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子どもの物覚えとAI技術の物覚え

 最近、子どもが単語を少し話せるようになったり、テレビで流れるダンスに合わせて踊れるようになってきました。色々なことを物覚えし始め、自分でやってみるようになった様子を見ていて、子どもの物覚えとAI技術の物覚えの違いを考えてみたら面白そうだと思い、今回のnoteにまとめてみました。


目次 
・子どもの物覚えの仕方 
・AI技術の物覚えの仕方 
・人は個性的に、AI技術は効率的に

○子どもの物覚えの仕方
 まず、子どもはどのように物覚えをしているのか、その仕方を観察しました。当然ですが、1才少しの子どもは最初に言語を理解し、その通りに行動することは出来ません。徹底した行動のマネから始めます。さらに、単にマネするのではなく、自分が楽しいと思えるやり方をたくさんします。お皿を投げる、化粧瓶を咥える、机に線を書く、といった大人にとってはヒヤヒヤで安全確保と掃除が大変なやり方をたくさんします。
 そうした中で、当然ですがお皿が割れたり、化粧瓶を咥えて美味しくなかったり、机に線を書いて大人に別の物に書くよう誘導されたり、といった自分にとって痛い・不機嫌・思い通りにならない経験を得ます。こうしたことを何度も何度も(大げさではなく、100回くらいはやっている感じです)繰り返す中で、正確に行動出来るようになります。言葉についても同じで、単語を様々な場面で発して、その時々の大人の反応を観ることで単語と物・場面の繋がりを少しずつ覚えていきます。
 このように、子どもは主体的に色々な仕方でマネをして経験を積むことで物覚えをします。

○AI技術の物覚えの仕方
 次に、AI技術の物覚えの仕方を調べました。AI技術には様々な種類がありますが、大まかには大量のデータを取り込んで、共通する要素を取り出し記録します。その後、提示されたデータを分析して記録した要素に適合するか否かを判定し、最終的な結果を出します。
 例えば、食事の際にお皿は料理をのせておくもの、という状況のデータをたくさん読み込ませば、「お皿・料理・のせる」という要素を記録して、お皿を提示された時は料理をのせるもの、という結果だけ出してお皿を投げるという結果は出しません。犬という単語と犬の画像をたくさん読み込ませば、犬の画像を提示すれば「犬である」と判定し、別の動物の画像だと「犬ではない」と判定します。
 このように、AI技術は受動的に与えられた大量のデータを元に判定ルールを作り出し、以降はルールに沿って個別の案件を判定し、結果を出力するという物覚えをします。

○人は個性的に、AI技術は効率的に
 子どもとAI技術それぞれの物覚えの仕方を比べてみると、子どもは主体的にマネをして、たくさん失敗をしながら正確にできるよう物覚えをしていき、AI技術は受動的に与えられたデータを元に学習して正確にできるよう物覚えをしていきます。
 効率的に正確に物覚えできるのは、圧倒的にAI技術の方が有利です。なぜなら、AI技術は与えられたデータに対して自ら何かを考えたりせず、先に設定されている通りに分析して記録し、提示されたものをまた分析して結果を出力するだけだからです。一方で、個性的なやり方や結果を習得できるのは子どもになります。子どもは、そもそも主体的に覚えるものを選択して、かつ覚えるためのマネの仕方を自分の気分や考えに合わせて変化させ、たくさん試すからです。AI技術と比べて、正確に物覚えする点では全く効率的ではありませんが、正確なだけでなく個性的なやり方や結果も習得することができます。
 今後、何か物覚えが必要となった時は「正しいだけでなく個性的なやり方や結果も欲しい」ならば子どものやり方を、「とにかく早く効率的に正しい結果が欲しい」ならばAI技術に頼るのが良さそうです。

 皆さんはどう思いますか。
 

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