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スポーツトレーナーに必要な思考回路1


「スポーツトレーナーに必要な思考回路」について書いていこうと思う。
特にこれからスポーツトレーナーを目指す方々にとって少しでも役に立てば嬉しい。


■スポーツトレーナーの仕事をひと言で表すと

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スポーツトレーナーの仕事は、選手やチームのサポートである。
何をサポートするのか。

それは「問題解決のサポート」だ。

問題解決。
問題を、解決する。
そのサポート。

スポーツに関する問題は多くの場合、選手自身の努力を必要とする。
だから私は「サポート」という位置づけをしている。
*このことは他にも意味を持つ。次回かその次に触れる。

トレーナーが関与する問題は、怪我やコンディションの問題を始めとして、体調やスタミナ、そしてパフォーマンスアップなど多岐に渡る。
トレーナーは、これらの問題を選手やチームが解決できるようにそのサポートを行う。
そのためには、身体や精神、医療や栄養などについて幅広く深い知識が要求されることは当然である。
場合によっては、自分が詳しくないところは他者の協力を仰いだり情報を集めたりなど、人脈や情報収集能力も求められる。

これらにおいて、トレーナーが選手やチームの要望に応え、問題解決を成し遂げるために全てに共通して不可欠なものがある。

それは「思考回路」である。

ただ頭の回転が速い、知識が豊富、などではなく、「思考回路」である。
どんな思考回路かと言うと、「問題解決を解決する手段だけに集中できる思考回路」だ。
文字にすると当たり前に思われるかもしれないが。

でも人は難題にぶつかった際、往々にして「できない理由」を思い浮かべる方が得意だ。

「時間が足りない」
「経済的に、、」
「家族が、、」
「職場が、、」
「選手が、、」
「監督(コーチ)が、、」
「今の自分の技術では、、」
などなど。

ご自身にも当てはまるかも知れないし、周りの方々にも当てはまるかも知れない。
私はこれを「理由化思考」と呼んでいる。

▶︎理由化思考
自分が向き合うべき課題に対してできない理由を列挙する思考回路
できないことを正当化しようとする(無意識)
トレーナーが最も避けるべき思考のスタイル
上記列挙したような「できない理由ワード」を使いこなす


この思考回路から発せられる「できない理由ワード」は雑談レベルの会話で聞こえてきてもあまり気にならないだろう。
一般的には盛り上がる話題につながるのかも知れないし。
雑談のテーマは不平不満であることが多い。

しかしトレーナーまたはトレーナーを目指すのであれば、これらの言葉は使ってはならない。
意識的に自分の言葉の選択肢から排除しなければならない。
言葉を排除するということは、思考から排除することである。

トレーナーをやるためには、これら「できない理由」を並べる理由化思考を徹底して排除しなければならない。



■理由化思考が致命的リスクな理由

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なぜならこういった思考回路は致命的なリスクがあるからだ。
なぜこれがスポーツトレーナーにとって致命的なリスクになり得るのか。

理由はただ一つ。
『他者をサポートする』立場だからだ。

例えば失敗したり、何らかの壁にぶち当たっている選手がこれらの言葉を口にしたら?

▶︎スポーツで使われる「できない理由ワード」の代表例
天気が。審判が。ピッチが。ボールが。練習環境が。コーチが。時間が。


何か結果が思わしくない時に選手がこれらの言葉を口にしたらどう感じるだろうか。

言い訳、または他者への責任転嫁だと考えるだろう。
「もっと自分と向き合わないと成長に繋がらない」と言いたくなるだろう。



スポーツでよい結果を生むということは、他の大勢がクリアできない課題をクリアすること、すなわち難題をクリアし続けるということだ。

つまり競技における様々な難しい局面を打開していく際に、このような考えが選手の頭の中を占めると上手くいかないのは目に見えている。

私は少なくともプロや代表レベルの選手でこのような発想をする選手は一人も出会ったことがない。



トレーナーが理由化思考になってしまうことが致命的リスクになる理由。
トレーナーが「できない理由ワード」を使うことが致命的リスクになる理由。



単純な話だ。
トレーナーである自分がこれらのワードを使っていると、選手に対して説得力を失うからだ。


多くの人が「できない理由」と考えるものを前提条件として位置づけ、クリアすべき課題として戦略を立ててみよう。
きっと見える景色が変わる。




全てはパフォーマンスアップのために。

JARTA
中野 崇 


YouTubeコモドドラゴンスポーツ|”上手くなる能力”を向上するために
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Twitter@nakanobodysync
1980年生まれ
フィジカルコーチ・スポーツトレーナー・理学療法士
JARTA 代表
株式会社JARTA international 代表取締役
イタリアAPFトレーナー協会講師
イタリアプロラグビーFiammeOroコーチ
ブラインドサッカー日本代表フィジカルコーチ|2017-
プロアスリートを中心に多種目のトレーニング指導を担う
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