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27歳で悪性腫瘍であることが発覚したのに予想より落ち込まない #004

放射線治療の際に必要な石仮面の作成が終わり、「退院できるかもよ?」という看護師とリハビリの先生の情報を頼りに頭痛との戦いに挑む日々。

頭痛+目のピントが合わない+耳が聞こえにくいというストレスフルな症状と戦っていると、ある日の朝に先生が「午後抜糸します」と伝えに来ました。
その時に「一時帰宅はありますか…?」と勇気を出しながら聞くと、「考えています」とのひとことが!

2、3週間病院に監禁されている身としてはうれションしてしまうくらい嬉しいひとこと!
抜糸にはかなりビビりながら、メシなどが運ばれてくると、母上+祖父母が登場。

「??????」と思いながらも差し入れを受け取り、ウルトラうまくない病院食を食べていると、少しずつ頭痛がひどくなる気配が、、、
看護師に頭痛薬をもらい服用し、申し訳ないなと思いながらも帰っていただき、痛みから逃れるために無理やり寝ることにしました。

ちょうど良いくらいの入眠をし、しばらくすると主治医が抜糸をしに来ました。
入院+手術=恐怖の対象だった27歳の僕。しかし、痛み止めも飲んでいるので恐怖はありません。

感想としましては、「ちょっと痛い。」
めっちゃ痛いとか、そういうわけではなく、「ちょっと」という感じ。
なんか抜糸はしたけど、謎の汁が出ているようで、ガーゼで1日保護しようとのことでした。

抜糸後に「明日もう一回MRIを撮って、その後点滴の管を抜きます。その後に結果をお話させていただきます。」と言われ、ようやくルートのストレスを感じなくていいとなると嬉しくてたまらない。
その日はずっと痛み止めを飲んでいたので、「なんか汁出ているの怖いなあ。」とかのんきに眠る27歳でした。

そして、翌日5月1日。
ダルいなと思いながら、MRIへGo!

いい結果であればいいなとは思いながらも、「大したことないでしょ」と大爆音の中、のんきに30分くらい考えていました。

今から思い返してみると、初めての入院ではずーっと呑気な僕。怖いなとは考えたりもしますが、ポジティブでいようみたいな気持ちでスゴイなと思います。

やることがほとんどなくなって、暇を潰しているとリハビリの先生が再び登場。
体の調子や術後の状態について聞かれましたが、特に変わりはなかったので、「特に変化なし。」とつまらない返答をし、記憶の検査などを行いました。

リハビリ後に退院できないかなあとグチると「明日には退院できるのではないか」とのワクワクするような言葉が!
彼女と家族が先生との病理検査の結果を聞くために病室に現れると、少し元気になりました。なんか強気になれる感じでしょうか。

僕の家軍&先生+看護師のメンバーが集い、かなり重要な結果発表が始まったのです。

結果としては、MRIに写っていた影はグリオーマ。H3K27Mという細胞の変異が原因の脳腫瘍ということで原発部位は視床とのこと。このとき、絶妙なショックで確認はしなかったのですが、グレードは4とのこと。
ただ、膠芽腫ではないと言うこと。もちろんこれも後に聞いた情報ですが、、、

手術などは場所があまり良くないとのことで行えず、抗がん剤の投与と放射線治療を行うと伝えられました。

抗がん剤と放射線の副作用で子供ができなくなる可能性もあると言われ、「クリニックで精子を保存したほうがいい」とも言われ、、、


その説明があった後に、「質問はありますか?」と聞かれましたが、絶妙なショックで半分魂が抜けていたので特に聞くこともなく、、、

もちろん、ショックではあるのですが、思っているよりも普通。。。みたいな複雑な感情でした。
ただ、泣くわけではなく、人の言葉が耳に入らなくなるような気持ちだったのを覚えています。
思ってたよりもショックではあったけど、ショックではないみたいな感じです。

その中で魂を引き戻したのも先生でした。
「今日の午後には退院しましょう。」

この言葉で、僕の悪ガキな脳はカーニバルが始まったのです。

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