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わたしが日本語教師になるまで #2

講師デビューしてまもなく3ヶ月目。直近までフルリモートで、実に4年ぶりの通勤(遠足)をしているせいか、リビングでの寝落ちも多くなってきました。我が家では床で寝ることを「忍者」と言っています。

▼4月に講師デビューしたわたしのこれまでの足跡を振り返っています。
#1:前職を辞めてから学校選び、採用まで
#2:検定受検からボラ参加、講師を目指すと決めるまで ←いまここ

#3:それまでのキャリアと、検定の勉強を始めたきっかけ
#4:日本語教育専攻が選択肢にあった、10代の頃のこと


取っててよかった昔の杵柄

日本語教育能力検定を受けると決めたのは、2022年5月頃のことです。養成講座ではなく検定を選んだのは、単純に時間がなかったから。当時はプロダクトマネージャーというまあまあ忙しそうな仕事をしながら、週末は着付け教室で組紐を習っていました。

対策の詳細は長くなるので別の機会にしますが、メインはヒューマンアカデミーの通信講座。通勤時間がなかったので、平日夜プラスくみひも教室をスイッチすれば、時間は十分確保できそうでした。

わたし自身、通算15年以上受験業界で働いていた経験があり「受検(受験)勉強の正攻法」は熟知しています。もしかしたら2年くらいかかってもしょうがないかな、という気持ちで始めましたが、結果一発合格できたのは、正攻法をわかっていたからだと思います。

5月の終わりから通信講座を初めて、途中1カ月ちょっとサボっていた時期があり、実質4カ月くらいの短期集中でした。勉強すればするほど楽しくて「こんなに夢中になることってなかなかないだろうな」と思い、試験が終わったらすぐにでも教えられる場を探したい!、という気持ちになっていきました。

試験明けすぐ日本語ボランティアに

さて、わたしの住んでいる神奈川県座間市は、在日米陸軍キャンプ座間があり、アメリカ人以外の外国人住民も比較的多く暮らしています。遠くに山並みを望み、川沿いに広がる農耕地と住宅地。幼少期住んでいた地域に近い雰囲気があり、愛着のあるまちです。小さい自治体ですが、困窮者自立支援など行政と民間の連携による取り組みが全国的にも注目されつつあります。

我が家が座間に来たのは5年前。子どもがおらず夫婦2人だけの世帯なので、学校関連のつながりがありません。これから自分も歳をとり、将来は親を招いて一緒に住むかもしれないし、そうでなくてもいつ何時、天変地異があるかわからない。

日本語を教える活動がしたい、ということと同時に、ボランティアを通じて地域につながりが作れると何かといいんじゃないかな、ということも考えるようになりました。座間には活動中の日本語教室が4つあり、エリアと日程の関係で選んだのが、現在所属している日本語サークル「わ」です。

地域の活動で自分の世界が広がる

地域ボランティアの良いところは、参加しさえすれば一瞬で地元の仲間とのつながりができること。長く暮らしているシニアのメンバーを通じて、地域の情報がどんどん入ってくるようになりました。座間のボランティア団体は社会福祉協議会に加盟しており、行政のことも身近に感じられるようになりました。

他団体の例に違わず「わ」も担い手はシニアが中心、慢性的に人手不足でした。経験があろうがなかろうが、入ったら文字通り即戦力。みんな素人なので、検定で知識をかじっている程度でも、すぐ色々と頼られ、任されました。

わたしは過去2回転職しましたが、ボランティアに入った瞬間からの裁量の大きさは、企業転職とは比較にならないものがあります。「キャリアに行き詰まりを感じたら転職サイトに登録するか、起業しよう」「まず副業から始めよう」みたいな世相ですが、地域参画のほうがローリスクだし、経験の広がりという面では結構リターンが大きいと思います。

これから多くの地域コミュニティが消滅危機に直面することは避けられません。地域にどんなボラ団体があるか、興味関心に近い活動があるか、日本語教室に限らず、多くの方に関心を持っていただきたいなと思います。もちろん、各地の日本語ボランティアに参画してくださる方が増えれば言うことはありません!

もっと多くの時間を、日本語教育に費やしたい

検定の勉強も楽しかったのですが、教室で教え始めるとさらに楽しく、あっという間に週1.5時間では物足りなくなりました。ずっと日本語教育を勉強して、日本語を教えて、また勉強して…の無限ループを続けていたいと思いました。

「日本語教育機関認定法」成立の半年くらい前、いわゆる文化庁のパブコメ募集が出た頃です。「国家資格化が近い」というくらいの認識で、現行制度からどう変わるのか、まだあまり具体的な情報がなかったと記憶しています。

資格がどうなるか、自分が取るのか取れるのかは別として、日本語教師にキャリアチェンジするには良いタイミングかもしれない、と思いました。そしてその1年後に、本当に会社勤めを辞めて講師を目指すことになるわけです。

検定の勉強を始めてから実際に講師になるまで、当初漠然と想定していた2倍か、それ以上のスピードで進んでいる感じです。とやかく考えるより、動くことで現実がついてくる。そのことを肌身で実感しています。

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