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社員がSNSで不適切発言・大炎上 さあ広報はどうする

すでにSNSは若者の間ではTVよりもずっと影響力があると言われています。

今更言うまでもないですが、SNSは諸刃の剣。良いニュースも悪いニュースも一瞬で広まります。

広報として怖いもののひとつに、社員のSNS発信が含まれる場合も多いのではないでしょうか。会社の公式SNSなら広報がある程度コントロールしやすいですが、個人のSNSとなると、いくらプロトコルなどを定めても完全にコントロールするのは難しいからです。

社員がSNSで不適切発言 炎上し批判の矛先は会社に

例えば、こんな事例があったらどのように広報として対応するでしょうか。

社員が、Twitterで差別用語を繰り返し発信し、炎上。
ネット上で個人の特定が進み、過去の発信内容などからあなたの会社の社員であることが判明しました。
本人に事実確認を行うと、すぐに事実を認めました。本人はすでにアカウントは削除していたものの、多くのキャプチャがネット上に残っており、さらに炎上はヒートアップ。
会社の責任を問う意見も盛んにリツイートされ始めています。

書きながら、私もドキドキしてきましたが、
こうした状況下で広報としてはどのように対応すべきなのでしょうか。

危機管理対応については、100%の成功法はありません。が、一般的に広報として教科書的な対応法はあるのでお伝えしたいと思います。

会社として謝罪をすべきか、個人の問題として放っておくべきか

個人的な見解ですが、私はこうした問題に対して

「自社の社員が、社会通念上許されない発言(差別・暴力・ハラスメント等)で世の中の多くの人を傷つけ不快な思いをさせたこと」
について、謝るべき
だと考えます。

これはよくある議論ですが
「あくまでもこれは個人の信条の問題であり、会社の問題ではない=会社が謝る必要はない」
と考える人もいるかもしれません。

ただ、社名が明らかになった上で大炎上しているのに会社が何も発信しなかったことで更なる炎上を呼んだ例が過去にいくつもありますので、やはり会社としてきちんと発信をすることをおすすめします。

謝罪をするのであれば何に対して謝るのか?

では、何について謝れば良いのでしょうか。

これも私見ですが、「世の中の多くの人を傷つけたこと。世の中をお騒がせしたこと」について謝るのがベストかな、と思います。

この時に広報として心得ておきたいのは、熱い心を持ちつつも頭は常に冷静にということです。

過ちを犯したのはあなた自身ではなく、あなたの会社の社員です。
そして、あなたは広報として、会社の姿勢を世の中に伝えることを役割とする人です。

必要以上に熱く謝罪しすぎて
「こんな社員を雇ったのは我が社の責任です。全責任は会社にあります」
なんて的外れな方向へ行ってしまうことは避けたいですね。
また、当該社員を熱く責めるあまり
「こんな愚かで非常識な社員は即刻解雇します」
なんて極端な個人攻撃も避けたいところです。

発表に盛り込むべき内容は3点

では、何を盛り込むべきなのでしょうか。
ポイントは3点です。

①現状分かっている事実
②この件に関する会社としての見解と謝罪
③今後の予防策

具体的に今回のケースではどのような内容を盛り込むかと言うと…

①現状分かっている事実
当社社員が差別的な発言を行っていた。SNSにおいて、当該者が当社社員であるのではないかという指摘する声が相次ぎ、本人に確認をしたところ認めた。現在アカウントは削除されているが、多くの方の心情を傷つけ、不快な思いをさせてしまった。

②この件に関する会社としての見解と謝罪
個人の信条について会社が発言をすることには議論があるかもしれないが、会社として差別発言は容認できない。また、会社の就業規則・倫理規定にも反する。会社として、当社の社員の発言が多くの方を傷つけ不快な思いをさせたこと、世の中をお騒がせしたことをお詫びする。

③今後の予防策
当該社員については当社規定に基づいて対応予定。また、他の社員への教育も今一度徹底していく。

ちょっと大雑把ですが、私が広報ならこのような内容をリリースに落とし込んでHPに掲載します。

ご参考になれば、幸いです!


危機管理広報は本当に奥が深いので、今後も「記者への電話対応編」とか「謝罪会見編」など、書いていきたいと思います。

まだまだ走り出したばかりの企業や広報さんでも、素晴らしい実績を作っていけるよう、心より応援しております!

戦略広報コンサルティングのJAYIDでは、危機管理・クライシス広報のみのご相談もお受けしています。
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