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逃病小説 #25
2021/04/25(日)
手術3日目。手術直後からの猛烈な肩痛も治まった。検温と血圧も安定して、術後の痛みもそれほどなく、ようやく平穏な日々が戻ってきた。平穏な日々が戻ってくると次第に、
「暇だ」
贅沢なものである。入院前に暇つぶし道具として、本やナンプレ雑誌を持ってきたが、なんとなくまだ本調子ではなく集中力が続かない。スマホで動画でも見ようかと思うが、病室のWi-Fiでは通信速度が足りず、といってテレビを見たいとも思わない。
「暇だ」
ということで、暇をつぶすために病棟を歩く、歩く、歩く。
看護師さんや先生から
「Jayuさんは真面目に歩いてますね!」
といわれるが、暇だから歩いているのである。あと、病院生活にもようやく慣れてきて周りがよく見えてきた。
私の入院していた病棟には「デイルーム」という机といす、自動販売機があり、見舞いの面会などができる(今はコロナ渦でできないが)部屋があり、よくそこで入院患者が携帯電話を使っているのだが、60代位の男性患者がある日電話越しに
「今日の阪神競馬の第9レース、3番から…」
と話しているのが聞こえる。勝負魂…
また、8:00、12:00、18:00にそれぞれ朝食、昼食、夕食があるのだが、私の場合はまだ胃切除から間がないため、水分はとれるが食事はとれない。
病室の他の患者に配膳される音、汁物をすする音がうらやましかったが、胃のレントゲン検査で心配された逆流も異状ないという結果を受けて、明日(4/26)の昼から食事を開始できることが決まった。やったー!おもゆだけどね
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