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雪が無い。
雪が無いと冬だと思えない。
生まれてこの方四十余年、私はずっと「試される大地」と呼ばれる北海道なる地に生息していた。
このまま試される大地で命尽きるまで過ごしていくはずが、ひょんな事から関西に移住してしまったのである。
修学旅行以外で県外に出たのは関西が初めてだったし、何度も遊びに来ているので割と見慣れた土地ではあった。友人も居るのでぼっち民になる不安は無かった。むしろ北海道各地に分散してる友人知人に会う方がなかなか難しい。
北海道って広いからね。
ところが実際に来てからどうにも物足りなさを感じてしまう事が有った。
なんで冬なのに雪が無いんだよ!
兵庫県や京都府の一部ではこんもり降るようだが、私が住んでいる場所には悲しくなるくらいに雪が降らない。雪を堪能しに降る地域に出かけたいと思っても、家人が猛烈な寒がりのため嫌がられてしまう。窮状を実家に訴えたらにべもなく、
「雪なんて無い方がいいべや(北海道方言)」
との一言。
そりゃ雪かきとか大変ですし、買い物行くだけでホワイトアウトしそうになるのは困りますけどね、雪が無いと冬になった気がしないんですよどうにも。チャーシューの入ってないラーメンみたいなモノなんです。
そうこうしている内に二度目の冬が終わって、二度目の春を迎えようとしている。大阪城公園に梅が咲き、気の早い桜も開き始めている。
うん、春はいいなこっちの方が。北海道の春はあまりにも短すぎる。どれくらい早いかというと、梅と桜がほぼ同時に咲いてしまうくらい短い。これは少々趣が無い。
その内雪の無い冬にも慣れてこの地に馴染んでいくんだろうか。でも、ヒョウ柄のスパッツや虎の絵がついたトレーナーを着るようにはならない。
しらんけど。
何やらサポートをすると私の体重が増える仕組みになっているようです