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【物語4】4人の実力開示

入ってきたのは大柄でたっぷりのひげを蓄えた男の教官だった。
前回の任務の時に廊下ですれ違ったことがあったので顔は
知っているけど話したことはない。

「諸君おはよう。昨日はよく眠れたかい? 私はステラだ。
 今日から10日間君たちの担任となる。」

ステラ教官は身体の中を共鳴し、響き渡る低く良く通る声で挨拶した。
怒ると絶対に怖い。。。直観でそう感じた。
怒らせないように気を付けよう。

初日の今日はル-ルの確認と今回の任務の説明がある。
ステラ教官を何を話すか、僕はドキドキした。
初任務を終えて半年、そろそろ次の指令が下るかなぁと思ってた矢先
下った指令が「高度&難解」なミッションだったから
正直少しビビっていたからだ。

1限目
指令を受けてから守らなくてはならないル-ルが話された。
①任務の内容は決して口外してはならない
②無断欠席、遅刻はしてはならない
③ここで学んだ内容は他言してはならない
④スコア磨きを最優先に行動し、仲間で助け合い、必ず協力し合うこと

これはどれも当たり前のことだから守れると思う。
遅刻に関しては3人の視線がダイに向けられた。
ダイは視線を受け、頭をかいてウインクした。
僕は家族や友達にうっかり話さないように気をつけさえすれば
きっと何とかなるだろう。
今回はミラも一緒の任務だから、ミラと話せるというだけで気が楽だ。
話せる相手がいるのは本当に有難い。
僕の世界ではすべての行動が常にスコアに反映されるから、
決して誤魔化しがきかない。

ここで僕たちのスコアについてステラ教官から開示があった。
チームになった僕たちはお互いのスコアや得意不得意を理解し合って動く
必要があるからだそうだ。

★一番年上のダイは 58,000スコア 
 学生の平均スコアが45,000スコアだから、ダイのレベルはかなり高い。
 中でも行動スキルが飛びぬけて高いらしい。運動神経いいんだろうなぁ。
★お姉さんのアミは 52,000スコア 
 女性では高めのスコアで、なかでも知的スキルは学年でトップクラス。
 すっごい頭がいいらしい。今回のチームでは頭脳担当ってとこかな?
★仲良しのミラは今、43,000スコア
 ミラは技術スコアが異常に高い。今年に入って凄い勢いでスコアアップし
 ている。手先が器用なのと何でもすぐに覚える記憶力が武器だ。
★そして僕は 50,000スコア
 学年成績トップ3に常に入っていることがちょっとした自慢の僕。
 得意な分野は分析スキルと情報収集スキル。完全にインドアタイプ。

ステラ教官の指示でチームリーダーはスコアランク1番のダイに決まり
4人でチーム名を考えるようにと課題が出る。
チーム名は今後、任務中にセンター本部とのやり取りをする際の
「暗号」にも使用される大事なものらしい。
それらしく、でもそれらしくないものが「暗号」としてベストなので
4人でよく考えて報告しに来なさいと言い残してステラ教官は
部屋を出て行った。

暗号にもなるチーム名って何?? 
4人の頭の中に果てしなく浮かぶ ???
難題だ。    
                                        (続く)


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