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中国語日常会話ができるまで私がやった5つのステップ

今日はタイトル通り、基礎的な中国語会話能力を養うために、私がこれまで試した中国語学習のステップについてお話しします。

私の中国語は決してHSKで満点を取るとか通訳・翻訳者レベルのものではなく、あくまで中国で生活したり、家族や友達との日常会話のコミュニケーションに困らないくらいのレベルです。ですので既にそのレベルを通り過ぎた中国語上級者の方はここで閉じて頂いても結構です!でも、何かしら共感していただける事もあるかと思うので、ぜひ上級者の方からの経験談もコメントで頂けたら嬉しいです。

ステップ① 発音・声調をネイティブスピーカーに矯正してもらう

最初のステップとして絶対避けられないのが発音・声調(4声)の反復練習。中国語には4種類の声調があり,それぞれ第一声,第二声,第三声,第四声と呼ばれ、さらにピンイン(拼音)と呼ばれる発音が加わります。このピンインと声調の組み合わせを一覧表として音で聴くことができるウェブサイトもいくつかありますので参考まで。

一つ一つの漢字に対して、この発音と声調が割り当てられていて、その組み合わせさえ覚えれば、どんな中国語も意味がわかるわからないは置いといて声に出して読むことはできます。例えば私の名前「市川」でいうと「市」の発音は「shi」声調は第四声。「川」の発音は「chuan」、声調は第一声で、最初のうちは脳内に「shi4chuan1」みたいな記号を思い浮かべつつ発声していました。

まずは日本語の五十音にあたるこのピンイン表を全部覚えたところから、ようやく中国語学習のスタートラインに立てるのですが、ここで大事なことがあります。それは、
ネイティブスピーカーに修正してもらうこと
これ超大事です。中国語の発音は空気が出る音(有気音)と出ない音(無気音)、舌を上顎につける発音(l、ngなど)、舌をつけないでやや巻く発音(r、ngなど)といったように非常にルールが細かく、日本語の「あ」に近い「a」や「お」に近い「o」も出し方にコツがあります。なので、日本語のカタカナを当てて発音するみたいなやり方は基本難しいと思ってよいでしょう。

そんな繊細は発音・声調の違いは例えば私のようにネイティブでない人に習うと、どこかしらでミステイクが生じる可能性があります。
なので、中国人のネイティブスピーカー、もしくは日本人の場合は語学講師レベルの方や、中国語をプロとして専門に扱う仕事をされている方(通訳者など)に矯正してもらわないと非効率になってしまいます。

中国語学習を始めてからの最初の数ヶ月間はこの発音・声調の練習のみに当ててもいいぐらい重要項目なので、必ずこのステップはすっ飛ばさないようにしてください。ここさえしっかりやっておけば、後々、生の中国語に触れた際にわからない単語があってもshiの第四声とchuanの第一声→なるほど!「市川」と名前を呼ばれたのか!みたいに想像することができます。
逆にこの発音訓練を疎かにした人は、いくら書面で単語を覚えても、会話が聞き取れないという状況から永遠に抜け出せなくなります。

発音・声調は決して完璧である必要はありませんが、少なくとも発音と声調、いずれかを正しく発声できた方がベターです。それならワンチャン意味を汲み取ってくれる場合が多いです。両方間違えてたら中国人にはまず通じません。

ステップ② 1冊の教科書を隅から隅まで暗記する

私の場合は大学生1年生の時にもらった中国語の教科書でしたが、およそどの教科書でも1冊全部読んで、全ての単元に書かれている文章を暗記してしゃべれるくらいになれば、日常会話のベースとなる文法や構文は身につくかと思います。丸暗記するというのがミソで、それぐらい読み込めば、日時会話でもスッと出てくるようになります。

ステップ③ひたすら個々の漢字の発音を覚える

ステップ①で書いたように中国語の漢字1つ1つには、それぞれ発音と声調が1パターン割り当てられています。(稀に一つの漢字に2つの発音声調が割り当てられている場合もあるのですが、それはイレギュラーとして最初の頃は気にしなくていいです)

この漢字を中国語の発音で覚えて読むという訓練をひたすら繰り返しましょう。私の中国語の先生が教えてくれた方法は、山手線の駅名を全部中国語の発音を調べて読んでみたり、そこら中の看板に書かれている漢字を中国語で発音してみるといった方法でした。私の場合は三国志が好きなので、三国志の有名武将の名前の発音をすべて言えるようにしました。このおかげで、中国人の名前はすべて読めるようになりました。

発音の調べ方としては、まずはその漢字を中国語の簡体字もしくは繁体字でどう書くかを調べてください。簡体字と繁体字の説明は割愛しますが以下の記事が参考になります。

続いてその文字を音声付きの辞書ツールやGoogle翻訳に入力して発音を調べます。あとは、自分で真似して発声してみるだけです。

この方法の良いところは日本にいても四六時中学べることです。日本はそこら中に漢字が溢れている国ですからね。こうして全ての漢字の発音声調を覚えるぐらいの気迫でひたすらインプットしていってください。このステップのポイントとしては、中国語の意味は考えないこと。例えば「豚骨ラーメン店・博多一風堂」という看板があったとします。この学習法ではカタカナやひらがなはすっ飛ばして漢字部分のみ「豚(tun2)骨(gu3)店(dian4)・博(bo2)多(duo1)一(yi4)風(feng1)堂(tang2)」というふうに読み上げます。
そもそも、中国語で豚は「猪(zhu1)」と書きますし、豚骨は「排骨(pai2gu(3))」と書いたりするのでそもそも中国語の勉強にならないじゃん!と思うかもしれませんが、あくまで漢字を中国語で発声する練習なので気にしなくていいんです。

このステップを踏んでいると、後々中国人の会話を聞いた時に、例え単語がわからなくても漢字の候補がいくつか浮かぶようになります。これが結構大事で、それによって単語や意味の候補も予想できたりするようにもなってきます。さらに言えば、長文を読み上げる際にも読めない漢字をなくしておけばだいぶ楽になります。

ステップ④中国語のシャワーを浴びる

さあ、ここまで来たらあとはボキャブラリーを増やしていくだけです!この段階において必要なのは当たり前ですが、とにかく量をこなすこと。結局かけた時間はそのまま語学力に比例します。
中国人の先生はよくこんな格言を言います。
「学中文的最好的办法是多听多说多写多念(中国語学習の最善の方法はよく聞き、よく話し、よく書き、たくさん読むこと)」

つまりは時間をとにかくかけろという事です。
中国語では時間をかけて積み上げたものという意味で功夫(ゴンフー)という言葉があります。(漫画のバキでも「クンフーが足りない」みたいな言葉が出てきましたね)カンフーのことなので武術の意味でも使いますが、勉強においても功夫が大事とよく言われます。
私の師匠は「生活の中で中国語のシャワーを浴びなさい」と良くおっしゃっていました。

では、具体的にそれぞれどのように功夫を積むかというと・・・

・听(リスニング)
中国語の映画や動画を見たり、中国語のラジオを聞いたり、最近では中国語系のYoutuberも多いのでとても参考になります。もう一つオススメの方法としては、中国人が厨房にいる中華料理屋さんに入って、中国人同士の会話をとにかく盗み聞きすることです。ちょっと下世話ではありますが、聞き取れるようになってくると日本人オーナーの悪口を言ってたりして結構面白いです笑 とにかく中国語の音をシャワーのように日常で浴びまくりましょう。

・说(話す)
これは、中国に留学や駐在している方は、とにかく街に繰り出して話しまくる!で解決するのですが、日本にいる場合はなかなか難しいですよね。やはり中国人の友達を作って話すのが一番です。方法としてはSNSや文化サークル等で日本語を勉強している中国人留学生と友達になるのが一番です。
相手には日本語を教えて、相手からは中国語を教えてもらう。中国では「互学(フーシュエ)」という言い方をして、私も中国留学している時には日本語学科の学生と教え合ってました。時間を区切ってここからは中国語会話、ここからは日本語会話みたいにすると効率的に学べます。

・写(書く)
ぶっちゃけ、スマホやPCで中国語を打てる時代なので、優先度は低いですが、それでも書面で覚えたフレーズを書き写すというのはやっぱり記憶の定着にも役立ちます。口頭で通じない場合には筆談にも使えますしね。(それもスマホがあれば解決してしまうが・・)

・念/读(読みあげる・読む)
中国語の文章をひたすら目で追いかけて、声に出して読み上げていくという作業も大切です。オススメの方法としては映画やドラマの字幕を一緒に読み上げたり、できれば教科書の文章だけだと堅いので中国語の漫画や小説など自分の興味あるジャンルで構わないので、読みまくりましょう。
あとは、中国語の曲を覚えてカラオケで歌うというのもオススメです。実は歌になると声調は完全に無視状態になっちゃうのですが、発音は一緒。中国の歌手の発声を完コピして歌えば発音練習としては十分役立ちます。

この段階までコツコツと半年ぐらい続ければ、中国語ペラペラとまではいかなくても、少なくとも旅行や日常生活で不便を感じることはなくなっているかと思います。

ステップ⑤ 教科書言葉からの脱却 スラングを聴き逃さない

ここから先は応用編「中国語が流暢だね」と言われるレベルを目指すステップです。大切なのは中国語の教科書言葉から脱却してよりネイティブな表現にブラッシュアップしていくこと。

例えば日本で一番有名な中国語「你好(ニーハオ)」も、中国人同士ではかなり使用シーンが限定的です。もともと「こんにちは、おはよう、こんばんは」全てに使える挨拶表現ですが、中国人同士の挨拶ではほぼ使いません。
例えば道でばったり友達に会ったら「哈喽 (ハロー)」と言ったり、なんなら挨拶すらせず会話に入ったりします。僕も妻の実家に行く際に両親への挨拶は「来了(来たよ)」くらいです。
ではどんなシーンで你好を使うのか? 初対面の人には「Nice to meet you」的なニュアンスで「你好」を使います。ちなみに「初次见面,请多关照(初めまして、よろしくお願いします)」という中国語も一応存在しますが、これも使ったら一瞬で「日本人だ!」とバレます。
また、料理店で店員さんを呼ぶ場合にも「你好!」は結構使います。

また年配の方は「再见(さようなら)」という言い方をする人もいますが、ある程度若い年齢の人だと「拜拜(バイバイ)」の方が一般的。

あとはチャット独特の表現として「在吗?(いる?)」「在(いるよ)」というやりとりも教科書に出てこない表現かも。ネットスラングだと我爱你を520と書いたり、いいね!みたいな使い方で「赞」と言ったりします。面白いのはxswl(笑死我了=めっちゃ笑える)とかも。

中国人が話したり書いたりするこうしたスラングな言葉に常にアンテナを張っておき、なんならメモするぐらいの意識でいると徐々に教科書言葉が抜けてネイティブな話し方に近づいていきます。

色々偉そうに書きましたが、私もまだまだ慣れてない言葉だと発音や声調を間違える事もあるし、妻に言い方を直されることもあります。
学习学习再学习!ですね。

最後にYoutubeチャンネルで紹介した私の中国語習得法と、上海の若者に聞いた日本人が言いがちな中国語教科書言葉の動画も良かったら合わせてご覧ください。



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