【お悩み相談2】リーダーシップを発揮するには?(リトさん)
人生の悩みに歴史の知識で回答するシリーズ第2弾。
お悩みの募集は4月7日まで。
下記投稿の募集要項をお読みください。
さて、今回お答えするのはリトさんのお悩み。
なるほどなるほど。
これは難しい。というのも、リーダーシップの発揮の仕方って、人それぞれなのだ。
すぐに思いつくのは戦国3英傑。
カリスマ型の信長。
おちゃらけ型の秀吉。
聞き上手型の家康。
3者3様で、どれも正解。
現代にも多種多様なリーダー像がある。
AKB初代総監督の高橋みなみは、メンバーにいじり倒されながらも締めるところはしっかり締め、グループをまとめた。言わば秀吉タイプだ。
一方、それを引き継いだ2代総監督の横山由依はせっかちで短気。後輩たちを怖がらせてきた。言わば信長タイプだ。
最近3代目に就任した向井地美音は、自信なさそうに一歩一歩踏みしめて確認しながら後輩を指導する。言わば家康タイプだ。
つまりリトさんへのアドバイスは
「リーダーシップの発揮の仕方は、人それぞれです」
ということになってしまい、以上終了となる。
しかし、これではあまりに味気ない。
それなら逆の視点で
「リーダーとして、やってはいけないことは何か」
という観点なら、いろいろお話しできるのではないか。
ちょっとこの方向性で考えてみたい。
というわけで、失敗するリーダーの類型をいくつか挙げてみよう。
1 すぐ感情的になる
・小沢一郎は政治的センスは抜群だったのに、新進党党首のときに側近が次々と離反したため、政権を取ることができなかった。その理由は、気に入らないことがあるとすぐに怒鳴りつけるためだった。
・織田信長は(後世の創作エピソードの可能性が高いが)明智光秀の頭を叩いたり柱にぶつけたりしたため、後に裏切りを招いた。
とにかく感情的になるのはアウトだ。部下の信頼は得られない。
2 精神論・希望的観測に頼る
・長篠の戦いにおける武田勝頼は、周囲が反対する中で織田・徳川軍との戦いにあえて挑み、大敗した。「父から受け継いだ騎馬隊は無敗である」と、根拠のない精神論に捕らわれていたためだ。
・大坂の陣における淀君は、停戦協定を結べばそれ以上徳川軍が攻めてくることはないと思い込んでいた。「家康に豊臣家を滅ぼすつもりがあるはずがない」とタカをくくっていたためだ。
精神論や希望的観測は捨てて、あくまでドライに事態を把握し、決断しなければならない。
3 ひたすら細かい
・藤原頼長は当代一の学者で、その広範な行政知識は大いに評価されていた。しかし細かいことで次々と部下を吊し上げ論破するので、ひどく嫌われてしまい、保元の乱で瀕死の重傷を負った際、助けてくれる味方がおらず非業の最期を遂げた。
・菅直人は震災直後、「電源車69台を福島第一原発に向かわせました」との報告に対し、「その69台が今どこにあるかを全部教えろ」と指示し、首相執務室に運び込まれたホワイドボードで全69台の進捗管理を行った。細かすぎる管理ゆえに、報告のコストが高くなり過ぎて首相官邸は機能不全に陥ったといわれている。
リーダーにはリーダーらしい大局観が必要だ。
3類型ほど挙げてみたけれど、ここで気づいてしまった。
すぐ感情的になり、精神論と希望的観測を振りかざし、ひたすら細かい。
これ、東條英機やん。
(いや、以前お話ししたとおり、東條は人間的には決して悪い人ではないのだが)
というわけで、「東條英機の逆を目指せば良いリーダーになれそう」というのが私なりの答えである。
的確なお答えになったかどうか。
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