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娯楽映画のイマドキのあり方

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映画「グッドライアー 偽りのゲーム」(監督 ビル・コンドン)

日本ほどではないにしろ、先進国の高齢化は一様に右肩上がりで進んでいるようだ。世界保健機構(WTO)の定義では、高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口の割合)が7%を超えれば「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超で「超高齢社会」である。

既に28%を超えている日本はさしずめ超々高齢社会とでも呼ぶべきだが、イタリア、フランス、ドイツも超高齢社会だし、アメリカですら高齢社会に突入している。

そうしたなかで映画もだいぶ以前から、邦画に限らず洋画でも高齢または高齢者をテーマにした作品が増えてきた。当初は、高齢の主人公が若者と格闘しても余裕で勝っちゃうわ、若い絶世の美女にも滅茶モテるわ、みたいな──我々ジジイの願望を絵に描いたような──非現実的なものが多かった。

しかし、次第に主人公が高齢であることを直視した映画が多くなって、リアリティが伴ってきたように思う。もちろん、「PLAN75」や「ファーザー」のように、そこにダイレクトにファオーカスした映画も良いが、やはり映画は娯楽として楽しみたいものだ。高齢社会における娯楽映画の新しいあり方が期待される。

本作はその一つではないかと思う。こうしたサスペンスも、高齢者では無理のあるアクション主体から、彼らの知恵と経験が生きるようなものにできるはずだと、かねて思っていた。高齢者には積み重ねてきた時間がある。そのなかには、公明正大に他人に話せないものもある(因みに私にはたくさんある)。そうしたことをフックにした娯楽映画はいろんな形でできそうである。

画像引用元 YOSHI DESIGN

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