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自分がフリーターだったからこそ気持ちがわかる【就職アドバイザー紹介-並木宏美-(前編)】

今回ご紹介するのは、ジェイック就職カレッジ®で就職アドバイザーを担当する並木宏美。過去に自身がフリーターだった経験を活かし、「どんな人にも可能性がある」をテーマに求職者の気持ちに寄り添った就職支援を続けて今年で18年目。
前編では、そんな並木の「やりたいことを見つける難しさ」を実体験したエピソードや、人生で一番落ち込んだフリーター期間について語ってもらいました。



優秀な姉と、常に比べられる私

私には、何でもそつなくこなしてしまう姉が2人います。3姉妹の末っ子だったこともあり、勉強ができてピアノも弾ける優秀な姉たちと比べられることが嫌で、幼少期はよく両親に反発しました。
中学校では運動部で青春を謳歌していた一方で、「お姉ちゃんよりいい高校に行きなさい」という親からの一言で一気に勉強への意欲を失い、とりあえず進学した高校の授業ではいつも寝てばかり…。
なんとなく入った部活のマネージャーも半年で辞め、唯一できた親友はまさかの高校中退…。
家では姉と比べられ、学校でも充実した時間を過ごせない私が唯一打ち込めたのは、高校から始めたアルバイトでした。


働くことの楽しさに触れた

オープニングスタッフとしてアルバイトを始めたことで、次々に後輩が生まれ、年上の後輩からも頼られるようになり、「自分が必要とされている感覚」にのめり込むようになります。

一生懸命働けば働くほど評価されて、次の仕事も任せてもらえる。

周りに認められて必要とされる感覚が嬉しくてバイトに熱中した結果、最年少ながら社員と同じ仕事を任せてもらえたときは、自己肯定感が上がったのを覚えています。


身近な大学生のイメージ

ところで、アルバイト先のスタッフには、高校生だけでなく大学生もいました。彼らは大学の授業をサボってシフトに入ることが多く、「単位さえ取れれば授業には出なくていい」というスタンスの学生ばかりでした。
そんな彼らを見て、高校生ながら「多額の学費を払ってまで大学に行く意味ってあるのかな?」と疑問に感じるようになりました。
だから身近な大学生が、授業をほっぽってアルバイトに明け暮れる様子を見て、「行く必要性が感じられない大学になんて行かない!」と決めていました。


進学したくないけれど

だから進路を本格的に考えなくてはいけない頃には、進学を希望する気持ちは皆無でした。なによりも働くことが楽しくて大好きだったので、卒業後はすぐに就職したいと考えていたのです。ところが、そんな私の想いとは裏腹に、両親は就職の進路に猛反対でした。

「せめて専門学校でもいいから、進学してほしい」

両親から必死の説得を受けて進路を考え直した結果、姉が専門学校に通っていたことや、クラスメイトが専門学校に通おうとしている話を聞いて、深く考えずに美容師の専門学校に進学することにしました。


何のための美容師免許?

専門学校には、個性的で素敵な同期が大勢いました。当時は”カリスマ美容師”という言葉が流行り始めた頃だったので、「最先端の街、原宿で美容師になって成功してやる!」と強い憧れを持って勉強に励む同期に囲まれて、専門学校生活がスタートしました。
ところがそんな熱心な同期とは裏腹に、親の顔を立てるためになんとなく入学した自分…。入学早々に周囲との温度差を自覚し、辞めたいと感じるようになりました。

ところがせっかく学費を出して通わせてもらっている手前、親には言い出せず、幸い専門学校ではそんな私を理解してくれる素晴らしい友人にも恵まれたことで、なんとか人並みには勉強を頑張れました。その結果、最終的に美容師免許を取得して卒業できることが決まりました。

ところが、いざ卒業後の進路を考えた時に、美容師になる自分を想像できませんでした。「美容師免許を取りはしたものの、本当にこれがやりたい仕事なのか…」とモヤモヤが拭えず、進路を決めあぐねていたのです。


恩師にかけられた言葉

そんなある日のこと。中学校の同窓会があり、部活の顧問だった恩師の連絡先を教えてもらいました。そしてメールで「美容師になるべきか、別の道に進むべきか悩んでいる」と進路の相談をしました。
ちなみに進路相談といっても、内心は「十中八九、『せっかく免許を取得したのに美容師にならないなんてもったいない』と言われるんだろうな」と考えていました。ところが先生から返ってきたメールは、意表を突いた内容でした。

「やりたいことを探してみてもいいんじゃない?
やりたいことをやらなきゃ並木らしくないよ。」

全く予想だにしていない返信内容に驚いたと共に、親にも理解してもらえなかった自分を初めて理解してもらえて、泣くほど嬉しかったことを覚えています。”大人・教師としての正論”をふりかざすのではなく、”私のことを心から想っての言葉”が、とにかく嬉しかったのです。
この先生の言葉が私にとって転機となり、美容師以外の道を選ぶ決心を固めて、専門学校を卒業しました。


やりたいことが見つからない

やりたいことを見つけるべく、卒業してからはアルバイトをして過ごしました。しかし、時間はあっという間に過ぎるもの…。フリーターとして生活を始めて半年が経過しても、特にやりたいことは見つけられませんでした。

やりたいことなんて一生見つからないかもしれない…。

そんな焦りばかり募っていきました。そもそも、専門卒の自分には美容師以外の職業がわかりません。唯一思い浮かぶのはOLの事務仕事くらいですが、なんだかしっくり来ない…。
美容師の専門学校を卒業したのだから当然ですが、同期のほぼ全員が美容師として働いていて、フリーターになったのは私くらいです。だから「美容師以外の就活のやり方を知ってる?」なんて質問に答えてくれそうな同期は一人もおらず、孤独感だけが増すばかりでした。
将来への漠然とした不安や、「これからどうしよう」と答えが出ないモヤモヤが頭から離れず、明け方4時まで寝付けない日々が続きました。


実家にいても、居場所がない

頭の中は今後のことでいっぱいですが、就活のやり方がわからず、実際に就活に踏み出すことはできませんでした。だから日中自宅にいると、一緒に住む両親からは「毎日家にいて何をしているんだ」と、圧力をかけられます。ところが外に出ると「働きもせずにどこをほっつき歩いていたんだ」と嫌味を言われる日々。
そんな口うるさい親と顔を合わせたくなくて、親が仕事に出かけてから起床し、無人のキッチンでこっそり残りのご飯を食べ、親が帰ってくる前にアルバイトに行き、親を避けるように過ごしていました。

加えて、当時は絶賛就職氷河期…。リビングのテレビから「就職氷河期が…」と聞こえてくるたびに、気まずい思いでいっぱいになりました。就活の仕方がわからず孤独で、両親との仲は最悪で、八方ふさがり。今思い返しても、フリーターだった頃が私の人生の暗黒期でした。


フリーター時代の就職活動

就職活動のやり方はわからないものの、「何か行動しなくては」という焦りは常に感じていました。だから、自分なりにどんな仕事がしたいのか、何を大切にしたいのか真剣に考えてみたところ、「表面的にではなく、人と深く関われる仕事で、人から感謝され喜んでもらえる仕事がしたい」という一つの軸が見えてきたのです。
そうして、求人誌のフリーペーパーに目を通していたある日、「人の話を聞くことが好きな人募集」と書かれた求人が目に飛び込んできました。なぜかわからないですが、そのフレーズがとても気になって仕方がなくなり、その日たまたま会う約束をしていた友人に話題を振ってみました。

すると、その友人は竹を割ったような性格だったので、「気になるなら応募すればいいじゃん」と促してくれました。そこで、その場で再度求人を確認すると、当時21歳だった私は募集年齢の対象外…。しかも応募締め切りはなんと今日まで…!
それでも、「初めてピンと来た求人のチャンスを逃すまい」と、その場で募集先の企業に電話をかけると、意外なことにとんとん拍子で話が進みました。だから面接の準備をするべく、慌てて友人にスーツを借り、髪を黒染めし、「とにかく仕事がしたい!正社員として働きたい!」という気持ちで選考に臨んだ結果、入社したのがジェイックでした。


後編へ続く

美容師の免許を取得したものの、将来の進路を決めかねていた並木。恩師の言葉で人生の転機が訪れ、自分の「やりたいこと」を探そうと決意しますが、一向に見つかりませんでした。しかし、ある日思い切って行動したことで、暗黒期とも思えたフリーター生活を抜け出します。
後編では、並木が印象に残っている求職者とのエピソードや、「どんな人にも可能性がある」というメッセージの真意に迫ります!



後編はこちら!


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