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騒音とは 崇高で格式高い立派な音楽である

「騒音のない世界」というフリーのbgmサイトを偶然見つけました。becoさんという方が作成した音楽を無償で提供しています。とても完成度が高くて、聴いてて気持ちの良い音楽ばかりです。僕個人的にも好きな部類ですね。それに「騒音のない世界」ということもあって、音がとてもクリアでスッキリした音楽ですね。今度ぜひ使えたらと思います。

「騒音のない世界」というタイトルに気が惹かれました。becoさんはきっと聞こえる騒音を排除して純粋でクリアな音楽を聴いてもらおうと、この名をつけたのかもしれません。つまり音楽から不快な騒音を排除したいと。


音楽≠騒音という考えは音楽という概念の根幹にあるものですね。音による芸術、が音楽の定義です。それに対して騒音は、耳にうるさく感ずる音という定義がなされています。もちろんそれでは完全に両者は相対する存在ですね。

しかしジョン・ケージが1952年に発表した「4分33秒」という曲はその常識を覆しました。この曲の発表会は、ジョーン・ケイジがたくさんのメディアが見守る中でピアノの椅子に座り、4分33秒間座ったままピアノを弾くようなポーズをとったまま、何もしないのです。


無音


ピアノの音は聞こえない。聞こえるのは、ペンのカチカチする音や、ものが擦れる音、咳払いする音、様々な微々たる騒音でした。音楽事情は複雑なのでそこらへんは省きますが、ジョーン・ケイジは新たな音楽の形を作ったんです。既存の芸術としての音楽ではなく、騒音を聴く音楽を作ったんです。現代音楽はとても難しい。


それでなくても騒音と呼べるモノはあるはずです。第一最もピュアであろうアーコスティックギターの音ではなく、アンプを通したエレキギターの音は騒音とは呼べないだろうか?ギターから発せられた音を捻じ曲げて、叩いて、削って、加工して出来上がった音が騒音ではないと断定できるか?それに、バンドミュージックが嫌いならば、それらん音楽は総じて騒音なのでは?

音の芸術である音楽という存在の、音楽であると断定する枠組みなんて人それぞれです。芸術なのですから。結局は「好き嫌い」が「音楽」か「騒音」かを分けているんです。

しかしそういう考えも現代音楽ができてからですよね。200,300年前にこんな事いったら「何言ってるんだど阿呆、オーケストラ以外音楽とは呼べない」なんて言われちゃいそうですね。自由で、創造的な現代に生まれてよかった!

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