見出し画像

ハリー・ポッターで読み解くファクトフルネス

ファクトフルネスを読んでいたら、あの男の子のことを思い出した

ファクトフルネスとは、データや事実にもとづき世の中の出来事を読み解く習慣のことである。本の中では、10の本能(思い込み)から解放されれば心が癒され、世界を正しく見ることができると書いている。
この10の本能(思い込み)を見ていくと、ひとりの男の子の姿が思い浮かんだ。
映画でも世界的に大ヒットした「ハリー・ポッター」の主人公、ハリーである。
赤ちゃんのころに両親を亡くし、親戚に引き取られるものの冷遇され孤独に育ってきたハリーは、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知る。
魔法使いの学校へ入学し、多くの人に出会い成長しながら、両親を殺害した宿敵の闇の魔法使いと対決していくという話である。
この10の本能(思い込み)、見事に全部ハリーに当てはまっている。

画像1

ハリーが生きる世界は魔法使いと非魔法使いで分断されているし、魔法使いも闇の魔法使いとそれ以外の魔法使いで対立している。そして魔法使いの学校も4つの寮の組分けで分断されている。
ネガティブ本能以降も、ハリー・ポッターを読んだことがある人なら、あるある!と納得してくれるだろう。

なぜ、ハリー・ポッターを思い出したのか?

実はファクトフルネスを読むのに苦戦した。
イントロダクションからつまづき、なかなか読み進めることができなかった。
この人は何を言わんとしているのか?
この情報は本当に必要なのか?
イライラして一旦本を閉じる。
しばらくしてまた本を開く。
それを繰り返し読み進めると、第1章の最後にある「ファクトフルネス」というまとめの部分で、ようやく納得感を得た。
多くのビジネス書は結論がズバッと先に書かれていることが多いが、このファクトフルネスは結論は一番最後に書いてある。
結論に至るまでに時間がかかるので、私のようにせっかちな人間は我慢できずにイライラとするのだと気づいた。

画像2

上記のようにファクトフルネスの各章の構成を見ても、まずは導入として筆者のエピソードから始まり、次に課題が提起されるが、ここまでの情報量が多い。
さらに本題である本能を抑える方法が示され、簡潔なまとめで終わる。
ふと、ファクトフルネスがビジネス書ではなくて、物語だったらどうか?と考えてみた。
物語だったら結論は後からでも全くおかしくないし、紆余曲折があった方が結論に至るまでドキドキする。
そう考えた時に、紆余曲折が多い小説として「ハリー・ポッター」を思い出し、ハリーに当てはめて読んでいけば最後まで読み進められるのではないかと思ったのだ。

10の本能(思い込み)は誰にでも当てはまる

結論を先にお伝えすると、ハリーのおかげで無事にファクトフルネスを最後まで読むことができた。
ハリーには、全世界の宿敵である巨大な悪に立ち向かう必要があったが、ファクトフルネスに当てはめると、実際の敵は自分自身の中にある本能だった。
どのようにハリーが本能を乗り越えたのかというと、周囲に助けられたことが何よりも大きかったと思う。両親や家族、友人たち、そして師と仰ぐ人物の助けなくして、ハリーは戦えなかった。
10の本能(思い込み)は誰にでも当てはまり、ハリー・ポッターだけが特別ではない。
私たちも多かれ少なかれ10の本能(思い込み)を持っている。
そして思い込みは自分以外の存在があって初めて気づくことであり、自分以外の存在に興味を持ち世の中に目を向け、情報を真摯に受け止め、正しく判断して決断することが重要だと思った。

画像3

ファクトフルネスを身につけた先に何があるのか?

ハリー・ポッターになぞらえると、ファクトフルネスが読みやすくなったし、身近なものに感じられたが、自分とってメリットがなければ、新しい習慣は身につかない。
ファクトフルネスを身につけると、どんな良いことがあるのだろうか?
私は、ファクトフルネスの先に、平穏な日常や平和な世界があるのではないかと思う。
ハリー・ポッターの宿敵のウォルデモード卿は、まるでファクトフルネスを悪用したかのように、人々の本能を巧みに刺激し操り、争いを引き起こす。
これは実際の世の中にも同じようなことが起こっている。
平穏な日常や平和な世界を生きるためには、私たちは本能をコントロールして、世の中を正しく見なければならない。

最後までハリー頼みだが、宿敵を倒したハリーは平穏な日常を取り戻し、数年後にかつての自分と同じように魔法学校へ向かう息子を穏やかな笑顔で送り出す。

画像4

平穏な日常が一番の幸せで、実は努力の上に成り立つということに、ファクトフルネスとハリーが教えてくれる。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?