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タクシーアプリ『GO』の新機能分析

これは 株式会社Mobility Technologies(以下MoT)データインテリジェンス部ブログの記事です。
本企画は弊社社員の個々の活動による記事であり、会社の公式見解とは異なる場合があります。

自己紹介

MoTでタクシーアプリ『GO』のデータアナリスト兼データインテリジェンス部データアナリシスGのマネージャーを務めているjanaと申します。

『GO』の前身である『MOV』を運営していたDeNAにPdM組織所属のアナリストとして入社、JapanTaxi株式会社との統合で設立されたMoTに転籍し、今に至ります。

データインテリジェンス部はプロダクトマネジメント本部の配下に位置しています。
プロダクトマネジメント本部はプロダクトマネージャー(PdM)をはじめプロジェクト管理・デザイン・QAなど質の高いプロダクトの創出に必要なスペシャリストが集結し、プロダクトの価値最大化や事業の成長を支えるために協働している組織です。
その一員として、アナリストというポジションで、プロダクトの開発や成長に非常に近い立場で関われることに魅力を感じています。

PdM本部の分析組織に求められるミッションについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。

データアナリストの業務

データアナリシスGではデータアナリストの業務範囲をこのように定義しています。

「分析」と「BI提供」の両軸がプロダクト運営に必要

大きく分けて3つの役割があり、それぞれ複数人体制で業務にあたっています。
<プロダクト分析>
データを通じてプロダクトの課題を探索・改善提案を行う
<プロダクトモニタリング>
プロダクトのヘルスチェック指標の定義・監視(サービスヘルスチェック)
新機能を評価するための指標の定義・ダッシュボード開発(新機能分析)
<依頼分析>
PdM本部内外からの分析依頼に迅速に対応する

今回はこの中の新機能分析について、詳しく説明したいと思います。

新機能分析とは?

『GO』では大型案件と改善タスクが同時並行で進められ、日々多くの開発案件が動いています。
リリースした機能がどれくらい利用され、期待する効果を産んでいるのか、逆にユーザーにとってネガティブな体験を生んでいないか。これらを指標(KPI)として定義し、可視化し、継続的に監視することは、次のプロダクト開発や更なる磨き込みのため非常に重要になっています(そしてこの認識がPdMにもあるため、現在の組織体制が取られています)。

KPIをリリース直後から即座にモニタリングできるダッシュボードを用意するため、機能開発の準備段階からアナリストも動き始めます。

新機能分析の流れ

新機能分析は大まかに以下のような流れで進みます。
PdMの動きは新機能分析に関する部分のみ抜粋して記載しています。

1.プロダクトの設計段階

まず機能の開発が決まるとPRD(プロダクト要求仕様書)をPdMが作成します。その段階で、分析要件のたたきを作成してもらいます。
その際、売上などの責任をもつ事業側の担当者にも分析要件がないか確認をしてもらい、分析設計に漏れが発生しないように要素を洗い出します。

2.分析設計

機能の開発と並行して、PdMがまとめてくれた分析要件をベースに詳細な分析設計を行います。設計をする際には以下の観点を意識し、必要に応じて事前集計を行いながらKPIを練っていきます。

・何が機能の利用促進のレバーになるか
・MECEな設計になっているか、構造化
・リリース後の報告をイメージする

3.データ設計

分析設計が完了すると、データの設計をデータアーキテクト中心に行います。データアーキテクトは最近新たに設けられたロールで、データの収集・加工・提供に関するプロフェッショナルです(詳しくはこちらの記事でご紹介しています)。
既存のログデータへの項目追加で済む場合もあれば、案件によっては新たなデータソースからデータを取得するパイプラインを開発するケースもあります。必要に応じてサーバーサイドエンジニア・ユーザーアプリエンジニアと調整しながら設計を詰めていきます。

4.データ確認

テストが開始されると、分析環境にもテスト環境で発生したデータが蓄積されるようになります。この段階で意図したデータが出力されているか確認します。

5.ダッシュボード開発(LookML実装)

MoTではBIツールとしてLookerを採用しています。
LookerはLookMLという独自言語をモデリングすることで、Looker利用者の設定に応じて自動的にSQLが生成される仕組みになっています。
データアナリストはまずLookMLで必要な指標を実装した上で、分かりやすさも意識しながらダッシュボードを作成していきます。

6.リリース後のモニタリング

機能のリリースがされると、ダッシュボードにも徐々に数値が蓄積されていきます。ダッシュボードが意図した動作をしているか確認し、予期せぬ不具合が発生した場合は関係者と連携をとりながら修正します。リリースはデータアナリストにとっても緊張の瞬間です。

ダッシュボードが正常稼働しただけで終了ではなく、想定と異なる傾向がみられる場合は深堀り調査を行ったり、事業の報告会に向けにフラッシュレポートを作成するなど追加の調査や報告も行います。

最後に

今回は簡単にですが、新機能分析の流れを紹介いたしました。
このようにして開発したダッシュボードはリリース直後のモニタリングだけでなく、PdMとエンジニアの混合チームが日々行っているKPIの振り返りにも使用されています。
また、より効率的なダッシュボード開発や要点を得た分析設計を目指し、分析観点の洗い出しやPdMへの分析設計フォーマットの共有などブラッシュアップも進めています。

定量的なインプットを踏まえ意思決定をする文化が根付いているMoTは、データアナリストにとって非常に魅力的な職場だと思っています。
MoTのデータアナリスト職が気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒にその文化をさらに成長させていきませんか?


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