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つり革を片手に揺られていたら

駅へ向かう道を歩いていたらちょっと先にある土木屋さんの事務所からお爺さん二人が出てきて自分と同じ進行方向に歩き出した。同じ作業着を着て並んで歩くその後ろ姿は、背丈や体格も、短い白髪頭も、その短い白髪頭の剥げ方も全部一緒で、正面を何とか確認したかったけど結局そのまま追い越す事も出来ずに二人はエレベーターに乗り込んで行ってしまった。果たしてあの二人は後ろ姿の通りの双子だったのか、それとも似ても似つかなかったのか。

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