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"The Internet"の終わり。インターネットの4類型

インターネットは1つしかないので"The Iternet"であるとはよく言ったものですが、ここ数年で状況は大きく変わってしまったようです。

こちらの記事では現代のインターネットを4つの型に分類しています。

アメリカモデル

自由放任主義。市場が、競争が正しい。自国企業が成長すれば恩恵を受けるが、海外企業に市場を支配されてしまう懸念がある。税制次第では海外企業に対する課税を十分に行なえず市場を搾取されてしまう構図が生まれる。

中国モデル

情報統制による市場の線引。参入規制。Great Firewallによるメリットは国内市場が大きい場合に限って享受できる。イランは競争環境に乏しく市場、サービスの発展ペースが遅い、品質が低い。

ヨーロッパモデル

規制による監督体制。行動制御。ユーザーの安全等は守られる。企業行動が抑制され、市場の成長スピードが鈍化する。サービスの発展に限界が生じる。

インドモデル

デジタルとフィジカル空間の分断。デジタルについては自由市場であり、誰でも参入できる。しかし、実体経済については厳しい外資規制や関税障壁を敷いて国内産業を保護しようとしている。したがって、Eコマースを筆頭に物理的なモノとの結び付きが強い板ーネットサービスの運営は非常に難易度が高い。

次なる時代の鍵を握るJioという存在

分断が起きつつあるインターネットの世界において、今後の鍵を握りそうなのが「Jio Platform」です。

Jioは参入わずか4年でインド通信キャリアNo.1に。2020年に入って200億ドルというとんでもない金額を調達し、世界中から注目を集めました。

Jioはブロードバンドやデバイス、クラウドからIoTプラットフォーム、コミュニケーション、コマース、あらゆる領域に参入しています。もはやインドにおいてはインターネット=Jioというレベルに達しそうな勢いで支配力を高めている状況。

FacebookやGoogleが巨額出資する背景にはインド市場にエントリーするという思惑も強いようです。

上述の通り、インドは外資規制が非常に厳しく事業拡大は容易ではありません。そこで、インド市場を支配するJioとの関係を構築することによって世界最大のポテンシャルを持つマーケットに入り込みたいという感じです。

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Jioの親会社リライアンス・グループはモディ政権と密接な関係にあり、Jioは政府としてのデジタル構想、5G構想を担う最重要企業として位置付けられると見られます。

Great Firewallを築かれてしまい中国に入り込めなかったアメリカ。EUは規制で雁字搦めで市場が縮小。残された巨大市場・インドの門が閉じる前にJioとの橋をかけようとしているのが一連の巨額マネー注入という印象です。

インターネット世界と実体経済の境界線はもはやなくなってきているので、地政学的なコンディションとの結び付きが強まっているのは自然な流れなのかなと。世の中が新たな世界観に突入した感じがあり、ワクワクします。

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