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スタートアップ(ベンチャー)の広報の始め方

「広報」と聞くと、大企業の広報部などのイメージも強く、スタートアップの経営者は関係ないように思えるかもしれません。しかし、広報は広告と違って原価がほとんどかからず、うまくやれば広告以上の効果をもたらすことができるため、初期から取り組むべき活動のひとつです。

ただし、あまり意味のない広報活動を延々と続けていてもリリースを書くために時間を取られたり、リリース配信サービス(ワイヤーサービス)の利用料だけかかるなど、良いことはありません。
ここでは、スタートアップならではの広報活動を4つのステップで説明いたします。

1:リリースをまずは書いて発信する
2:ワイヤーサービスの契約
3:情報発信の質を上げてメディアに引っかかるようにする
4:メディアにできたツテを大事にして情報発信を続ける

上記4つを行えば、もう立派な広報活動です。
「まずはメディアキャラバンをして会社について知ってもらいましょう」などというのは時代錯誤で、小さな企業であればなおさらあまり意味がありません。Face to Faceのミーティングが難しくなっている昨今ですので、時代に即した広報活動ができると良いな、と思います。


1:リリースをまずは書いて発信する
とにもかくにも、情報発信をしないと始まりません。あれこれ下調べなどをしているうちに他業務が忙しくなり、いつまで経っても広報活動を開始できない、という声はベンチャーの経営者からよく聞かれる声です。思い立ったが吉日、とりあえずすぐ書いてみましょう。
まずは発信できそうな話を思い返してみてください。一応、ニュースリリースというのは「News」とついているだけあって何かニューな情報が必要です。「xxがんばってます」とか「xxのサービスをやっています」みたいな情報をリリースするのはお作法的にNGです。
ですがはじめてのリリースであれば、「少し前にサービス開始しちゃった」とか「そんなメディアの目にとまるような大きな情報ないんだけど」などと思われるかもしれません。
ほとんどのスタートアップ企業が同じ状況です。なので気後れせず、少し前にスタートしたサービスでも、「ちょっとサービスに改良を加えた」とか、そうゆう小さなことでも構わないのでまずは書いてみてください。

下記が小さなネタでもいけるリリースの書き方です
・「xxのサービスを本格稼働」
・「xxの実現を目指して準備開始」
・「利用者がxx人を突破」
・「初めての口コミで★5を獲得」
・「xxのプロトタイプ/β版をスタート」
このような書き方であれば、すでにサービスインしているものであっても、ニュースとして書くことができます。

これでメディアにニュースとして取り上げられる、ということはあまり期待できないですが、とにかくインターネット上に情報を拡散して、社名やサービス名があちこちに散りばめられるという面においてはとっても良い効果があります。


2:ワイヤーサービスの契約
リリースを書いて、HPに載せておくだけでは多分メディアの目に止まる可能性はゼロに近いと思います。情報をなるべく広く拡散するために、ワイヤーサービスを利用することをお勧めします。
ワイヤーサービスとは各社のリリースを自動で数百にものぼるメディアに配信・転載してくれるサービスです。おもにPR Times  @Press  共同通信PRワイヤー News2U Dream Newsなどがあります。

それぞれの比較については、たくさん比較サイトがあるので検索していただければと思いますが、使い勝手が良いと思っているのは今のところDream Newsです。1ヶ月の料金も安く、1ヶ月単位で契約できるし、契約すればリリース打ち放題なのでベンチャー向きとも言えそうです。(ただし、ちょっと毎回のニュースの審査→その連絡が若干上から目線で、”載せてやる”感が否めないので、何だかな〜とモヤモヤすることもありますが)


3:情報発信の質を上げてメディアに引っかかるようにする
上記で、とにかく情報発信の口火を切ったら、何となく広報の第1歩が完了し、フローも掴めると思います。そして、ワイヤーサービスを使ってリリースをしてみると、
・結構インターネット上に情報って拡散するんだな
・メディアからの問い合わせなんて全然ないんだな(泣)
この2点がわかると思います。

そこで次に試したいのはメディアが喜ぶ情報を発信することです。
ポイントは3つ。これらの情報を単独でも、組み合わせても構いませんのでどれか1つは当てはまるようにして作ってみてください。
①アンケートなどをとって数字の情報を発信すること(ニッチでも構いません)
②今話題になっているキーワードを織り込んで発信をすること
③一般の人が「読みたい!」と思うタイトル付け

事例
「コロナ影響で”言葉/行動狩りが怖い”は○% 実際炎上経験のある人の居住地は意外なXX県」
「母の味をAIが忠実に再現 未来の食卓を作るXX大学との共同研究」
「5回以上来日している外国人は何をして遊ぶ? 日本人には「?」だらけの珍回答続出」
など、こんな見出しのリリースがあったらちょっとクリックしてみたいと思いませんでしょうか。メディアの世界は今のところ、どこまで行っても必ずどこかで人の目と手を介してニュースにされる、ということを考えると自然な流れかもしれません。

この3点をおさえて発信すると、結構ネットニュースなんかが拾ってくれていつの間にか記事になっていたり、場合によってはTVのADさんとかがリリースから見つけ出してくれて「これ、番組で使いたいんだけど、クレジット(テロップなどで出す会社やサービス情報)どうすればいいですか?」などと連絡きたりします。

アンケートは、今どきGoogleのサービスなどを使えば超安くできますし、ちょっと手の込んだ調査でも結構できますのでトライしてみてください。


4:メディアにできたツテを大事にして情報発信を続ける
1〜3までをしっかりと続けていると、それなりに大小のメディアの名刺や連絡先を知っている状態になります。そうしたら、しっかりとその方々に新しいリリースのお知らせなどをして差し上げてください。メディアの方々、忙しいので、興味の無いネタは基本無視されます笑 ですが、そんなことにはめげずに情報発信を続けていきましょう。

1:リリースをまずは書いて発信する
2:ワイヤーサービスの契約
3:情報発信の質を上げてメディアに引っかかるようにする
4:メディアにできたツテを大事にして情報発信を続ける
広報活動というと、「何か新聞にのるような大きなニュースでないと難しい」とか「手間がかかるので広報の専任を雇わなくては」などと難しく考えるかたも多いですが、全然そんなことはありません。とにかく思い立ったが吉日、です。小さなところからまず始めてみてはいかがでしょうか。


「忙しいのでとにかく無理!」「文章苦手だから無理!」という方は、私の経営するジェイード社でサポートも可能ですのでお気軽にご連絡ください。リリース1本単位でも、月単位のプロジェクト型でも、お受けしています。

連絡先
http://jayid.co.jp/contact/

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