塩川泰子

弁護士・ニューヨーク州弁護士@三村小松山縣法律事務所/ ここでは主にメディアロー,エン…

塩川泰子

弁護士・ニューヨーク州弁護士@三村小松山縣法律事務所/ ここでは主にメディアロー,エンターテインメントロー,ルールメイキングの分野について書いていこうと思っています。

最近の記事

通信品位法230条

トランプ大統領がインターネット上の中立性を害していると批判し,廃止を主張していることで,昨年,アメリカ国内で注目を浴びるようになったセクション230。「インターネットを生んだ26語」といわれるぐらいの法律でもあり,日本人も多く利用しているFacebookやTwitter等,多くのアメリカ系SNSにとって重要な法律。 日本語ではソースが少ないのでちょっと時間をとって調べてみようと思っているうちに,2021年になってしまいました。 トランプ大統領は,大統領選挙結果が「確定」と

    • 動き出したFacebook「最高裁」

      2020年10月22日付でフェイスブックの最高裁こと監督委員会が審査を開始したとのアナウンスがありました(23日現在,22日のアナウンスは英語文のみです)。 長いこと,選挙前に稼働し始めないといっていた監督委員会ですが,今年11月3日に予定されている大統領選挙日の12日前に審査開始。選挙前に動き始めないことについては厳しい批判があり,今年9月30日には,The CitizensというイギリスのNPOが「真のフェイスブック監督委員会」を発足するという対抗策を発表されたくらいで

      • 大統領とフェイクニュース

        少し前ですが,2020年8月5日,Facebookがトランプ大統領の投稿を削除したというニュースが報道されました。その投稿は,FOXのインタビュー動画で,子どもは新型コロナに対し「実質的に免疫がある」等と話していたものだったとのことです。Twitterも該当する投稿を削除するまでツイートを一時制限する措置をとったとのこと。 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO62349380W0A800C2000000?s=3 とうとう,一国の大統領の投

        • Facebookの「最高裁」の理念

          Facebookの「最高裁」こと監督委員会の憲章(Charter)公開時に添えられたマーク・ザッカーバーグの手紙は,このプロジェクトの理念を表していると思うのですが,日本語版が見つけられなかったので和訳してみました。理念は,原文で読むのが一番だと思うので,原文を見たい方はこちらにアクセスしてください。 https://about.fb.com/wp-content/uploads/2019/09/letter-from-mark-zuckerberg-on-oversigh

        通信品位法230条

          フェイスブックの「最高裁」,監督委員会のメンバーとは

          日本も緊急事態宣言期間中,まだ全世界がコロナ禍の出口が見えていない不安の真っ最中だった2020年5月6日,フェイスブックの監督委員会のメンバーが発表されました。 https://www.oversightboard.com/meet-the-board/ 憲章1条1では,11人以上を選定し,最終的には40人まで増員する予定としていましたが,初期メンバーは20人。 国別では,アメリカ5人,デンマーク,イギリス,ハンガリー,イスラエル,インドネシア,オーストラリア,台湾,イン

          フェイスブックの「最高裁」,監督委員会のメンバーとは

          フェイスブックの「最高裁」,監督委員会とは

          2019年7月17日,マーク・ザッカーバーグの手紙とともにフェイスブックの「最高裁」こと監督委員会の「憲章」が公表されました。 https://about.fb.com/news/2019/09/oversight-board-structure/ このマーク・ザッカーバーグからの手紙が,率直な設立趣旨をまとめたものになっています。 Facebook’s commitment to the Oversight Board https://about.fb.com/wp-co

          フェイスブックの「最高裁」,監督委員会とは

          noteはじめました

          ネット上に公開設定でものを書くというのはドキドキします。それでも書こうと思ったきっかけは,マニアックかもしれませんが,フェイスブックの「最高裁」こと監督委員会が開かれるというニュースでした。 これは,フェイスブックが独立の監督委員会をもうけて,コンテンツについて削除すべきかどうかを判断させたり,さらにはコミュニティガイドラインの在り方についての提言をさせたりしようというものです。 最大手の一角をなすSNSが,自前でコンテンツに関して独立委員会を開くというのはなかなかに面白

          noteはじめました