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「業務改善」はとても難しい

 今年度、勤めている会社で「経営改善の一環として業務改善を意識的にやろう」という指示がありました。こうした指示の有効性は一旦置いておきますが、いつも業務改善はなかなか上手く出来ないという印象があります。今回のnoteでは、業務改善がとても難しいのはなぜかを考えてみました。


「業務改善」という仕事を入れられない

 まず、「業務改善」とはそれだけで1個の独立した仕事になると思います。通常業務の中で付属して一緒にできるものではない、ということです。完全に別の仕事として、業務改善用の時間・気力・体力が必要になります。しかし、勤務時間は今の通常業務を完遂するのでいっぱいになっており、業務改善用の時間等が取れず、後回しに後回しを重ねて結局出来ない、ということが良く起きているのだと思います。
 そうなると、まずは業務改善用の時間・気力・体力の確保をする必要がありますが、後述するように今に最適化して硬直してる状況では、とても難しいと言わざるを得ません。

今に最適化して硬直してる

 勤務時間が今の通常業務を完遂するのでいっぱい、というのはどういう状況なのか。私はこの状況を「今に最適化している」と呼んでいます。最適化していると言っても、それは仕事で高い成果を上げることに、ということではありません。色々と不満はあっても、それで仕事は進むし、ある程度の成果も出ている、さらに周りの人に対して今までと同じだから依頼しやすく、コミュニケーションのコストも小さい、という一見して今感じるストレス(面倒ごと)が少ないことに最適化している、ということです。
 ただし、実際には問題が起きるし対処に留まってしまい解決にはならない ので何度も繰り返し起きる、本当に効率的な働き方ではないため悪い忙しさが続いてしまう状況にあります。これも分かってはいるのですが、この最適化した状況を変えるのは、大変な時間・気力・体力と面倒ごとへの立ち向かいが必要になります。これこそ本当の「業務改善」と言えますが、間違いなく今よりも一時的に業務状況は悪化します。そして、仕事は自分一人だけで完結しているものは少ないため、他の関係者の方々も巻き込まなければなりません。つまり、他の人も同様に今よりも一時的にでも業務状況が悪化するということです。これは非常に難易度の高い仕事だと思います。

イノベーションはなおのこと

 業務改善は、それ自体で一個の仕事であり、かつ業務改善するために通常業務の見直しをすることが大変困難である、ということが分かりました。そうなると、業務改善よりさらに進んだ業務革新、いわゆるイノベーションはなおのこと難しいでしょう。
 イノベーションは、新しいお客さんを創造する行為であり、同時に新しい業務を創り出す行為です。新しい業務を創り出す過程において、既存の通常業務を破壊(止めたり、全く違うやり方にしたり)することもあるでしょう。そうなると、先述したとおり他の関係者との今までの関係性も破壊することになります。この関係性について、なあなあで放置していたことが表に出て解決に大変な労力が必要になることもあるでしょう。
 業務改善は、まだ通常業務に追加するイメージですが、イノベーションは通常業務の破壊につながるため、より難易度の高い仕事にならざるを得ないと思います。

 皆さんはどう思いますか。

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