夢の中 はじめて海外の医療を受けれない人たちの為に医者になろうと決意したのが19歳の時。 とてもとても医学部を受けれるような成績でもなかったが、あまりの成績の悪さに多分、医学部と自分との距離感も測れていなかったのだろう。しかも文系だったし。 簡単に医者になることを決めて迂闊にも公言してしまった。 そして、そんな大それた目的など、恥ずかしくて誰にも本心は明かすことができず、適当な理由を並べて医学部を目指したことを伝えたりした。 幸いにというか、結果的に私は医
海外にやってきた日本の看護師たちに「海外の医療が届きにくい場所だけでなく、日本にもあるへき地や離島でもひとりの看護師として貢献したいと思わないか?」と尋ねたのが今から20年程前になる。 彼らは『もちろん貢献したい』と答えた。 それからジャパンハートの離島・へき地医療現場への看護師派遣がはじまった。 今でも、あの時の看護師たちが純粋に〈日本のへき地や離島医療に貢献したい〉と言ったときの表情が忘れられないでいる。 ジャパンハートに集う者はお金にあまり固執していない人が
先日、カンボジアで11歳の女の子の卵巣腫瘍の再発の手術をした。右の横隔膜あたりから発生したのだろう、肝臓の右側を押し下げるようにへこませながら、お腹の中に大きく飛び出し右のお腹の中を占拠していた。 腸はそのため左側にほぼ押しやられている。 卵巣腫瘍には大きく分けて3種類に分類できて、 良性 中間 悪性 という感じになる。 卵巣がんはもちろん、悪性に属する。 この子は初回の手術の時の結果は中間に当たる腫瘍だった。 もちろん、卵巣腫瘍をそのままきれいに取れば問題なく、多分、
久しぶりにね、サンタクロースをしたよ。 日本で小児病院に勤めていた頃、クリスマスにサンタクロースを上司にさせられたのは実に20年以上前かもしれない。 あの頃よりは年齢や体型は十分、サンタに近づいたが、こころは無邪気にサンタを思う子どもたちから遠ざかっているせいか、サンタをしてほしいなんていわれて、手術の合間時間を縫ってサンタの格好なんてちょっと勘弁してくれよ!と。本気でウンザリしていた。 そういう時に限って、手術は滞りなく進み、キレイに合間時間が取れて、晴れて20年ぶ
看護師の賃金について考えてみた。 最近、自身のtwitterで看護師の待遇についてつぶやいてみた。 そこそこ反応があったのでこの際、詳しく自身の意見を書いておきたい。 私が看護師の待遇についてつぶやいたきっかけはあるスタッフからの意見があったからだ。 そのスタッフはジャパンハートから全国へ派遣している新型コロナウイルス感染症クラスターの対応責任者をしている。 都会よりもむしろ地方に派遣している機会が多いので地方の状況を主に伝えていたのだと思う。 まず、 ①
今日、高1の息子と話をした内容。 息子通ってる高校は授業を選択できるだけでなく、登校日も選択できる。週何日通うのか?3日間、5日間など申請すればいい仕組みらしい。 同級生たちは2年生から週3日の登校日とする者も多いらしく息子もそれを選択するつもりったようだ。 彼には今年やりたいことがあり、それに多分、結構な項数と時間を割かれる可能性が高いので週5日の登校日は厳しいのではないかと考えていたようだ。 不規則に入るであろうその要件のために彼は準備も兼ねて、あとはイメージ
死のframe 普段から意識できないかもしれないが、私たちは何につけ大抵のことはあるframeの中で生きている。そのframeに沿って判断し、善悪や評価も決めている。 死に対するframeも同様であり、私たち医療者には、一般の人とは違う医療者特有の死のframeがある。 それは一般の人と比べて普通はかなりズレている。 なぜならば、死という事象がこの現代社会では人々から遠ざけられ、一種の特殊体験へと変貌しているからだと思う。 多くの人々にとってかつて死は大変
今、小児がんの子どもたちの手術のためにカンボジアに来ている。 来ていると言ってもコロナウィルスのせいで入国して14日間のホテルへの強制隔離の最中。 もうしばらくはこのままここにいなければならない。 窓から中庭のプールが見えるが鳥以外は何者もそれを使う者はいない。 世界中のホテルは大抵、こんな状況だろう。 この大型ホテルも多分、数日前にプノンペン空港に同じ便で到着したお客、数十人以外は泊まっていない。夜はどの部屋も明かりが灯らないからよくわかる。 今も夜で、外では鳥かトカゲか
今、カンボジアにいて大人から小さな子どもまでさまざまな病気の人たちと向き合う。 相変わらずミャンマーは国際便は離発着せずに、都市間の移動も制限している。どこの国でも同じことが起こっていると思うけど、コロナウイルスだけをみて対応をしている限り今までは普通に治療を受けれていた患者たちは治療から遠ざけられ、あるいは治療の時期を逃しきっとたくさん亡くなってるかもしれないと思っている。特にミャンマーやカンボジアなどはテング熱やマラリアで毎年散々、多くの人命が失われていて、それはコロ
コロナ騒動の中、他人に対する誹謗中傷や自粛警察なる言葉が象徴する様々な他人への嫌がらせや強要、医療従事者やその家族への社会的排除など、今回の事柄を聞くにつけ一つ感想を述べてみたい。 その前に事実として・・・ 日本政府が行った、あるいは行っている各種のコロナ対策は当初から各マスコミや国民が批判的であり、多くの人々はそれが諸外国に比べても上手くいっているとは思っていない。 更にGo Toトラベルなるものを医療専門家たちの意見もほとんど聞かずに強引に導入し、東京だけを妥協的に除外
アベノマスクどうでした? 医療機関をはじめ日本国内でマスクが圧倒的に不足したのは4月下旬から5月ゴールデンウィークまで、それ以降は市場にマスクが供給され始め価格も下落していきました。 「来るのが遅すぎる」 「値段が高すぎる」 「業者の選定にやましい関係性が高い」 「マスクが小さくて着けにくい」 まだまだ、国民の不満は尽きない。 でもね、これって仕方ない側面もあるのです。 どうやっても不満は出るし、その一部の不満を煽る、針小膨大にあげつらうマスコミもいるし、政争の道具にし
日本人はとにかくため込むのが大好きらしい。 お金も貯め込む。 ストレスも溜め込む。 知識もため込む。 お金を貯め込むのは社会や未来が信用できないからだろうね。 利権絡み、コネ主義、秘密主義でずっと社会が運営されてきたから人々のメンタリティの奥底までこの思考が染み付いてしまっている。 社会との関係と同じく、人間関係も同様にストレスを溜め込む。 我慢強いのはいいけれど、無理はやがて自分より弱い人間に放出されるか、それをしない、できない、いい人間は、自分を傷つけ続ける。自傷行為を
いつも「行動を変える程の覚悟はどうしたらホントに持てるのか?」という事を考える。 学生で受験やクラブ活動をする。 私は中学生の時も高校生の時もなかなか勉強に身が入らなかったし、クラブ活動もとても中途半端にしていた。 そんな状態ならば1時間あるいは2時間も勉強に向かい合えばため息しか出なかったし、効率が上がるはずもなかった。 もちろん、結果としての成績も上がるはずもない。 勉強を始めるまでに時間がかかり、一旦は何時から始めると決めてもズルズルと後ろへ時間を引き伸ばし、ようや