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アイヌ文化を学べばいい。

ずっとnoteで書きたかったのですが中々進めることができませんでした…が、再始動。
今回は絶対書こうと決めていた【アイヌのはなし】をトピックにしたいと思います。

実は先月、【アイヌ文化、歴史にふれよう】という人権フォーラムに参加しました。


アイヌ民族は、近世には北海道、東北北部、樺太、千島列島という広い範囲で暮らしてきた独特の言語や文化を持った日本の先住民族です。

明治以降、アイヌの人たちは固有の文化を否定され、差別を受けるなど、苦難の道を歩んできました。

その人権フォーラムは、アイヌの歴史や伝統文化などについて正しく理解し、差別・偏見をなくすことに繋げることが目的です。


講師として招かれたのは多原良子(たはら りょうこ)さんという、公益財団法人 アイヌ民族文化財団の、アイヌ文化伝承者の方です。札幌アイヌ文化協会事務局長などもされている方です。

少しだけアイヌの説明を書きましょう。

アイヌとはアイヌ語で「人間」を意味する言葉で、元々は「カムイ」(自然界全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称)に対する概念としての「人間」という意味であったとされる。
wikipedia

これは少し私個人の考え、主義に似たところがありまして、大変興味深く話を聞きました。
(最も、会場はちびっ子たちも居て騒がしく、聞き取れない(APD・聴覚情報処理障害)私は前のめりになって話を聞いていましたが…)


私は無神論者で、おそらく生涯そうなのですが、理由を書くと気分を害する方もおられるので書きません。
でも、自然そのものがありがたい存在だという考えのもと、生きています。今も過去も。

アニミズム(animism)という概念があります。

アニミズムとは、とは、生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方。アイヌの考え方と共通する部分があると思えます。

実際にそのフォーラムに来られていた多原さんの言葉を借りるとするならば、

大事なのは自然との共生。全てのものに魂がある。
多原さんのことば


という考え方がアイヌの方々の真髄に存在します。

個人的なことだけど、私は文明や歴史のある特定の何かではなく、そこにある全ての事象、それらに帰依していると自認しています。

私は北海道に住んでいたこともあるのでアイヌの存在はそこまで遠くはなかったと思うのですが、実際にアイヌ民族の方の口から発せられた言葉はどれも共感に至るものでした。

脱線しますが、ちなみに私はアイヌの血は引いていません。沖縄ルーツでもありません。ですがほぼ100%の確率で純日本人ではないと判別される外見をしていて、でもその度に「わからない」と正直に答えているんです。というのも、自分の親戚にアジア系ではない人物がいたという話を聞いた覚えがあるのです。最も、私は両親とは生き別れ親戚とも関係が断絶されている状態なので(前から)事実を再確認はできません。
信憑性は疑わしいですがAmazonとかで販売しているDNA検査でも受けてみようかと思ってしまうくらい日本人と思われないので、いつの日かキットを入手してチェックしたいです。(金かけてまでやるか?とも思うけど)


それはさておき、アイヌ民族の話に戻りましょう。


アイヌの伝統的な居住建築、チセ(cise)についても色々プレゼンしていただきました。
アイヌの独特な紋様は多くの方がご存知だと思いますが、衣装などだけではなく、居住する家にもアイヌのモチーフが存分に使われていたようです。

復元されたチセ(アイヌの住居)
北海道博物館にあるイヨイキㇼ(宝物棚)。


この建築物が意外にも天候に左右されず住みやすい合理的な設計だったそうです。
上の写真にあるモチーフのようなものが編み込まれたござを、チタラペ(花ござ)というそうです。
講師の多原さんが所属するアイヌ民族文化財団のHPにアイヌの編み込み模様に関するPDF資料があったので、興味のある方はご一読いただければと思います

アイヌ生活文化再現マニュアル  


明治以降、アイヌの人たちは固有の文化を否定され、差別されるなど苦難の道を歩んできました。多原さんは小学生のアイヌ出身の男の子が他の子に「あ、イヌ(犬)だ!」などと囃し立てられたりしているイラストを紹介してくれました。他にも理不尽な紆余曲折はありましたが、アイヌの人たちは社会からの偏見に負けず、自分たちの文化を繋ぐこと、守ることに尽力してきました。

固有の文化としてインパクトがあったのは、多原さんがいう『女の人も口や腕に刺青を入れていた』というお話。
女性が口の周りに大きく刺青を入れていたというのです。
しかしそれも『野蛮だ』(正確には明治政府が明治4年【壬申戸籍】法の際に【陋習】(卑しい習慣)という理由で強制的に禁止されてしまったのですが。)

文化的には女性が唇の周りに入れる刺青は『立派な女性になるように』と多原さんは表現されていました。そう、10代位から少しずつ刺青を入れていく風習があったそうです。しかしその風習禁止が差別感を煽り、アイヌの人達、そしてその文化を追い詰めたという話。

アイヌのシヌイェ(刺青)についてわかりやすい資料はここをクリック


アイヌの女性と シヌイェ(刺青)文化


日本って本当、いつまで文化的に鎖国しているんでしょうねえ。
現代でも刺青=ヤクザという公式や、刺青=アホという定理は存在しますが、それが文化であり風習であるものまでを抑圧しなくても良くないかあ?

かくいう私も刺青が両腕両足に沢山あります。
自分の場合は、動機が不純でして、とある日、切り傷を負った場所に、墨を入れたら入れ墨になるのかを実体験してみたところ、実現した時の喜びからのスタートです。意味不明です。
本格的にタトゥーを入れたのは、タトゥーマシーンを海外から取り寄せて安全なインクを使い、消毒徹底で施術後のケアも徹底して、自己責任で全て自分で彫っております。
右利きですが、左腕にも入ってます。リスキーですよねえ。でも失敗したことは無いので良いことにしています。
もう一つ、タトゥー(刺青と同義でタトゥーと表記します)を増やした意味がありまして、それは私が徹底的にアーティストでありたいと願ったからで、自分の身体にアートを施して何か文句でも?というスタンスもあります。

そんな私なので、アイヌの刺青の話を多原さんから聞いて、最後の質問コーナーにて刺青について質問しました。質問内容は上記に記載したことが多原さんからの回答だったので、割愛します。
他にも2、3質問させていただいて、(私だけ)フォーラムは終了しました。

無くしてはいけない文化がある。
継承されるべき、敬意を持たれるべき風習がある。

改めてそのことを学ばせてもらえた素晴らしい機会でした。
これを機に皆様も、本質的なアイヌ理解に繋げていってくださるといいなあ、と思う次第でございます。

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