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【お悩み相談6】嫌なイジりにどう対応する?(ギア3さん)

お悩みに歴史上のエピソードで答えるシリーズ第6弾。
今回はギア3さんのお悩みにお答えします。

ギア3さんのお悩み

なるほどー。
「相手を楽しませるイジり」と「嫌な気持ちにさせるイジり」とは明確に区別されるべきですよね。
楽しいイジりは受け入れられるけど、嫌な気持ちになるイジりは拒否したいと。しかも、拒否したとしてもその場の空気を悪くしたくない、というわけですね。

今回は、一見相反する2つの方策を紹介してみたいと思います。

1 いじられキャラを武器にする

1つ目の方策は、「いじられキャラを武器にする」ということです。
いじられキャラであることを武器として人間関係を上手く回した人物が、豊臣秀吉です。

※以下に記す秀吉像は、江戸時代に書かれた『太閤記』の影響によるものが大きく、必ずしも本当の秀吉像に則っていない可能性もありますが、そこはご了承ください。

秀吉はよく知られているようにサル顔の小男であり、信長家臣団の中でも「サル」と呼ばれ侮られていました。
「織田四天王」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。織田家の家臣の中で特に有力な4人を指す言葉ですが、その4人とは
・柴田勝家
・丹羽長秀
・滝川一益
・明智光秀
であり、秀吉は入っていません。秀吉は当初、信長家臣団の中でさほど有力な人物ではなかったのです。

お調子者の秀吉は喜んで「サル」と呼ばれ、率先して働くことで先輩たちに可愛がられました。また、秀吉は先輩たちへのヨイショについて天才的なスキルを持っていました
秀吉がまだ「木下秀吉」と名乗っていたあるとき、日向守に推薦されることが決まりました。しかし日向守になるには新たな苗字を名乗る必要があります。

そこで秀吉が選んだ苗字は
「羽柴」
でした。
「羽柴」は「丹羽長秀」と「柴田勝家」から一字ずつ取ったもので、要するに新しい姓を名乗るついでに先輩を持ち上げ、いい気分にさせたというわけです。

こうした器用な人間関係スキルで、秀吉は次々と先輩の心をつかんでいきました。
秀吉は「いじられ」からの「ヨイショ」で上手くのし上がったといえるでしょう。
いじられることは、上手く使えば武器になり得るのです。

2 侮られないようにする

2つ目の方策は「そもそも侮られないようにする」ということです。

1945年のクリスマス。日本に君臨していたGHQの司令官・マッカーサーに対して、昭和天皇はクリスマスプレゼントを贈呈しました。このプレゼントを司令部に持ち込んだのは、終戦連絡中央事務局次長・白洲次郎でした。

白洲次郎(wikipediaより)

白洲がプレゼントを持ってマッカーサーの執務室に入ると、マッカーサーはちらっと目をやって
「その辺に置いといてくれ」
と床を指しました。これを聞いた白洲は
いやしくも一国の統治者からの贈り物を『その辺に置いておけ』とは何事か!
と怒鳴りつけました。マッカーサーは慌ててテーブルを用意させたといいます。

理不尽に対してはしっかりと指摘をして、筋を通すことが重要なのです。


2つの方策を取り上げましたが、重要なのはこれらを上手に組み合わせることです。
楽しいイジりに対しては、それをにこやかに受け入れて楽しく場を盛り上げればよいでしょう。そのついでに先輩をヨイショして、自分の評価が上がるよう振る舞えばよいのです。
一方で、理不尽なイジりに対しては、毅然と対応するべきです。つまり、
「それ、別に面白くないですよ」
とはっきり主張すればよいのです。それで一時的に場が白けたとしても、それは必要不可欠な主張であって、相手はすぐに理解してくれるはずです。
万一、それで理解してくれないような相手なら、関係を継続する必要はないかと思います。


人間関係の悩みは尽きないですよね。「これが絶対の結論」というものはありませんが、参考になれば幸いです。

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