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名刺をリニューアルしたお話

ごあいさつ


はじめまして。Japan Digital Designのデザイナー平野です。
UIを含めて主にビジュアル周りのデザインなどを担当しております。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の戦略子会社である Japan Digital Design(以下JDD)では、Experience Design Div.が体験デザインを担っております。
この記事では、JDDでの体験デザインにおけるコーポレートコミュニケーションプロジェクトにて、リブランディング時にリニューアルした新名刺デザインについてご紹介したいと思います。

なぜリブランディングが必要だった?


経営方針の変更に伴い、JDDのブランドアセットを見直していたところ、過去に定義していたJDDブランドロゴのストーリー(成り立ち)が、新方針の環境と一致していないことが分かり、リブランディングプロジェクトがスタートしました。
リブランディングプロジェクトは、およそ2021年前半に始まり、コンセプト設計からデザインまでの全てのプロセスをデザインチーム中心に取り組んでいます。
ブランドコミュニケーションとしてJDDのブランドガイドをまとめ、その後、2021年後半から約半年間かけ新たなコンセプトを名刺にアップデートしました。
リブランディングプロジェクト自体は、少しずつではありますが、現在も丁寧にアップデートを行っております。

新名刺のデザイン


まず、ロゴと名前の位置が逆位置の文字組みによって、多角的に物事を見る事ができる印象を与えたいと思ったので、縦・横を決めないレイアウトにすることで、多面性を感じてもらえるデザインにしました。

こちらが新名刺です!


メリハリを持たせた、ジャンプ率のあるデザインとして、明るく、活動的な印象を与えたいとも考えました。一方で、文字組みのバランスを綺麗にまとめ上げる事で、信頼感を感じさせるデザインに仕上げています。

完成した泊印刷部分のロゴをよく見ると、網掛けの泊になっており、手に取るとドットのロゴが出来上がっています。

版面寄りで

ロゴのドットは、リブランディングで考えていたストーリーと重なっています。
新ブランドガイドで考えていたJDDロゴの成り立ちは、ひとつのドットを、Data(データ)とEmployees(一人ひとりの社員)として考えており、ドットが集まり、形成されJDDのロゴになる、というものです。網掛け泊と、このストーリーがマッチすると考え、印刷表現を変更し完成にいたりました。

ロゴストーリー

デザインの検討


文字組のレイアウトは、初期の段階から、会社のロゴと個人名部分の文字の組違いで考えていて、最終提案は、3案 (松・竹・梅 案)となっていたのでそれを踏まえたくさんのパターンを作成しました。

3案の内訳は
梅案 旧名刺と同等(2色刷り)
竹案 折衷案
松案 特色・特殊印刷として泊印刷

旧名刺のデザイン


同じタイミングで、コーポレートカラーを新たにアップデートすること (ゴールド、ブラック、ホワイトの3色)が決まっていたので、最終案が決まった時には1人3色展開の名刺セットで考えていました。

【梅案】二色刷りで旧名刺と同等。特色・特殊印刷はなし
【竹案】特殊印刷はなしで、特色か通常カラーでの印刷
【松案】特色・特殊印刷として泊など


こちらは最終案のイメージ

【最終案】デザインは竹と松案をマージしたかたちで特色特刷で落ち着いた


デザインレビューと修正


初期段階から、ロゴと個人名部分の文字の組違いを考えていたので、デザインレビューにて大きな変更はありませんでした。

レビュー時のデザイン

ロゴの向きや、MUFGのロゴも色はつけておらず、全体的にグレーで色の濃淡をつけ、
メインの3段組のJDDロゴにのみコーポレートカラーの特色の箔押しを考えていました。

社内レビューでは、このようなフィードバックがありました。

  • 素敵だとは思うが気恥ずかしい

  • ロゴを抑えめにしてほしい

  • 縦のデザインは役員クラスなどの人たちが多い

  • 縦と横など決めた2種類の向きが欲しい

  • ロゴのインパクトがありすぎる感

  • MUFGのロゴが赤の方が目にいく

  • MUFGのロゴの赤マークは大事

  • 役職の横文字をカタカナ化

  • 社名のインパクトがある

  • 記憶に残りそうな目立つ必要がある会社

  • 変に目立っているとは思わない。カッコいい

  • 金融系の外資なイメージ

  • 落ち着くのは梅案

全てのフィードバックを受け入れ、修正を反映させるのは難しかったのですが、MUFGのロゴはグレーから赤に変更しました。

気恥ずかしい、目立ち過ぎると言われたJDDのロゴ部分は、最初は、ベタ泊で考えていたロゴでしたが、最終の印刷前に網掛け案(20% 60lpi)へ変更しました。ロゴの目立つ部分が抑えられ、さらにロゴのエレメントストーリーに沿ったカタチとなりデザインが完成。

デザイナーレビューでは、黄金比に落とし込む事で良くなるのでは、と考え、黄金比を元に調整しました。すると、さらに文字組みのバランスを綺麗に仕上げる事ができ、無事印刷する運びとなりました。

黄金比と元データの比較

黄金比に落とし込んだ際の比較


完成後が意外と大変だった


事前の想定として、個人情報部分のデータは、デザイン作業が完了してから、印刷会社にすべて流し込みの作業をお願いする事になってはいました。ただ、社員全員分(約100名)のデータについては、ざっくりとExcelで管理することしか考えておらず、デザイン完成後からが実際にさらに時間がかかりました…。

まずは、Slackで社内アナウンス後、社員へ管理用Excelへの入力をお願いしました。
そうすると、電話番号の有無があったり携帯だけではなく固定電話まであったり (表記はMobileしか作っていなかった…)、役員は、肩書はあっても所属部署がなかったり、一部の社員は、資格保持者の表記が必要であったり、ミドルネームを記載されていたり、と様々な想定外のことが起こりました。

ミドルネームを入れる事により、当初想定時より文字量が超過してしまったので、デザインをなるべく崩さないように再調整が必要となりました。最終的には、1行名刺と3行名刺を新たに作成し、デザイン調整を行いました。

氏名のローマ字(D)から上部を
1行 (Aのみ)
2行 (AとB)
3行 (AとBとC)
タイプの3種類をテンプレート化。

1-3行の名刺のテンプレート

次は、Excelをどのようにまとめると印刷会社の方が流し込み作業がしやすいか考慮し、他部署である人事担当とやり取りしました。

名刺は今後デザイン以外のやり取りは全て人事担当へ引き渡す予定であったため、印刷会社からいただいたExcelリストを元に、人事担当と共にテンプレートを作成し、ようやく完了となりました!

流し込みデータのテンプレート

無事名刺が納品され、やっと終わった実感を得ました。

おわりに


現在は、名刺作成の運用も引き継ぎが完了し、社内運用も始まっております。
JDDは基本的にフルリモートワークとなり、オフィスへの出社も現状多くはないため、オフサイトで使われる名刺がコロナ禍の状況で必要なのかという議論もありました。しかし、日常の生活が戻りつつある状況でもあるため、この度リニューアルを行い、無事完了となりました。

面談は、オンラインが中心というのは変わりませんが、少しずつ名刺を渡す機会も増え、社内の名刺のオーダー数も増えてきております。JDD社員と名刺交換をする時がありましたら、ぜひお手に取って見ていただけると幸いです。

お知らせ

Japan Digital Designでは、デザイナー絶賛募集中です! 弊社の取り組みにご興味を持っていただけた方は、カジュアルにお話をするだけでも大歓迎ですので、ご連絡いただけますと幸いです!



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Experience Design Division / Senior Experience Designer
Itsuki Hirano