「傲慢」。最新号も「東京の「正解」」ですからね。「正解」なんて言葉は普通は使えない。「東京カレンダー」が使ってきたら、「嘘つけ」と一笑されるだけだ(笑)。最新号でも、キングヌーのボーカルと亀田誠治、太田光とナイツへのインタビューが入っているのだけど、ちょっとベタじゃないかと思うような人選なのですよね。でも内容は、へーって内容が入っていて、これらの皆さんが急にカッコよく見えてくるわけで。
そういう「思い込み」を覆してくれるのが、BRUTUSなのだ。
不惑を迎えて、ますますこの存在は貴重なのだ。

最後に記憶に残っている三冊を紹介します。

③「20年通えるバー」(2017/9/1)

まずは最近のやつから(とはいえもう2年以上たったのか)。
鉄板の特集ですね。恵比寿のトレンチとか取り上げながら、へーそんなところにいいバーがあったのかと本当にためになった号。バーにおけるマナーも改めて勉強させて戴きました。

②「六本木ヒルズ論」(2003/2/1)

六本木ヒルズのオープンは、新たな東京の象徴であったし、まだ若造だった私には憧れながら近づけない場所だった。あらゆる意味で自分には力が足りないようなところを感じた。恐ろしいまでの思想と、想いと、金が突っ込まれて構築されたこの街を特集したこの号。当時の恋人がライターとして記事を書いていたので嬉しかった思い出がある。


①「カフェ特集」(2000/7/15)

今でこそいいカフェが多い東京。喫茶店ではなくカフェが突如ブームを迎えたのは2000年頃だった。カフェは夜を過ごす場所という時代の到来だ。
当時第一次絶頂期(Lisaがいた時代ね)を迎えていたm-floにカフェをテーマに一曲作らせてCDを入れるという凄技。もうできないっすよね、、そんなの。まさに伝説の号。
まさに東京カフェの先駆けとなった、駒沢のバワリー・キッチンを16ページにわたって紹介。入るだけで二時間待つカフェだった笑。誌面ではお客さん一人ひとりを写真付きで紹介するというもうやりすぎだったなと思う。
(なお、バワリー・キッチンは行くと、モト冬樹が愛犬とぼーっとしている場面に出会える、今でも素敵な雰囲気です)

私は、渋谷の「カフェ・アプレミディ」派だったので、昼間から恋人と入ってコーヒー飲みながら卒論書くってことをしていた。タバコ吸えたし。
カフェ話はまた別途書くことにしよう。
なお、この号には全国のおしゃれカフェ冊子が入っていて、それをもって京都・神戸まで付き合っている人と旅行した思い出もある。

最新号でもちゃんと紹介されていた。

これからも、一緒に、かわいい大人であり続けたいものです。
BRUTUS、頼りにしています。

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