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自分に起こった感動した話

 人には「虫の知らせ」と呼ばれる能力のようなものがあると言われていますが、私の場合は今年の1月に「虫の知らせ」で何かを察知していたのかと今になっては思っています。

 通常なら毎年1月と2月は私にとっては展示会の季節です。今年の1月というのはドイツではまだコ口ナなどというのは名前さえそれほど広がる前で、2月くらいになってやっとイタリアでなにかウイルスが広がっているらしいという程度の認識でした。いつも2月に自分の商品で出展しているベルリンの展示会で、私は何を思ったのか「私はこの回が最後でもう次は来ない」と近隣のブースの知人やお客様にご挨拶をしていました。

 このベルリンの展示会は年に数回、私は必ず出展しています。もう何年も出展しているので出展者同士かなり仲が良く、いつも楽しみにしています。またベルリンと私の商品の相性がいいようで、私にとってもヨーロッパで一番と言えるくらいとても成果がある展示会でした。

 でもなぜか「うん。もう納得。次に進もう」と、何か予定や考えがあるわけでもないのにそう思い、知り合いにお伝えしました。

 すると愛すべき出展者仲間、どうされたかというと、私の商品を皆さん注文に来てくれたのです。「ジェイドちゃんそんなこと言わずに次もおいでよ」「そういえばこれ欲しかったんだ。買うね」「共同で出展なら来れる?」(←出展料の心配してくれているのだと思います)とかとか、とかとか。
 ちょっと言葉がないほど感動して、もしかしたら自分は何か大きな間違いをしたのではないかと思うくらい嬉しくて、感動しました。

 もう何年も一緒に出展している出展仲間です。私は色々な国や場所で出展してきましたが、こんなにみんなで仲が良い展示会は他にはありません。出展者同士というのは、普通の言葉でいえば「競合相手」でもあります。このようなクリエイターが集まる展示会で、こんなに出展者仲間が買い付けに来てくれることは、稀だと思います。

 その同じベルリンの展示会は、今年は9月には結局開催されませんでした。みんなどうしてるかな。多くの展示会やメッセが半年もキャンセルになり、大変な状況に追い込まれている人も多いのではないかなと思ったり。

 2月には私は文章に書くことができず、結局このように、私は今になってやっとその時に嬉しさをやっと書くことができるくらい、皆さんの気持ちが嬉しくて心に染みました。

 自分で強制的に環境を変えたとはいえ、やはり仲間が少し恋しいです。
私は全くの別件でもうすぐベルリンに行く用事がありますが、いつもみんなで夜ご飯を食べに行ったお店に、行こうかな。

 例年なら私もクリスマスの商品を揃えるのにかなり忙しくしているころです。今年は私は片付けに追われています。ウイルスの影響もあるけれど、本当に自分も周りも変わったなぁ…と実感し、自分の「虫の知らせ」や今までの生活にも思いを馳せる秋の日々です。

  

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