見出し画像

わたしのイスラーム観

みなさまご機嫌よう。もーやんです。

ある日、ニュースを見ながら呟きました。「イスラームは世界一女性を大切にするよね。守ってるって感じ」。「え、そう?」と旦那様は怪訝な様子。

きっと、イメージが悪いのです。女性は全身を布で覆い、男性ばかり外に出る社会。男尊女卑の権化のようで、一見近寄りがたいアラブ。

でも近い将来、キリスト教よりイスラム教を信仰する人が世界で一番多くなる、と言われています。4人に1人くらいだそう。

と、いうことは『人の悪口を言わない・聞かない』人が増えるということ。

日本でもムスリムは増えているし、モスクも建ち、ハラール認定の食品も見かけるようになりましたよね。実際、私自身も日本人ムスリムの知り合いがいます。今後も増えるんだろうなぁ。

そして、
世界で信仰されるということは、多くの人が共感する素晴らしい哲学があるということですよね。それを知る丁度良い本があったので、ご紹介します。

ようこそアラブへ ハムダなおこ著(国書刊行会)

〇概要

UAE人の方と結婚し、ムスリムとして日常を送る著者。旅や冒険が好きでアクティブな彼女が、どうやって頭にシェーラを巻く保守的な生活に慣れ、アラブ人をどう考えているのか。日本人をどう見ているのか。5人の子を育て、人種差別や舅の看護、姑問題、喜捨etc……読むほど面白いの。

実に興味深く、大人なら教養として読むべきだわ
また、教義も『なるほど…』と考えさせられるものばかり。人として見習いたいことが沢山。

あと、彼女が生粋の江戸っ子だということは、読むほど分かります( *´艸`)

〇"エレガンス"な男性と女性

「私が頼んでもいないのに。」

p.73

この言葉を読むだけで、分かります。
外ではシェーラ(頭を巻く布)やドレスで身を隠し、夫の所属として生きる彼女が暮らしを満喫し、幸せで、楽しんでいることが。

一見、アラブの女性は不自由で不幸で可哀想と思わされがちです。でも、そこから彼女たちを救おうなんて、ちゃんちゃら可笑しい。まさに「頼んでもいないのに」と一蹴されることでしょう。

不自由の代わりに「誰からも傷付けられない名誉と尊厳」を得て、
伝統と形式の中で「美」と「エレガンス」に感動して、
夫の所属になることで「財宝」として尊重され守られる。
そして「母」になると、神の掟で家族の誰も逆らえません。

。。。ちょっと、憧れます(*´ω`*)
正直なきもち。たとえ籠の鳥でも、穏やかで暖かく幸せだと思います。

飲み会なんか、粗野で下世話な話にうんざりすることがあります。
憧れのカフェに行こうとした日、しつこいスカウトに付き纏われて「わたしってそんなのに興味ありそうに見える?」と悲しくなったこともあります。
友達と電車に乗っていたら、目の前でおじさんがズボンのチャックを下げ始めたこともあります。

私達は、自由で楽しい日々と引き換えに、危険や脅威から自分で身を守り対処しなければいけません。世慣れた女は、悲鳴を上げて失神する危険を冒せません。ガタガタ震えるのは心の中だけで、舐められまいと頭から足までジロジロみて嘲笑し、ダンと立ち上がり、ガンを飛ばしながら友達の手を引いて逃げました。正解かどうかは置いといて( *´艸`)

アラブの社会においては、女性と男性の距離は保たれています。男性は紳士的に、女性も慎ましく。学校の保護者会ですら、隅々に配慮されているのだそう。その様を、著者は「エレガンス」という言葉で絶賛しています。

〇人として見習いたいこと

わたくしは、仏教や神教にあやかり、八百万の神やアニミズムを秘かに信じクリスマスも祝う節操のない日本人です。ついでに儒教の精神にも共感しています。さらに妖怪も居たらいいな、と思う柳田国男好きです。

それなのに、本書を読んでからはイスラームの良さも取り入れたいと考えています。てへ。

この感覚は、クリスチャンの友達にも、ムスリムの人にも理解してもらえないと思います。無礼を承知で、彼らに怒られないよう、こっそりとひっそりとそれぞれの良さを拝借したいのです。

・相手の名誉(メンツ)を守る

アラブの人々は、自分の名誉を守り、相手の名誉も大切にします。そのため、大勢の前で叱ったり、相手の責任を糾弾したりしないのだそう。

中学卒業の時、部活の後輩から改めてお礼を言われたことがあります。私は覚えていなかったのですが、どうやら、全体会議で不真面目な男子をガツンと言って黙らせたことがあるらしいのです。

当時は可愛い後輩たちにお礼を言われて鼻高く感じていましたが、今考えれば「あちゃ~。。。」です。
だって、その男子は女子ばかりに囲まれた中で面目丸潰れ。下手をしたら「何を怒られたか」なんてすっ飛んで「恥をかかされた」という感覚だけ根に持たれかねません。その上わたし覚えてないんだもの。

恋愛でも私はたくさん失敗していて、彼の面子をことごとく潰し、非を認めては徹底的に問い詰めて、謝らせ、結局泣かされて破局。

禍根は残ります。お詫びしても、失言は取り消せない。何を言われたか覚えているものだし、自分を傷付けた相手と信頼関係を結ぶのは難しいです。

ながーーーい目で俯瞰する忍耐強さを持ち、行動だけを注意しつつ、その人は傷付けない。問題に対処して、人を処断せずに次に備える。

・寛容さ

日本人はラッキーです。気候は温暖で、災害時も並べばご飯を貰えます。
だから平等でいられるし、礼儀を守っていられるのです。

でも世界には、冷房を付けても部屋は30度で、水道の水が60度を超えてすぐ飲めず、シャワーも浴びれない国があります。砂地に覆われ食料もわずかで、電気トラブルがすぐ起きて物事は計画通りに進みません。
そんな環境では、キビキビしない方が賢いかもしれません。一見不真面目でも、生きる知恵かも。

また、大勢の競争で勝ち残らないといけなくて、教師ですら不正や依怙贔屓を働くのです。
UAEに住む人の9割は外国人。優遇されるUAE人に次いで勝ち残るためには、少しでも身内にチャンスを与えようと誰もが動きます。

アラブの人々は、いろいろな場面で、いろいろな人のそれぞれの事情を考慮するから「寛容」なのだそう。ビジネスでも人間的な付き合いを大切にし、時間をかけます。

私はすぐ、「なんでこうなの!こうしてくれないの!こうした方がいいのに!」とキーとなり易いです。でも、「ハッ( ゚д゚ )これは私の事情で、相手にも事情があるのでは」と落ち着きたいですよね。

自分の考えと、相手の考えは違う。まずそこを思いやることから寛容さは始まります。

本書では、あらゆる場面での寛容の例が出てきます。そのどれも大切なので、ぜひ読んでみてくださいませ(*'ω'*)

長くなったので、一旦ここまで。
次回は、ムスリムの人々への配慮について考えます☆

↓続き


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?