池田飛鳥

構成作家1年目(YCA大阪3期)。たくさん笑って生きています。

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マガジン

  • 生活

    生活とは、様々な経験に基づく気付きや感情の揺れが、有機的につながること。

  • ときどき日記

    ときどき書く日記です。 しばしばよりは少なく、たまによりは多いです。 ときどきほんと、ときどきフィクションです。

最近の記事

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2023年12月11日(月)みかんを持って

まだ月曜日かぁ、と思いながら電車に揺られ、 最寄り駅に着いたのが22時過ぎ。 コンビニを出て傘を開いた視線の先に、 奇妙なおじいちゃんがいた。 この雨の中、傘も持たずに手押し車を押し、 ゆっくり、とてもゆっくり歩いている。 仄かな街灯に照らされた、濡れて重そうな外套。 何が奇妙かと言えば、そこは高架がある道。 高架下を通れば濡れないのに、 わざわざ濡れる道を選んでいる。 たぶん、認知症の人だ。 かけよって傘を差し出し、 「大丈夫ですか?」と尋ねれば 「うんうん」と頷

    • 味噌汁を美味しく食べる〜作家1年目の春〜

       大根と豆腐に焼き目をつけて、味噌汁に投入。  別に焼き目をつけなくてもいいのに、この一手間を加えるとき、「美味しく食べようとしてるなあ」とわざわざ思う。  ベランダで育てている紫蘇を2枚取って、丁寧に水洗いする。豚ロースで巻いて、チーズなんかも入れちゃう。フライパンの上で粘度の上がる茶色いタレが、豚肉に絡まっていく。きれい。  母に勧められたドラマを見ながら、ゆるりと晩ご飯を食べる。いい夜だ。 ————————————  4月からテレビの仕事が始まった。  関西で35年

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      • 2024年3月4日(月)おかかおにぎり

        朝起きて窓を開け、春の柔らかな風を浴びたとき、 「今日はピクニックだ」 と決めた。 ピクニックと言っても、 大それたことはしない。 おにぎりと少しのおかずを持って出かける。 おにぎりはおかかとチーズのおにぎりだ。 「おっさんずラブ-リターンズ-」を 最終回まで見届けた。 主人公の隣人がおかかおにぎりのお店の主で、 毎回登場するのですっかり食べたくなっていた。 長居公園へ向かえば、 おじいちゃん、おばあちゃん、 小さい子どもたちやその親御さん、 犬を散歩させる飼い

        • 2024年2月21日(水)落ち着いたら

          昼休みに休憩室で、ハヤシちゃんに会った。 ハヤシちゃんは同期で別部署の女の子だ。 ハヤシちゃんから 「3連休何してたん?」 と聞かれたから 「IKEA行ったよ」 と答えたら 「ちゃうねん、私もIKEA行きたいねん」 と返された。 何がちゃうねんやねん。 「行きたいんやけどさぁ、私はゆっくり回りたいのに、ササキくんがスタスタ行っちゃうタイプやねんなぁ」 ササキくんは私たちの同期で、 ハヤシちゃんと同棲している男の子。 相変わらずササキくんとは仲良しのようで何より。

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        2023年12月11日(月)みかんを持って

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          2024年2月10日(土)こたつでみかん

          ふと、 最近くだものを食べていないな、と思う。 記憶を辿れば、 クリスマスケーキに乗っていたいちごが最後。 なんと、今年に入ってくだものを食べていない! もう2月なのに、由々しき事態だ。 そういうわけで、商店街へ行く。 土曜日の昼のにぎわい。 豊かだなあ。 くだもの屋さんには 当然ながらたくさんのくだものが並んでいる。 いちご、ブドウ、りんご、みかん、はっさく、 ポンカン、デコポン、いよかんなどなど。 しかしながらくだものは 一人暮らしフリーターからすると まあまあ

          2024年2月10日(土)こたつでみかん

          2023年11月25日(土)白川さん

          今日はお花屋さんへ行った。 テレビの横に置く大きめの緑が欲しくて、 商店街へ向かう。 そのお花屋さんは初めて行く場所で、 一目で「こだわってるなぁ」とわかるお店。 じろじろと見ていると、 仕入れたお花をゆっくりと動かしている店主が、 「中で見ていってください」と言ってくれたので、 お言葉に甘えて入店。 そのお花屋さんは、6畳ほどのスペースに ぎっしりと植物を詰めていて、 まるで温室のような異空間。 植物が主導権を握る空間で、 「お邪魔します」と 思わずあいさつしてし

          2023年11月25日(土)白川さん

          2023年11月6日(月)ミスター・ドーナツ

          仕事の昼休みに、 たまたま同期の女の子・ハヤシちゃんに会った。 入社研修のときに仲良くなった子で、 別部署に配属されたあとも、 昼休みに休憩室で会ったら 一緒にご飯を食べるような仲だ。 彼女のお昼ごはんはいつも おにぎりとスープ春雨のセット。 おにぎりの具は曜日ごとに違っていて、 今日は月曜日なのでツナマヨ。 「最近どう?」 と聞くと 「ぼちぼち」 とハヤシちゃん。 「最近ササキくんとどう?」 と聞くと 「ねぇちょっと聞いてよ」 と食い気味。 わかりやすい。 サ

          2023年11月6日(月)ミスター・ドーナツ

          2023年10月31日(火)宗右衛門町の黒猫

          仕事の帰り道、 私は職場から駅まで、歓楽街を通り抜ける。 あくまでも地理的な理由で。 18時過ぎの歓楽街は、 「今から夜が始まるぞ」 という活気に溢れていて、 通るだけで結構楽しい。 制服姿の女の子たち(スカートは無論短い)が 料金プランの書いたプラカードを持って 練り歩いていたり、 綺麗な顔をした男の子が颯爽と歩いて行ったり、 少し現実離れした街だ。 そういう意味でディズニーランドみたいなので、 「今日はどんな人がいるかな」と期待して 毎回わくわくして歩いている。

          2023年10月31日(火)宗右衛門町の黒猫

          2023年10月20日(金) とろけるガトーショコラ

          大学生のときから仲のいい1個上の先輩がいる。 かれこれ6年近くの付き合い。 お互いお笑いが好きで、 令和喜多みな実さんの単独へ 一緒に行くような仲だ。 彼女は偶然にも、 歩いて20分くらいの近場に住んでいる。 私が大阪に引っ越してきたときに、 掃除機やこたつなど、 一人暮らし時代に使っていた 家具家電をたくさんくれた。 本当に優しい姉さん。 そんな彼女が夜、 Twitterで「本日の成果」という言葉とともに ガトーショコラの画像を投稿していた。 彼女は焼き菓子を作るのが

          2023年10月20日(金) とろけるガトーショコラ

          2023年10月15日(日) ピクニック

          朝起きて窓を開け、心地よい風を浴びた瞬間に 「今日はピクニックだ!」 と決めた。 春や秋のピクニック日和は、本当に一瞬だけ。 今だ!と思ったタイミングで ピクニックをしなければならない。 ピクニックと言っても、大それたことはしない。 タッパーに米を詰めて、近所の商店街へ向かう。 八百屋さん、花屋さん、天ぷら屋さん、 魚屋さん、韓国惣菜屋さんなど、 一通り見るんだけど、 いつも決まって同じお肉屋さんに辿り着く。 このお肉屋さんのコロッケが大好きだ。 久しぶりに来

          2023年10月15日(日) ピクニック

          2023年10月14日(土) 小雨の日

          用事を終えて、日本橋付近を歩いていた。 最近は天気がいい日が続いていたけれど、 久しぶりの傘の出番の日だった。 傘を差すの「差す」って面白い言葉だ。 動きとしては「傘を開く」なのに、なぜ傘を差す、と言うんだろう。 気になって調べてみたら、「差す」には 「物を上方または前方へ伸ばす」 という意味があるらしい。 へー。 傘を差すって、傘を開く行為のことを言ってたわけではないのか。 勉強になりました。 と思っていたら 「お姉さん、傘に入れてくれません?」 と突然に右

          2023年10月14日(土) 小雨の日