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よそ者こそが革新をもたらす〜トランプ大統領から箱根駅伝の青学原監督、是枝監督まで〜

箱根駅伝四連覇を成し遂げた青山学院大学の原晋監督の講演を聞き機会に恵まれました。一番驚いたのは、原監督は箱根駅伝に選手として出場したこともなければ、箱根駅伝常連校の出身でもないこと。また監督になる直前は10年間電力会社の営業をやっていて指導者歴に長けていたわけではないことです。しかし、原監督の組織づくりや人材育成の話を聞くと、むしろ原監督が箱根駅伝と縁がなかったこと、そして会社で得た組織作りの経験が、逆に革新的なチーム作りを成し得たのではないかと思うに至りました。そしてある言葉を思い出しました。

よそ者こそが革新をもたらす

これはトランプ大統領の選挙時に娘のイヴァンカ女史がOutsiderである父こそが旧態の政治に新たな改革を実現できると訴えたスピーチです。トランプ大統領自身の是非はともかく、このスピーチには何かを変えてほしいと思う者の心を掴むものがあります(1:36〜)。

Real change, the kind we have not seen in decades, is only going to come from outside of the system
本当の変革、何十年もなされなかったような変革は、既存の枠組みの外からのみなされるのです。

原監督はどうでしょう。原監督のチーム運営方針は当時の古い学生スポーツの世界では新しいものだったのではないでしょうか。箱根駅伝そのものが目的ではなく、駅伝を通じた社会との関わり方を謳っているからです。

①駅伝を通じて社会に役立つ人材の育成
②大学駅伝の体育大学のイメージの塗り替え陸上競技界のイメージアップ    ⇦陸上競技があって社会があるのではない。社会があって陸上競技がある。
③青山学院大学の一体感の醸成

選手の育て方も違います。一言でいうと「自主性」です。原監督自身も選手のときにそうだったのですが、監督が選手を怒鳴りつけて練習させるのが一般的。監督がいる前では練習するが、いないとサボる、そんな選手にはしたくなかったそうです。自分がどういう選手になりたいのか、どういう練習をするのか、目標と成果を何に設定するのか。そういうことを考えさせているそうです。

尊敬する是枝監督も、元々はテレビ、ドキュメンタリーの出身です。映画界の常識を持ち合わせていないからこそ、俳優からの意見に向き合い現場で脚本を変えていく、子役にセリフを覚えさせない子役の扱いなどなど、ある種のドキュメンタリー的手法で映画製作に革新を与えていると思います。

最近ではNewsPicksが素晴らしいビジネス書を出版していますが、彼らはビジネス情報に関するIT企業で、旧態の出版社ではありません。
それでは、小説などアートの領域での革新はどうなっていくのでしょうか。革新はこれからもたらされると期待しています。

公演後に思わず原監督の著書を購入してしまいました笑

是枝監督について詳しく知りたい方にオススメはこちら。裏表紙などが是枝監督のネタノートになっていて面白いです!


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