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アイルランドの人材管理SaaS「Workhuman」が資金調達、ユニコーンに。1999年に創業した「ピアボーナス」の先駆的サービス

アイルランドに2社目のユニコーンが誕生したようです。

ダブリンとマサチューセッツに拠点を置く人材管理SaaS企業「Workhuman」がIntermediate Capital Group(ICG)から1.2億ドルを調達し、評価額が12億ドルに達しました。(ICGは10%を取得)

アイルランドに拠点を置く企業としてはIntercomに次いで2社目となるユニコーン企業です。

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WorkhumanはEric Mosley氏らによって1999年に「Globoforce」の名称で創業されました。

Workhumanは社内文化の形成とコミュニティ活性化を重視しており、社員同士がリワードを贈り合える「Social Recognition」を提供しています。

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コミュニケーション機能やプロダクトローンチ、ライフイベントといった記念日管理ツールも備えており、コミュニティ・エンゲージメントを高めるための施策検討に活用可能。獲得したリワードは連携するショップで商品と交換することができます。福利厚生の一環ですね。

Wrokhumanの利用データによれば、60日に1回以上同僚から感謝のメッセージを受け取ることで従業員の離職率は半分になったそうです。心理的安全性スコアは80%以上も改善したとのこと。今年4月の売上は前年同月比+40%増加したといいます。

顧客にはLinkedInやCisco、Intuit、P&Gなどがおり、Johnson & JohnsonやMerck、AstraZeneca、Modernaといったワクチン開発に取り組む製薬企業もWrokhumanのサービスを導入しています。


社員同士のリワードといえば、日本ではFringe81が「Unipos(ユニポス)」を運営しています。

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Fringe81 2020年3月期通期決算説明資料

Uniposは2017年に始まったサービスで、社員同士が感謝のメッセージとピアボーナスを贈り合うことができます。

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従来の賞与は査定や支払いのタイミングが限られ、金額を決めるのが上司というのが普通です。Uniposであればリアルタイムで報酬が発生し、今まで隠れていたような成果も対象となることが特徴です。

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ビジネスモデルは一般的なサブスクリプション・サービスと同様で、Fringe81は1アカウントあたり700円〜の利用料金を受け取ります。

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導入社数は前年比+109%増の370社、社員アカウント数は+107%増の4.4万人に拡大。メルカリやマネーフォワード、ZOZOや伊藤忠商事の一部に導入されています。

継続率は99.1%と高い水準を維持しており、2020年3月期の売上は3.19億円と倍増しました。

Workhumanは2014年にIPOを検討しましたが、そのときは市況が悪く断念したとのこと。すでに利益が出ていてキャッシュフローがプラスであったため、資金調達は必要でなかったそうです。

ただ、今回の資金調達によって小口投資家にEXITの機会が与えられ、経営体制が効率的に。IPOの選択肢も生まれたと語っています。

リモート下で従業員同士のコミュニケーションに新たな課題が生まれた中で、WorkhumanやUniposのような組織エンゲージメントを高めるようなツールのニーズも高まってくるかもしれません。

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