「手を失くした少女」ー少女というスピリット
PVのアニメーション凄まじかったのでつい本編に。
2016年のフランスのアニメーション映画で、監督のローデンバッハは自分一人で映画全体のアニメーションを描いたという。
キャッチコピーの通り「大人」のための童話を描いている。噂よりグリム童話はとても暗い話を物語っていると聞いているが、その通りの気がする。
少女が手をなくしたあとでも、山を越えたり、舌で水を飲んだり、頭を伸ばして梨を食べたり、口で赤ちゃんのおんぶを変えたり... 義手から解放される嬉しさとか。そういう少女の頑固さが大好き。日本アニメの少女ヒロインも、こういう所の性格が貫いているから、なかなか飽きないじゃないかと感じる。
出産のあと、おっぱいからミルクを出すのを楽しんでいるとことか。
息子とともにうんこする自然さとか。
普段のアニメでは出てこない、生々しい描写が出てくることが多い。
違う国の物語である者の、最初ヒロインの父が金を手に入れたこととか、お城から抜け出したいとか、「輝夜姫物語」に似たところも多い。
確かに、監督がその作品に敬意を表すであった。輝夜姫の悲しさは今でも残っているが。だって、彼女は負けないくらいワイルで自由な少女だった。
何といっても、ヒロインのが自由に我慢しなくていい、身体性を通して表してきたアニメーションがかっこいい。想像と感情を、流れる時間と空間と線と結びつく素敵なアートに思う。
昼間と夜の線の色の使い方も、不思議に思う。
後半のストーリーボードもどきどきする。「君の名は」にも負けない探しの物語。
本物の「グリム童話」読みたくなったな。
辛くなるときもあるが、この映画の中で自由で美しいものを見つけることを祈る。
映画のHP。
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