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どうする家康 第36回「於愛日記」

中休みみたいな回でしたが、千代の近況や於愛の内面、そして終盤にラスボス茶々が登場するなど見せ所が多い回でしたね。

徳川家の癒しキャラ・於愛はどんな人物?

於愛は西郷義勝の妻でしたが、1571年、夫を武田氏との戦いで失ってしまいます。その後、家康に嫁ぐこととなりました。
家康はやけに「後家」(未亡人のこと)が好きで、多くの後家を側室として娶っています。
その理由は定かではなく、一説には
「間違いなく子を産めるから」
だの、
「収入を無くした女性を助けたかったから」
だの、
「そういう趣味だった」
だのと言われております。
実際、家康との間に2人の男の子をもうけており、それが
・三男:長丸(後の徳川秀忠)
・四男:福松(後の松平忠吉)
の2人です。

松平家忠の日記によると、於愛は強度の近眼で、目の見えない人々に食糧を分け与えるなど、気立ての優しい人物だったようですね。

ちなみに2代将軍秀忠はひどく母親思いだったらしく、晩年に於愛の方になんと「従一位」の位階をもらっています。従一位というと上から2番目で、相当高い位階です。

残念ながら於愛は家康の天下取りも、息子・秀忠が征夷大将軍になることも見届けることなく、1589年に世を去ります。享年は20代後半だったと考えられます。

絶世の美女・馬場信春の娘

武田家が滅んだとき、家康は「絶世の美女」と名高い馬場信春の娘を家臣たちに探させました。自分が側室に娶るためでしょう。武将はみんな美人に弱いですね。

これが全く見つからなかったのですが、なんといつの間にか、鳥居彦右衛門元忠がこれをこっそり妻にしていたことが判明しました。
家康は「抜け目のない奴だ」と笑ったとか。

ここまでは江戸時代の文献に載っているエピソードなのですが、
「望月千代女=馬場信春の娘」
という設定は今回のドラマオリジナルのものです。
千代がその後どうなったか、確かに気になっていたところで、なかなかの着想だなと思います。

鯉に関する笑える話

於愛から信康・瀬名の話を聞かれ、家康は鯉の話を始めようとして吹き出してしまい、結局視聴者には何も明かされないままでしたね。
鯉の話といえば、家康には非常に有名なエピソードがあるのですが、もしかするとこの後出てくるかもしれないので、ここでは内緒にしておきましょう。
またドラマに出てくればお話しします。

北条家ようやく屈服

圧倒的な勢力を誇る秀吉に屈服すべきか否か。
北条家はなかなか返事を出しません。
家康の次女・おふうが北条氏直に嫁いで同盟を組んでいるのですが、その氏直の父・氏政は相当に秀吉を嫌っているようでしたね。

ちなみに北条家は
・初代 早雲(北条早雲という名前は後付けであり、本人は伊勢新九郎と名乗っていた)
・2代 氏綱
・3代 氏康
・4代 氏政
・5代 氏直
の5代に渡り、100年もの間、小田原を居城として関東一円を支配してきた大名です。

秀吉が屈服を迫っていたこの時点で、関東地方はほぼ全て北条家の領地だったといってよいでしょう。

その北条家は、榊原康政とおふうによる必死の説得が功を奏し、やっと秀吉に臣従することを決めました。4代氏政の弟に当たる北条氏規が大坂城に挨拶に行ったのですが・・・秀吉は納得せず、戦をけしかけます。

ドラマ上は「秀吉が納得せず、戦をけしかけた」という話になっていますが、一方で、
「北条方が納得せず、名胡桃城をめぐって戦を仕掛けた」
という解釈も可能でして、微妙なところですね。この点は次回説明しましょう。

ラスボス・茶々登場!

かねてより、茶々(淀殿)のキャスティングがなかなか発表されず、気になっていたのですが、遂に登場しましたね。まさかの北川景子の1人2役でした。
知性と自制心を持ったお市とは対照的に、欲望の怪物に過ぎない茶々。
茶々の前では秀吉の存在感すら薄れていきそうです。

家康が戦う相手はあと2人。石田三成と茶々です。
前者は気が合いそうな相手で、後者は絶対に戦いたくない初恋の人の娘。
これは終盤も面白くなりそうですね。

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