道のために来たれ!(吉岡秀人とへき地医療を考える課題解決型プロジェクト)


海外にやってきた日本の看護師たちに「海外の医療が届きにくい場所だけでなく、日本にもあるへき地や離島でもひとりの看護師として貢献したいと思わないか?」と尋ねたのが今から20年程前になる。
  
彼らは『もちろん貢献したい』と答えた。

それからジャパンハートの離島・へき地医療現場への看護師派遣がはじまった。

今でも、あの時の看護師たちが純粋に〈日本のへき地や離島医療に貢献したい〉と言ったときの表情が忘れられないでいる。

ジャパンハートに集う者はお金にあまり固執していない人が多い。そういう人たちを私は【21世紀型の人間】と呼んでいて、子どもたちが当たり前に小学生の時から〈この世界の持続的発展のために〉という課題を学ぶこの時代。それを織り込まれて成長してきた子どもたちと、きっと未来で価値を共有できることだろう。

 世の中には確かにお金が1番大切で、それこそ自分の価値の証のように考えている者も多くいる。それはそれで否定はしないし、間違ってもいないと思う。世の中には正解は1つではないから、自らの生きる基準は自らの意思で決めていくしかない。

 しかし、私はお金ではない場所に自分の本質的価値を持ちたいと思っている者たち、即ち、世の中に必要とされているとか、世の中の役に立っているとか、喜んでもらえるとか、そういうところに1番価値を感じている看護師たちと共に人生の時間を過ごしたいと思っている。

そういう看護師たちと、困っている病院や地域に対してアプローチしてこの生きにくい世界を少しでも良くしていけたらと思っている。

もう一度、あの時の看護師たちの想いやあの純粋な眼差しが嘘ではなかったことを確かめたいと思っているのだ。

ほんの数年間前に奄美群島の7つの病院から看護師の派遣を依頼された。

 その時まで人材派遣会社を通じてしかたった一人の看護師も自力では確保できず、それらの病院は多くの派遣看護師たちへの高額な給与そして派遣会社への支払いによって経営圧迫され、内部の正規看護師たちとの給料格差による不満や嫉妬などにもかなり苦しんでいた。それでも背に腹は代えられない切迫した状況だったのだ。

 自力での看護師募集など無理だという彼らを説得しホームページ制作だけでなく、労働環境の整備や派遣看護師へのメンタルフォローなど、この数年間、1つずつ1つずつ丁寧に伴走しながら、この病院群が自力で看護師を獲得できるようにサポートしてきた。

 結果、わずか4年で、200名以上の看護師たちが奄美群島の島々に集まり、今、これらの離島の医療を支えるかけがえのない存在になってくれている。そして、その数は年々、増え続けている。

そして…。

 今回は東北地方のへき地の医療者が不足する山形県新庄の病院をサポートすることにした。

山形県新庄市

 ジャパンハートからは海外渡航前の看護師たちも参加する。そこに、合流して地方のへき地にある病院の人材不足を解消するお手伝いをしてもらえる看護師を募集したいと思っている。

単にへき地で働く看護師を募集するのではなく、〈自ら体験し、自ら提案し、より魅力ある病院にする〉という試みである。

・どうしたら人材不足に苦しまないで、人材を集め続けることができる病院になるのか?
・どのような魅力を持つ病院になればいいのか?
・この地域の魅力は何なのか?

私と共に考え、病院に提案し、現実を動かしていこうと思っている。
 
 困っているへき地の病院を助けたい。そんな看護師たちがこの国にはたくさんいるのだと信じている。

「吉岡秀人とへき地医療を考える課題解決型プロジェクト 第一期生募集開始!!」申し込みはこちら↓

https://www.japanheart.org/join/event/others/2022-nurse-project.html

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