いつき

もうすぐ27歳。おばあちゃんになった時に読み返したい。

いつき

もうすぐ27歳。おばあちゃんになった時に読み返したい。

最近の記事

土曜日

今日は久しぶりに美容院に行った。 実は私はずっと美容院が苦手だった。 なんでだろう。変な緊張感が苦手だった。 でも二年ほど前から、今の美容院に通うようになってからは、楽しみのうちのひとつになった。 Aさんとの会話はいつも楽しいし、 私のことをちゃん付けで呼んでくれるのも、とてもうれしい。 こんなお姉さんがいたらいいな、と思っている。 私が別れたことを報告すると、今度飲みに行こうと誘ってくれた。 また楽しみがひとつ増えた。 実は、これからのことを考えるととても不安になる

    • 優しさに慣れていない

      26年も生きているというのに、いまだに「優しさ」に慣れていない。 就活に失敗した時、 失恋した時、 病気になってしまった時、 酷いことを言われて傷ついた時、 それを誰かに伝えるのが、すごく苦手だ。 辛いことほど、ふざけながら笑って言ってしまうし、 自分の中で終わってからじゃないと、そもそも言わないことが多い。 理由はたぶん、優しくされるのが苦手だから。 慰められたり、励まされたりすると、なぜかとても居心地悪くなる。 何か、私が悪いことをしてしまったような気持ちになる。

      • もっと制服着ればよかった

        高校生、はじめて隣の席になった子は、入学試験の成績が一番よかった子だった。 たぶん私は後ろから数えた方が、圧倒的に早かったと思う。 一年生。 いまでも親友のHと出会う。 たくさん喧嘩をした。 Hが他の子と仲良くしていると、嫉妬した。 そのくせ、私は他の友達ともたくさん遊んだ。 実家を出て、学校からバスで1時間ほど行った先にある祖父の家に転がり込んだ。毎晩、祖父はバス停で私を待ってくれていた。 その姿が今も忘れられない。 勉強はあまりしていなかった。授業中寝過ぎて、よく

        • 私はもう忘れてしまった頃の話

          つらかった頃の記憶って、忘れやすいような気がする。 まあ忘れてしまった方がいい記憶だけど。 でも、その頃の私を側で見ていた人は、まだその頃の事を鮮明におぼえているから、何というか、少し申し訳ない。 社会人二年目と三年目の時、それぞれ半年ほど休職した。最初は適応障害で、その次は鬱だった。 症状とか、どんな毎日を過ごしていたかとか、わざわざ記憶の底から引っ張りだしてこようとは思わない。 ただ、そんな日々の中にも忘れたくないなと思う瞬間があった。 上司が本当に本当にいい人で、

          かぞく

          うちには鳥が二匹いる。 真っ白い文鳥。 片方は私にとても似ている。 敏感で、警戒心が強くて、感情的な子。 もう片方は、真逆。 みんなのことが大好きで、誰にでもすぐに懐く。 自分から撫でて欲しいとアピールもしてくる。 ふたりともケージから出すと、ずっと私の手の上にいてくれる。 体温が四十度以上あるらしく、冬は温かいし、夏は暑い。 ちっちゃい体で、毎日一生懸命生きている。 たくさん食べて、たくさん寝て、おふろにも入る。 私が生きていかなければならない理由。

          もうすぐおわり。

          もうすぐ今の暮らしが終わる。 いままでで一番自然に息ができていた。 この暮らしが一生続くものだと思い込んでいた。 欲張りで、負けず嫌いで、中途半端なことが大嫌いで、 だからずっと生きづらかった。 いつも自分を追い込んで、それでも満足できず、 もがいていた。 一日の大半を過ごす会社で、 何もできることがなくても、悔しいとさえ思わなくなった。あんなに泣いていたのに。 体型も体重も一切気にしないようになった。 食べたい時に食べたいものを自由に食べていた。 これからどう生きて

          もうすぐおわり。

          あの頃のあの人(たち)

          大学生の頃、 年中暖かい場所で過ごしていた時期があった。 私のことを知っている人が、ひとりもいない場所に逃げたくなり、全てのSNSを削除して、学校に休学届を出し飛行機に乗った。 現地の語学学校に通った。 そこでDと出会った。 どうして親しくなったのかは覚えていない。 私たちは、毎朝一緒にプールに行った。 その後授業に行き、終わると一緒にご飯を食べてカフェに行った。たまに授業をさぼって、そのままカフェに行くこともあった。 夕方になると一緒に校庭を走り、夜になるとマックに行

          あの頃のあの人(たち)

          おばあちゃん

          小学二年生の一年間、 毎年夏休みの一ヶ月ちょっとを おばあちゃんの家で過ごしていた。 その頃のおばあちゃんは、毎日夕方になると 散歩に出掛けて行って、 私はいつもそれについて行っていた。 なにか話していた記憶はない。 おばあちゃんは基本無口な人だったし、 私もあまり喋らないこどもだったと思う。 それでもおばあちゃんと過ごす時間が好きだった。 おばあちゃんの家の、あの夏の田舎の匂いも好きだった。 毎回帰りの飛行機の中で、おばあちゃんのことを思って泣いていた。 高校生にな

          おばあちゃん

          書く理由

          自分について考えてみたとき、 思い浮かぶ文章たちは全て、誰かに言ってもらったこと、教えてもらったことばかりです。 なぜか自分のことについて考えることが苦しくて、ずっと避けてきました。 たぶん何かを言語化することがすごく苦手で、言葉にならない、ピッタリと当てはまらない感情や事柄をぐるぐると考えているのが、苦しいのかなと思ってます。 言語化が苦手なのに、もう二十年近く日記を書き続けています。 苦手だからこそ、頭の中から何かしら吐き出さないと耐えられないのかも知れません。 そ

          書く理由