あらゆるものが通常に戻っている世界 日本は取り残されていくのか
今週はじめ、イギリスに到着しました。
蒸し暑かった日本からわずか1日で、朝晩は13〜4度まで下がり寒いくらいのロンドンに着くと、なんだか変な感じがします。
ただただ「何もなかった」成田空港
今回行きは成田空港から飛び立つことになった私たち。
少し前に成田空港から出張へ旅立った先輩から
「成田空港はどの店もやってなかったよ」
と聞いていたのですが、
6月から入国規制が緩和されたし、もう少しお店も空いてたらいいな…
なんて淡い期待を抱いて行ったのです。
そんな淡い期待も虚しく、見事にまったく店もやっておらず、悲しいほどにガラッガラの成田空港。
「こんな成田見たことない」
最初に出てきた言葉はこれでした。
ほぼすべてのチェックインカウンターが閉まったままで真っ暗、
ふだんならそこかしこに見られた長い列もありません。
人が少ないから冷房をかなり抑えているのでしょう。どこも館内は暑くて汗だくです。
手荷物検査も、出国審査も、いっさい並ぶことなくものの1分で完了…。
出国前はコンビニとファストフード店しかやっていませんでしたが、
出発ロビーも同じく。
かろうじて香水や化粧品などを売っているDuty Freeのお店はやっていましたが、高級ブランド店も全部休業中。
別に高級ブランド店が空いてたところで買うわけでもないのですが、出発前の暇な時間にぶらぶらと高級店をうろつくのも旅の醍醐味なのですもんね。
インバウンド&海外旅行人気で、空港がごった返していた時代には
「もう、混み過ぎ!人多すぎ!」
なんて文句を言っていましたが、
こんなガラガラで寂しい成田を見たら、あのにぎやかでごみごみした成田の方が100倍、いや1000倍良いと思ったのです。
こんな寂しい成田を見たら、誰も「日本に来たい」と思わないだろうな…
トランジット時の空港に降り立つと、出国せずとも各国の空気を垣間みることができます。
私にも、トランジットでの利用以外、その国に降り立ったことのない国がいくつかあります。
フィリピン、ロシア、ドイツ、今回のドバイなどがそうです。
降り立ったことがないとなおさら、その国のイメージは空港だけで決まってしまいます。
例えばフィリピン…。
今はもう少し綺麗な空港になったそうですが、以前シンガポールからハワイへと旅行をしたときに1度利用しました。
当時のアキノ国際空港はひどいもので、
住み込みで働いてくれていたフィリピン人のメイドさんからは
「絶対にトランジット中、荷物から目を離さないでくださいね」
と何度も念を押されました。
盗難に遭うからかな、と思って聞くと
「空港職員や警備の警官が、自分のボーナスになるから、と弾丸やドラッグを利用客の荷物に忍ばせて、それを自作自演で捕まえたりする」
のだとか。
やることが本当に恐ろしすぎます…。
さすがにそんな目には遭わなかったけれど、空港内、店などほとんどなく、あっても並んだ食べ物すべてにたくさんのハエがブンブンたかっているなど、ここ10年で利用したすべての空港の中でもいちばん厳しい感じでした。
ついでに、というのもなんですがモスクワ空港もそうでした。
こちらも今は綺麗に生まれ変わりましたが、初めて行った時は、まさに社会主義の閉ざされた国。
軍服のような制服を着た職員が物凄くめんどくさそうに対応していて、誰に何を聞いてもロシア語でしか返してくれず、ちんぷんかんぷんでした。
売店には趣味の悪いロシア帽と、ホコリをかぶったマトリョーシカが数体…。
フィリピンもロシアも「旅行で来ることは無いだろうな〜」
と思いながらあとにしたのをよく覚えています。
(本当は美しい街も遺産もたくさんあるのだけれど、最初の印象って大きいものです)
日本の成田も、トランジットで訪れた人がいたらさぞかし落胆するだろうな…。
だって、暗くて、どの店も閉まっていて、おまけに蒸し暑いだなんて…涙
ただただ残念に思う私でした。
さらに時間短縮された入国審査で「スタンプ」が押されなくなった!
これはイギリスだけでなく日本での出国時もそうだったのですが、
審査官のところへ行って、パスポート写真と実物を見比べられ、旅行の目的や何日滞在するか…などを聞かれたりするあの一連のやりとりが全てなくなっていました。
顔認証の機械に自分でパスポートをセットして、カメラを見つめるだけで完了です!
な…なんと簡単。
個人的には、出入国時にもらうスタンプ、見るたびに旅の記憶が蘇るので結構好きだったのでそこはちょっと残念です。
イギリスの入国は、噂どおり
最後の最後まで色々不安でしたが、イギリス政府の公表している通り
・ワクチン接種の有無
・PCR検査の結果
など、あらゆる情報が不要でした。
飛行機を降りたら、先ほどの顔認証で入国。荷物を受け取ったらもうそこはイギリス国内です!
(ちなみに先日ニュースになっていた、ヒースロー空港での預け入れ荷物の大量行方不明問題ももうだいぶ解消されているようで、特に問題ありませんでした)
King's Collegeで戦争学を学んだのが17年前(ドヒャー!)、そして前回イギリスへ来たのが2014年。
約8年ぶりのイギリスに気分は上がりっぱなしです!
鼻に抜けるようなあのブリティッシュアクセントに下町なまりのコックニー英語、
あらゆる人種が行き交う街、
美しい石造りの建物…
何もかもが思い出深過ぎて、道ゆくすべての人、街並みに「ただいま!!!!!」と言いたくなりました笑
すでにコロナが過去のものに
イギリスに住む友人からも、「誰もマスクしてない」というのは聞いていたので、混み合う電車で誰一人マスクをしていなくても大して驚きませんでした。
だけど、テムズ川沿いを歩いていた際、
こんなものを発見。
『The National COVID Memorial Wall』
もはやコロナはメモリアル…過去の遺産なんですね。
このハートの中には、それぞれのメッセージが書かれていたりするのですが、愛のメッセージがいっぱいで読んでいて泣きそうになります。
「I love you mum, I miss you」
など、おそらくコロナで大切なご家族を亡くされたのだろう、と思われるようなメッセージもたくさん。
ジョンソン首相の退任に見る、緊急時に必要とされる首相の終焉
数日前にイギリスについた時から、相次ぐ閣僚の退任でBBCが進退を報道していましたが、とうとうジョンソン首相が退任しますね。
個人的には、彼がこんなにやる人だと思っていなかったのですごく評価しており、残念に思いました。
大揉めに揉めたブレグジットの実現(これは良かったのか不明ですがあの混乱下で結論を出したことがすごい)、強硬に進めたコロナ対策、どこよりも早かったウクライナ支持表明、スウェーデン・フィンランドのEU加盟までの相互支援協定署名、国の代表の初めてのキーウ入りなど…
とにかく、極右だの奇人だのと批判も受けながらやってのけたことがすごい!よくぞやり遂げた…としか言いようがありません。
日本の首相にも見習ってほしいです。
でもきっと、彼はコロナという超緊急事態の時に必要とされる、強烈な首相だったのでしょうね。
まさにジョンソン首相の退陣に、イギリスでの本格的なコロナ終焉宣言を見ました。
もちろん英国では今も大勢の人が毎日感染しているのですが、イギリス人曰く
「たぶん何回もかかってるけど、もはやコロナかどうかもいちいち調べない。ワクチンも打ったし、いつまでも怖がって人と交流できないことの方が病気になっちゃう」
のだそう。
何が正解かはわからないけれど、
いつまでも世界から国境開放を出し惜しみして、すでに動き始めている世界から取り残されてしまうなんて、残念すぎます。
最後はなんだかとりとめのない話になってしまいましたが、早く日本も割り切って「もうそろそろ良くない?」となるのを願わずにはいられません。
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