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【備忘録】地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化-ナショナルシステム化or統一システム-

以前に私はナショナルシステム化だろうと書いたのですが、統一システムが良いのではとのこと。一足飛びは無理だよねという話と解釈しました。同じ思いだなと思ったのは、機能の標準化をしても変わらないよね?という懸念ですね。

〇統一システムの必要性

以降、ポイントを抜粋して、感想を少々。文中の「→」は私のコメント

  • 現在、例えば住民記録の業務について、1700以上ある各自治体が個別に情報システムを開発・運用・保守しており、非効率でなのが「自治体システム1700個問題」である。

  • 「自治体システム1700個問題」を解決すべく「標準化」をしているが、標準化とは「地方公共団体が各団体で共通した事務を行っている場合に、機能等について統一的な基準に適合したシステムを利用すること」とされている。「統一」はハードやOSのことではなく、「機能等」の基準である。
    →ちなみに標準化は一握りの業務で20業務のみである。
    →市区町村間を結ぶ住基ネットや、外部機関のシステムは入っていない
    →中間サーバーは失敗作なので公共サービスメッシュに置き換えるよう

  • 「住民記録システム標準仕様書【第3.0版】」には「人口規模が大きな団体でも、標準準拠パッケージであればカスタマイズなしで支障なく業務が行える」とあるので統一できる

  • サーバーだけ集約しても、アプリケーションの開発・運用・保守を集約しなければ成果は限定的とならざるを得ない。現行システムのライフサイクルを度外視してクラウドへリプレースする費用に見合う効果が得られるとは考えにくい。すでにクラウドへ移行すると「運用コストが1.9倍に膨らむ」という試算も出てきている。

  • やはり統一システムをつくり、そこに集約していく。(略)1700個のシステムをいきなり1つにするのは簡単ではないから、図のAとBのように、「政令市」と「それ以外の市区町村」向けという2つのユーザーインターフェース(UI)を用意する。検討を進めた結果、政令市とそれ以外を分ける必要がないと分かった業務は1つにする。(略)UIを分けると言っているのは、住民情報や法人情報などの基本情報については政令市もそれ以外も同じデータベースに格納することを想定しているからだ。こうすれば例えば転出と転入を1回で処理できる。
    →自治体は複数のベンダーシステムで構成する「マルチベンダー」であるのだが、団体内統合宛名システムなど自治体で1つしか必要でないシステムは国が作ればよかったのだが、自治体・ベンダーに任せた。そのため、1業務を専門にしているシステムベンダーは各ベンダーの団体内統合宛名システム向けの連携を作らざるを得なっている。
    →団体内統合宛名システム一覧はこちら。これぞベンダーロック&無駄な税金(開発費)の垂れ流し

  • 住民も法人も日本の中にいて、都道府県を横断しつつ活動しているわけだから住民情報や法人情報のデータベースは本来1つであることが望ましい。ただし論理的にデータベースは1つにするがレスポンス確保のため実際には物理的にそれなりの数に分けることになる。
    →私はナショナルシステム化と言っている

  • 用意するアプリケーションは共同利用できるものとし、パラメーター選択などは不要にする。自治体間でやりとりする情報についてはデータ様式を決めておけばよい。論理的にデータベースは1つだからデータ連携は実に簡単だ。
    →自治体間でやりとりする情報についてはデータ様式は決めるし、マイナンバー連携であることはあるが、全業務はない認識。あと自治体内の異なるベンダーシステム間のデータ様式の標準化は20業務のみなど不足しまくっている認識。つまり、20業務以外で標準データ様式に対応できないシステムは使わないルールにしないといけない。
    →小さい業務システムは撤退するだろう。時間の問題なので神戸市のようにノーコード/ローコードで職員がシステム構築すればよいだけ。

  • 統一システムへの参加は自治体自身で決める。国と自治体、都道府県と市区町村は上下関係にないので、国はそもそも自治体に参加を強制できない。
    →自治をするのが自治体なので強制は本来できないというのは聞いたことがありますね。

  • 用意するアプリケーションは共同利用できるものとし、パラメーター選択などは不要にする。
    →これをしたらXX税、XX料とか市区町村に違うものがあれば破綻する気がします。ある程度のパラメーターは必要では?

  • 統一システム計画に参加するか否かの判断も各自治体の意志で判断する。「国が統一システムをつくり、自治体に提供してほしい」という声が自治体の中にはある。だが、自分たちの業務システムである。自分たちで決め、自分たちでつくらないでどうする、と言いたい。
    →正しいけど無理なんじゃないですかね・・。後述の「ちょっと違うなと思ったこと」参照。

  • 統一システム計画は自治体が共同でつくったプロジェクトチームが主導する。統一の対象となる業務を担い、現場に精通しているのは自治体であり、計画策定を主導するのは当然だ。
    →そうですね。各省庁や自治体ができないのでベンダー頼み、京都市のようになったり、失敗作を作る認識です。(自重)

  • 統一システムによって自治体の業務が効率化され、莫大な開発・運用・保守費用が減る。自治体の職員は人手のかかる業務に集中できる。住民にとっての利便性が増し、税金が効果的に使われるようになる。さらに統一システムは地域の経済・医療・福祉といった活動を支える社会インフラとして活用されていく。こうしたことを実現できるシステムを住民自身が構想する。そのワクワク感をぜひ知ってほしい

  • 自治体統一システムについてもデータモデルをきちんと用意、公開し、各自治体が自分たちの業務に使えるかどうかを判断するプロセスが欠かせない。ここをコンサルタントやIT企業に任せてしまうと自分たちの業務システムにはならない

以上、細かいところで、色々あるが良いかと思います。さすがに違うなと思ったところは後述の「〇ちょっと違うなと思ったこと」で書きました(厳密には分けました)。
以降、過去の私です。

〇過去の私(ナショナルシステム)

 デジタル庁が団体内統合宛名システム、住登外者宛名番号管理機能、申請管理をガバメントクラウドで用意すれば、システム変更で人情報のデータ移行不要にならないかね・・。早くて2030年あたりにできそう?な「人・ベース・レジストリ(パーソン・ベース・レジストリかな)」の移行も自治体が個々でベンダーに任せることなく、デジタル庁でサクッとできるのでは??
 申請管理のようにデジタル庁で用意すべき!!って、申請管理も未確定・・?ベンダーに任せるの?

↓引用

〇妄想:3割減になるために
 ナショナルシステム化しかない認識です。ナショナルシステム化とはガバメントクラウド上で、全業務システムが1つです。今は、住民記録は自治体・ベンダーごとで似たり寄ったりなものがたくさんあり、自治体はベンダーに個々で支払っています。これを全業務の画面周りはA社、住民記録はB社、国民保険はC社、と日本に各業務システムは1つで、疎結合(マイクロサービスなど)で表現すればよいかと思います。これで、法改正ごとに全国の自治体がベンダーに払う経費は少なくなる認識です。要は「共同利用=システム改修費按分=安い」を、デジタル庁がまとめて「ナショナルシステム化=全自治体按分ルール」そうすればよいじゃん!という話です。
 最大のネックは、自治体が事務をシステムにそこまで合わせられるかになるかと思います。いずれにせよ、人口減!働き手は半分?自治体も税収減になるのは確実なので、システム費は減らさぜるを得ない時代に突入するので、ナショナルシステム化は必須かと思います。
 現段階、コスト増!仕様決まらないのでシステム対応難しいのに、2025年度対応必須!でガバメントクラウドで運用すべき!なら、ナショナルシステム化で良いかと思いますよ。

↓引用


〇統一システムかナショナルシステムか?

  • 結局データ移行が発生するよね。標準システムはデータ定義はベンダーマターにしたので。(中間標準レイアウトを提示したので移行はスムーズという算段だろうけど。)

  • 前置きとして、自治体はマルチベンダーのシステムで運用しているところが多いよう。結局、自治体で1つあればよい団体内統合宛名システムなどはどこかのベンダー製品が自治体で一つのサブシステムを提供している。こういうのも対象なのか。
    →ナショナルシステム化をすれば、業務システム開発にアサインされなかったベンダーに仕事をあげたらよいのでは

  • 標準仕様外もたくさんあるが、ここはどうするのか?
    →ナショナルシステム化をすれば、業務システム開発にアサインされなかったベンダーに仕事をあげたらよいのでは
    →小さい業務システムは国産ローコード・ノーコードもISMAP取っていたので、神戸市のように自作するとか??

〇ちょっと違うなと思ったこと

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