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SM嬢の自粛前と自粛後~性生活が180°変わりました!(Ⅱ)

【Ⅱ、事務所存続の危機、そして決断】

最終週から4月の初めにかけてが決断の時でした。
あらゆることが進み、息つく間もない程でした。

お客様とのメールのやり取りから振り返ると、その当時の様子が鮮明に甦ってきます。
(一部抜粋)
3月30日
自粛要請による経営悪化で今月一杯で閉めるか、系列店に移籍するか会議中です。 状況次第ではSMを休むかもしれません。
またご連絡します。

3月31日
閉店は90%確定ですがすぐに事務所を引き払うのは無理なのでしばらくは営業するみたいです。
決まり次第また。

2月と比べ指名数も7本減り、30日は一人常連さんがつきましたが、31日はゼロ。
この先続けていても変わらないでしょう。
自分が感染し、誰か他の方に移してしまう可能性もあります。

ですがお店がなくなることは、御主人様に逢えなくなるということ。
心からSMが好きで働いていた私にとっては、お金を稼げる仕事ができなくなるよりも、 そちらの方が胸をつかれる思いでした。 

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店長から経過報告を受け、すすり泣きました。
一緒に話を聞いていたK子さんも沈鬱な表情。
これからどうしようかと彼女と案を出しながら身体を寄せ合いました。
家に帰ったあとは、滴る涙を止めることができませんでした。

4月2日、お店の方向性が決まりました。
家賃が負担になるので事務所は退去しますが、
電話やホームページはそのままに、細々と続けることになりました。

それを踏まえて彼にも今後について相談しながら、
いくらお店が存続できても、感染の危険性を考え私個人はコロナが終息するまで無期限で休むことになりました。


「結婚しようか」
そんなハッキリとしたプロポーズの言葉はなかったと思います。
交際中から結婚を意識していましたが、やむを得ない事情により何年か先のことだと話し合っていました。
突然降ってきたタイミング。

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自己紹介の記事にも書かせていただいていますが、
自分の意思ではなく巡ってくるものに身を任せる。そういったご縁や何かの機会を大切にしたいと、私と同じように強く感じている彼は、
正に今がその時だと口にするのです。

嬉しくもあり、寂しく、悲しい。
子供は作りたいですし、彼の年齢からもできる限り早い内に入籍、出産したい。
しかしそこには、お客様とお逢いできなくなるという現実がある。

様々な感情が入り混じり、腰が抜け、立ってはいられない。
床に座ってオイオイと、声が枯れる程号泣しました。

お世話になってきたお客様のお顔を一人ずつ想い出し、
記憶に残るご調教が、優しい手の平が、楽しかったお話が、
まるで走馬灯のように浮かんでは消えることなく、
一晩中泣き続けていました。

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                                                                                                                                                                        茉莉伽

(続きは、次に掲載される『SM嬢の自粛前と自粛後~性生活が180℃変わりました!(Ⅲ)』の記事をご覧ください。)


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