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取材を受ける時の注意点 テレビ編 〜テレビ取材を受ける時の広報の心得〜


取材を受ける時の注意点7つ 初級〜上級まで 新聞編で先日、新聞の取材を受ける際の注意点について書かせていただきました。その後個別でご連絡を頂戴し、テレビ取材を受ける際の広報の動き方についても知りたいとの声をいただきましたのでテレビ編も書きたいと思います。
テレビは今まで何百回と取材現場に立ち合いましたが、恥ずかしながらいまだに毎回反省点があります。テレビ取材はそのくらい難しいと感じます。そんな私の経験をもとに書きましたので、広報を始めたばかりの方もベテランの方も、何かへぇ〜ちょっと参考になるわと思っていただければと思っております。

■撮影箇所
・撮影OK/NGの線引きをしっかりしておく

企業の場合はオフィスや現場など、企業内での撮影が多くなるので、撮影されたら困る箇所を実際に目でみて確認しましょう。当日「撮っていいですか?」と急に聞かれて困ったり、知らぬ間にカメラが回っていて放映でビックリなどということのないようにしましょう。
よくあるNG例は下記です。
 -個人情報や個社情報が載った資料
 -会社の経営戦略や財務事情のわかってしまう資料
 -「必達!受注目標あと1,500万」などの掲示物
 -家庭の事情など特別な事情で顔が映っては困る社員
☆広報ワンポイント
通常、テレビ局側は「なるべく色々撮っておきたい」企業側は「なるべく色々撮らないで欲しい」という真逆のスタンスです。広報はどちらか一方に立つのではなく、なるべくその中間に立って交渉人としての立場をとるのがベストな動きです

・取材対応者背景をうまく使う
取材対応者がオフィスで取材を受ける時などは、その背景は単なる真っ白な壁などにせず、存分に広告枠として使いましょう。具体的には下記のようなものを準備しましょう
 -会社・サービスのロゴ・ポスター
 -主な著書
 -綺麗なオフィスをアピールする花や観葉植物、絵画など

■コメント
・言ってはいけないワード、答えてはいけない質問をあらかじめきめておく

取材対応者と必ず握っておかなくてはならない事項です。テレビ取材は、ただでさえカメラクルーや音声なども含めて大所帯で来社するため、質問を受ける時も必要以上に「圧」を感じやすいものです。「競合のXXというサービスと比べて優れている点は?」など、テレビで公開するには微妙な質問に対して、うっかり答えて収録されてしまうことの無いよう、しっかり先に握っておきましょう。

・何度でも撮り直しOK!と安心させる
前述しましたが、テレビ取材はクルーの人数も多いし、目の前でカメラが回っていて収録されていると思うと多くの方は必要以上に緊張してしまいます。緊張して言い間違えたり、余計なことを口走りそうになったりした時は生放送でない限り何回でも撮り直しOKですので、それをしつこいくらい取材対応者に伝えましょう

・NGコメントには容赦無くカットイン!嫌な顔されても気にしない
ここは広報としても腕の見せ所ですが、テレビでは特に、取材対応者がテレビ記者にまんまと乗せられて(?)ペラペラとしゃべってはいけないことをしゃべり出したり、緊張からものすごくつっかえたり、どもったり、全く質問の意図と違う回答をしたりすることも多くあります。
後者の場合はまだ良いのですが、前者の場合、メディア側からは嫌な顔をされるのは必至です。ですが、企業としてのリスクを考えればそんなものは大した問題ではありません。バシバシカットインして、リスク回避をしましょう。
「ごめんなさい、その質問は企業としてNGなんです」「今の回答、XXなどの属性のお客様を傷つける可能性があるのでNGとさせてください」「あ、これ答えちゃうと私の首がとんじゃうかもしれないので、ごめんなさい!笑」などと、明るくさらっとカットインしてみることをおすすめします。

■服装等外見
・明るい服

テレビ取材を受ける時はなるべく顔映りの良い明るい服を選んでもらいましょう。取材当日の天気や時刻によって、かなり屋内が暗く感じる時もあります。芸能人によるインタビュー取材などでない限り、テレビクルーで照明さんが来ることは稀です。なので、自分の服がレフ板になるように白やパステルカラーを基調にした明るい色の服装をしてくるよう、取材対応者に伝えましょう。

・すっきりした髪型
それぞれ個人的には「ちょっと前髪が眉下にかかるくらいがおしゃれ」「後れ毛こそがポイントなの」「丸顔を隠すために髪の毛で輪郭かくしたいの」などなど、色々あるのはとってもわかります。ですが、テレビにうつるとそうした髪の毛が顔にかかっている感じや後れ毛が出ている感じがとってもうっとうしく映ってしまうものです涙 
私自身、広報として何度かテレビで喋ったことがありますが、ロングヘアを全部おろして喋っていたら、途中から頬に髪の毛の束がへばりついたまま喋っていてOAをみて非常に恥ずかしい思いをしました。

・女性はちょっと濃いめくらいのお化粧
最近流行りのナチュラルメークやヌーディーなメイクですが、テレビ映えするかというと実はそうではありません。あまり塗りたくる必要はないですが、なるべくファンデーションは少し濃いめに、そして口紅はなるべく血色よく見える色を選ぶことをおすすめします。実物でちょっと濃いかな?というくらいの方が、テレビに映った時には美しく映るものです。

☆広報ワンポイント
テレビ取材中、取材対応者はみんなに一挙手一投足を見つめられて非常に緊張しますし、全部自分で対処しなければならないような気がして非常に孤独です。なるべく、「専属アシスタント」になったような気持ちで、1コマ撮影が終わったら服装の乱れや髪型の乱れなどもチェックし、同性同士ならそうした乱れを自らの手ですこし直してあげるのも、取材対応者が安心できます。

■テレビ請けするコメントの仕方
・印象的なキーワードを使用して いち文で

テレビは非常に尺が限られています。次々新しいニュースが飛び込んでいく中、同じことをいうのであればなるべく短く完結に述べてくれる人が好まれます。起承転結で長く話すよりも、まずは結論からズバリ!と言いましょう。
 -「今年の流行色は「XX」です!…というのも、パリコレで…」
 -「再発防止には3つのポイントを踏まえる必要があります。1つ目は社内体制の見直し、2つ目は…」
このように、ずばりと最初にコメントしましょう

・記者からの質問後や話題が変わる時には2〜3秒間を置く
テレビ取材では、尺の関係からコメントがかなりカットされることを覚悟しなくてはいけません。そのため、記者から質問をされた時に質問に被せて「あ〜それについてはですね…」などと答えてしまったり、違うトピックにうつる時にまったく間髪入れずにコメントを開始してしまうと、あとで編集する際にうまくカットができず、最悪全文カットになってしまいかねません。なので、そこも事前に取材対応者にインプット必須です。


一方…
テレビ取材においてちょっと注意したい2点をおつたえします。
・作り込みすぎない
これは、特にNHK全般や民放のニュース枠での取材で感じるのですが、あまりバッチリシナリオや台本を準備して取材に臨んでしまうと、「作り込み過ぎ=広告っぽい」と受け取られてしまい、あまりニュースとして大きく取り上げてもらえないことがあります。
とはいえ、テレビ取材は広報・広告両面にとってかなりの大きなチャンスです。なので、中立的なコメントを心がけつつ、あまり「うちのサービスは業界に先駆けてXXをしました」とか「料金はかなり良心的で…」など、個社の情報ばかりを話し過ぎないよう、心がけましょう。

・社内での期待値調整
とにかく、テレビ取材は長時間に及ぶことが多いです。ほぼ丸一日テレビ取材にかかりっきりだったということも多々あります。そのため、「さぞかし大々的に放映されるのだろう」と社内全部が”超”期待します。
しかし、ニュース枠での取材の場合は特に、良くて放映時間1分程度です涙。私が新人の頃、丸2日汗だくになりながら受けたテレビ取材がたったの15秒しか流れずに終わった時は、泣きました。現実が受け入れがたくて、そのあとのニュースも、翌日のニュースもチェックしました笑
くれぐれも、何度も、何度も繰り返し取材対応者及び関係各所、ステークホルダーには「すごく労力がかかりますが、最悪他の大きなニュースが起こった場合は放映無しになります」「これだけ頑張っても、OA10秒ってことも多々あるのが悲しいところですが、できる限り頑張りましょう」などと、きちんと期待値調整をしましょう。
最初に期待が大きいと、外れた時の落差が激しく広報への不信感などにもつながってしまいかねません。

ここまで、テレビ取材を受ける際のポイントについてお伝えしました。何かのお役に立てれば幸いです!

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