フェイスブックの「最高裁」,監督委員会のメンバーとは

日本も緊急事態宣言期間中,まだ全世界がコロナ禍の出口が見えていない不安の真っ最中だった2020年5月6日,フェイスブックの監督委員会のメンバーが発表されました。
https://www.oversightboard.com/meet-the-board/

憲章1条1では,11人以上を選定し,最終的には40人まで増員する予定としていましたが,初期メンバーは20人。

国別では,アメリカ5人,デンマーク,イギリス,ハンガリー,イスラエル,インドネシア,オーストラリア,台湾,インド,パキスタン,コロンビア,ブラジル,イエメン,セネガル,フランス(カメルーン),ケニア各1人。

地域でいうと,Facebookの区分では,北米25%(アメリカ5人),ヨーロッパ20%(デンマーク,イギリス,ハンガリー,フランス),環太平洋15%(インドネシア,オーストラリア,台湾),Central and South Asia10%(インド,パキスタン),中南米10%(コロンビア,ブラジル),Mid East & North Africa10%(イエメン,イスラエル),Sub-Saharan Africa10%(ケニア,セネガル)という分布。

各事例を審査するパネルには,該当地域から少なくとも1人のメンバーが参加するという仕組みになっているので,フェイスブックの利用されている地域をなるべくカバーしようと意識しているようです。

言語に関しては,アナウンスによれば,9割のメンバーが複数の言語を話せ,29言語をカバーしているとのことですが,個々のメンバーが何語を話すのかはアナウンスにはありませんでした。各メンバーの国(国籍ベースでしょうか)の公用語を調べるとこんな感じになりました。

アメリカ・イギリス→英語
ハンガリー→ハンガリー語
イスラエル→ヘブライ語,アラビア語
インドネシア→インドネシア語
台湾→中国語
インド→ヒンディー語
パキスタン→ウルドゥー語
コロンビア→スペイン語
ブラジル→ポルトガル語
イエメン→アラビア語
セネガル・フランス(カメルーン)→フランス語
ケニア→スワヒリ語

文科省発表の統計によれば,世界の言語の使用人口ランキング,母語人口ランキングはいかのとおり。
世界使用人口ランキング
1 中国語(1,075)
2 英語(514)
3 ヒンディー語(496)
4 スペイン語(425)
5 ロシア語(275)
6 アラビア語(256)
7 ベンガル語(215)
8 ポルトガル語(194)
9 マレー・インドネシア語(176)
10 フランス語(129)

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379958.htm

世界の母語人口ランキング
1中国語(885)
2英語(400)
3スペイン語(332)
4ヒンディー語(236)
5アラビア語(200)
6ポルトガル語(175)
7ロシア語(170)
8ベンガル語(168)
9日本語(125)
10ドイツ語(100)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379956.htm


日本語は,カバーされていない言語のうち,有力な言語かもなあと感じます。言語的に近い言語もありませんし。

USA Todayは,来年中に残り20人が選任されると報道しています。カバーされていない国から1人選ばれるというのも大変なお立場だとは思いますが…
https://www.msn.com/en-us/news/technology/these-are-the-facebook-oversight-board-members-who-will-decide-what-you-can-and-cannot-post/ar-BB13HxgL
These are the Facebook oversight board members who will decide what you can and cannot post
Jessica Guynn, USA TODAY 5/7/2020
“The remaining 20 board members will be chosen next year.”

メンバー公表から約1カ月経過した6月3日の監督委員会によるニュースでは,事務局充実をはかっているところとのこと。Black Lives Matterの対応が不十分だと指弾され,広告出稿停止運動も相次いでいるフェイスブックですが,監督委員会は淡々と準備を進めるという姿勢のように見受けられます。

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