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【東京留学生】自己紹介 vol.8 三四郎

--自己紹介記事--

鹿児島県出身の東大生です。九州から上京して東大に通う境遇を重ねて三四郎にしました。このタイミングで自己紹介を書く機会は貴重だなと思ったので、高校時代から振り返ってしっかりめに書こうと思います。長い自分語りになりますが、少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。

地獄の野球部

小学生から高校までではずっと野球をしていました。高校の野球部は本当に厳しくて、家も遠いので、6時に起きて学校に行き、練習が終わって帰りつくのは21時半〜22時、そこからご飯食べて風呂に入るともう一日が終わってまた6時に起きて…の繰り返しの一日で、本当に今考えるといつ勉強していたのか、なぜそれで体が持っていたのかわからない日々でした。雨が降るとグラウンドが使えないので室内練習になるので、毎日雨降らないかなと願う飢饉中の農民のような高校時代を過ごしました。
しかしながら、鹿児島特有のシラス台地(火山灰など火山由来の地質で、水捌けが信じられないほど良い)からなる超優秀なグラウンドだったため、昼休みに20mmを超える大雨が降っていても止んでしまえば練習開始時にはカラカラになり、何度も絶望しました。広い平野が少なく、水捌けが良すぎて耕作もできず苦しんだという薩摩藩の気持ちがよくわかります。
ただ、そのきつさ以上の宝物のような時間でした。ともに死線を潜り抜けた同級生、後輩と団結し、最終学年はキャプテンとして、19年ぶりの夏の大会ベスト4の結果を残すことができました。野球をやって得たものは数知れず、本当に当時の指導者の方や親、先輩後輩同級生には頭があがりません。

 綺麗な坊主です

野球引退後 なぜ東大に?

そんな野球人生が終わり、振り返って強く感じたのは、一番とそれ以外の差は数字以上のものだということでした。
県内で勝つことを目標としているチームと、全国で勝つことを目標としているチームは全く格が違うし、全国で勝つことを目標としているチームと、全国で優勝することを目標にしているチームも格が違います。プロ注目の選手を間近で見たり、同年代の選手が全国で活躍する姿を見るたびにそう感じていました。
身体能力やセンスなどで、自分は野球では一番になれない。しかし自分もその景色を見てみたい。その思いで、高校3年の夏から本格的に東京大学への受験勉強を始めました。自分の代で東大に合格するのは自分だけで、それ以降も出ていないような非進学校で塾もないなかでしたが、小さい頃から読書家であったことや、野球部で調教されていたため長時間の勉強が全く苦でなかったこと、ネットでの情報収集が上手く独学でも方向を間違わなかったことなど適性があり、指数関数的に成績が伸びました。最後の模試はE判定でしたが突っ込みました。

国語(80点満点)= 数学+化学(計180点満点) 理系引退を考えました

結果は1.3222点差で不合格。野球で培ったはずの球際の強さを発揮できませんでした。落ちた大きな原因はいくつかあるのですが、共通テストの数学ⅡBで選択問題の解答欄を間違ることで40点を失ったことが一番痛かったです。ただ、このミスからマークミスの怖さを学び、馬券購入時のマークでは書き間違いをしたことがありません。このように、現役時の不合格と浪人期間で多くのことを学び、一年遅れで東大に合格しました。

薩摩藩士 上洛 

東京での大学生活がスタートしましたが、鹿児島出身の田舎者からみた世界的大都市東京は大きなカルチャーショックでした。毎日あ、ここテレビで見たところだ、を数回繰り返す1,2ヶ月が終わると、環境の変化と暴力的な人の多さに辟易し、我らが鹿児島県出身ロックスター長渕剛の歌とんぼの意味がわかり始めてきました。幸せのとんぼはどこだ。夏に鹿児島に帰り、家族、親戚、地元の友達、お世話になった先生方に会い、「東京に留学している」と思うことにしよう、と決意しました。私のルーツは鹿児島にあり、とても好き。地元に還元、貢献したい。その思いを実現するために、東京でいろんなことを学ぼう、吸収しようと考えるようになりました。これが自分の大学生活のテーマです。興味のあるところは全部見てみる、行動してみる、話してみようという今につながっていると思います。

綺麗な地元の風景です

東京留学中に何をしているのか

大学生活で一番大きな出来事としては、世界一周です。東京留学中に、世界に飛ぶとは思っていませんでした。
ダイキン工業と東京大学の共創グローバルインターンシッププログラム UGIP (UTokyo Global Internship Program)に、世界一周班のリーダーとして参加させていただき、アメリカ(シリコンバレー・ワシントン)、ベルギー(オステンド・ブリュッセル)、インド(チェンナイ・デリー)を巡りながら、合計で三ヶ月間、渡航期間としては三週間、世界の社会課題を解決するための経営・事業戦略立案をしました。
ヨーロッパの地方都市オステンドで、スーツを着てマスクをつけるアジア人という、その場所で明らかな異邦人になる経験をしました。その目線、注目は初めてのもので、日本国内でいかに自分が同質的な集団の構成員であったのか、そして異文化に飛び込んで注目される体験の味を知り、自分がこれまで日本におけるそのような人たちにむけていた目線がその対象になる人たちにどのような気持ちを抱かせていたのかを気付かされた気がします。
インドでは、何もかもが知っている世界とちがって、今まで経験してきたような生やさしいものではない、カルチャーショックを受けました。そして、現在先進国として振る舞っているような世界大戦の主要交戦国の文脈を背負わない大国として、新たなベクトル、新たな勢力の大国の可能性を秘めているインドのポテンシャルと、そのポテンシャルと同じかそれ以上に大きそうな大きな社会課題を目の当たりにしました。

その中で日本は、物価は欧米と比べて全く高くなく、食に関しては圧倒的に安く質が良い。そして社会格差の是正や公衆衛生のレベルが高く行き届いており、当たり前であると思っていたもののありがたさを感じました。逆に、生き着心地の良さの裏にあって、日進月歩で目まぐるしく変化している中で、日本は変化が遅い国だな、と思いました。その世界の中でも素晴らしいものを守り繋いでいくために、私たちが次世代の主役となり、黒船のように変革を迫り、日本を自立させる起爆剤にならなければならないと強く感じました。

本当に感動と学びの共存する夢のような時間で、将来のことを考える機会にもなりました。このような機会があることこそ、高校時代に感じた「一番とそれ以外の差は数字以上」の通り、東京大学にいたからこそで、本当に目指して良かったと感じます。

趣味

趣味はたくさんあります。主に、競馬、読書、映画、アニメ、漫画、スロット、アイドル、ツイッターです。一番好きな競馬は、レースそのものも好きなのですが、老若男女みんなで馬のかけっこに熱狂し金をかけて一喜一憂するっていうのが面白すぎる・楽しすぎること、長い歴史の中で受け継がれてきた血脈や騎手、厩舎のドラマ、競馬場の広い空が好きです。また、G1とカテゴライズされる競馬界で一番格のあるレースは、一年を通して15:40の発走です。桜が満開の中の四月の桜花賞、夏の匂いがし始めた新緑若々しい五月の日本晴れで行われる夢の日本ダービー、西日で影が長くなり始めた秋の天皇賞、そして一年の締めくくりに、日が落ちかけた暮れの中山競馬場で行われるグランプリ有馬記念。競馬には、一年の15:40からの2分間を定時観測して、四季の移ろいを感じることができる、その時々の気持ちも載せて、素敵な思い出になる、という風流なところもあります。ぜひお近くの競馬場へ。読書は、小説をたくさん読んでました。一番面白かったのは中国SFの三体です。一番好きな映画はLEON、アニメはエヴァンゲリオン、漫画はからくりサーカスです。スロットは、冬は競馬が落ち着くのでその期間に始めました。アイドルは男女どっちも好きです。日本のインターネット文化が大好きです。


夢とこれから

自分は、地元還元、社会的意義、業界規模の観点から、日本の農業分野の再編を担えるような企業を創りたいと思っています。
地元還元の観点でいうと、鹿児島に限らず多くの地方で人口流出、過疎化が問題になっています。行政の支援なども大事ですが、根本的には地方にも魅力的な稼げる仕事があることが、持続可能性の観点などから重要だと考えます。農・畜産業は、地理的、時間的に需要が変わらないものであり、土地の広さなど地方ならではのメリットが活かせるため、適切な改革、経営をすることで大きな魅力のある仕事にできる可能性があると考えています。
社会的意義の面について。現状の農畜産業は、国家安全保障の面から見ても一産業としてみても不健全で、持続可能な形ではありません。20年で就農人口は40%にまで減り、平均年齢は70歳近く、新規就農者も減る一方です。食料自給率は現状カロリーベースで30%後半ですが、日本で就農人口が減少し生産力が落ちていく中で世界全体の人口は増加するため、将来的にはもっと危機的になってくると予想されます。日本の豊かな食文化を守るためにも、国内で生産力を維持・増加させていくことは社会的意義があります。
次に規模についてですが、農業・食料関連産業の国内生産額は、108兆5321億円と莫大な規模で、これは全経済活動の10・5%を占めます。この規模の産業で、農畜産業ほど問題が山積みな産業も珍しいです。それだけ難しいということですが、何かできた時のインパクトも大きいということで、人生を賭けて取り組む価値のあるものであると思っています。


この大目標のために、雑食にたくさんの分野について調べ学び足を運んでいるところです。今回のプロジェクトは、共同経営法人のエコシステムを繋ぐ役割としてトークンがとても有効なのでは、などと言っていたら己紹介 vol.1のTakaくんとvol.2のシブタツくんに見つけてもらい、誘っていただきました。
これから、「お金に表すことのできない価値を若者が解き放つと、社会はどうなるだろうか。」の問いの通り、まだ大人の価値観に染まっていない、東京の価値観に染まっていない自分だからこそできる社会への働きかけをしていきます!


本記事はJapanXCollegeの三四郎が執筆いたしました。
JXCは変動する社会の中で何が大切なのかを探し求めます。
note記事をまとめた本を出版する予定です。ただ本を出版するだけではなく、手にとって共感した読者が執筆側にまわり、価値を広めることや、ネクストアクションに実際に貢献できるようなエコシステムにしていく計画です。
メンバー参加申請やお問合せはこちら:japanxcollege@gmail.com
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