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私もあなたもはじめての、夏

子供を産みます。

あと数日か、それともあと数時間か。

この9カ月間、私の聞くことすべて、食べるものすべて、感じること全てを片時も離れず共有したわが子は、心地良かっただろうか。

パワーが有り余るほどある私は、とにかく何かしていないと落ち着かないので、暇さえあれば汗だくで草むしりしたり、大きな声でビヨンセを熱唱したり(ちなみにこの時かなりお腹がもぞもぞ動いていた)寿司や、少しのアルコールもほおばり、ケラケラ笑って、いわゆるマタニティーライフを楽しんだ。

妊娠中はあれもこれもダメと言われることが多いが、私は直感に従って子供と対話しながら決める事に徹底していた。世の中的には「えーー」と言われることが多かったと思うが、母体がストレスを抱えることが一番の禁忌だと確信していたのであえて我慢するのはやめた。面白いことに、食べたくないなーと思うものは調べてみるとあまりよくない物が多かったり、反対に無性に食べたくなるものは、その時期必要な栄養素だったり。おかげで母子手帳の毎回の健診の欄は「順調」しか押されなかった。薬も一切処方なし。

本当に、何に感謝をしていいのか分からないほど順調で、とにかくありがとうと言えるところには全て言いまくって、幸せと感じるべき瞬間は逃さず幸福に浸った。

そもそもこの妊娠は予言されていた。

「来年の秋には子供が生まれていますよ。」と、カナダのコーヒー占い師に言い渡されたのが妊娠の分かる2カ月前。同じ時に占ってもらった主人も別の表現ではあるが同じ様なことを言われたらしい。占い師は2人が夫婦というのは考えずに占っているから驚きだ。

妊娠が分かる3、4日前、しばらく行けないだろうとなぜか確信した私は一人旅に出かけ、一人でも楽しめると書いてあったジャズのかかるお店に入った。私は大人数での行動が苦手なのに、一人での旅行は物足りないというか、ぶっちゃけ寂しいというあまのじゃくなので、大好きなジャズをの店でもソワソワするだろうと確信していたのに、その時はなぜか(もうすでに)”一人じゃない”を感じていた。電車での移動中も「優先席に座る資格がある」となぜか感じた(笑)


そんな、タイミング的にも絶妙なわが子はこの世にもうすぐ産まれてくる。

私にも、この子にもはじめての夏だ。

何事も偶然はないと信じ切っている私は、わが子の顔も、性格も、進むべき道もだいたいは決まっているんだと思っているけれど、どうか毎日幸せで居て欲しいと思う。というか、どんな事があっても幸せと感じれる習慣をつけて欲しいと思う。


出産はドキドキする。

痛いーとか、それどころじゃないとか色んな人が言う。

でも(これも不思議な話)妊娠してから出会った方の内、数人が「幼児教育」や「アーユルベーダ」「母親教育」「助産師」などをしている方たちで、もちろん講習会に参加したわけでも、会いに行ったわけでもなく、たまたま偶然。(いや必然か。)そんな人たちは声をそろえて「本当に出産が気持ちいと感じる人もいるよ」と言ってくれる。「私もそうだった」と。

こういう言葉はすぅーっと体に入ってくる感じがする。

それからこれも

「出産はお母さんが頑張るんじゃない、子供も頑張る」

そりゃそうだ。私だけドキドキしててもしょうがない、まだ0歳にもならない私より力が弱い、社会経験0.00%の子供も同じくらい頑張るんだ。むしろ負けてられん。

ということで、

あと数日か、それともあと数時間か。

子供を産みます。



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