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優しさに慣れていない

26年も生きているというのに、いまだに「優しさ」に慣れていない。

就活に失敗した時、
失恋した時、
病気になってしまった時、
酷いことを言われて傷ついた時、
それを誰かに伝えるのが、すごく苦手だ。

辛いことほど、ふざけながら笑って言ってしまうし、
自分の中で終わってからじゃないと、そもそも言わないことが多い。

理由はたぶん、優しくされるのが苦手だから。
慰められたり、励まされたりすると、なぜかとても居心地悪くなる。
何か、私が悪いことをしてしまったような気持ちになる。
「かわいそう」な子だと思われたくないだけなのかも知れないし、そもそも重い空気になるのが嫌なのかも知れない。

慰めてくれること、励ましてくれること、
私はそれを「優しさ」と呼んでいた。

だから、優しくしてくれなそうな人に、何でも話していた。
その人たちは、お酒を奢ってくれたり、一緒に笑ってくれたり、私のことをばかにする。

そうしてもらうと、いつのまにか晴れやかな気持ちになっていた。

最近やっと、それも「優しさ」と呼んでもいいのではないかと気付いた。
全部「私のため」にしてくれていることだから。
私との、この場を楽しくしようとしてくれているのだから。

その証拠に、彼らは別れてから、涙が出てきてしまいそうになるLINEを送ってくれる。
ひとりで泣ける時に、そういう言葉をかけてくれるのだから、本当にありがたい。

私の周りにはたくさんの「優しい」人がいる。
行動はみんなそれぞれだけれど、優しくない人なんて実は一人もいないと思う。
26年も生きているのに、そう信じきっている。


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