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フェデラーも株主のスイス発スポーツブランド「On」がIPO準備との噂。直近の評価額は21億ドル

スイス生まれのスポーツブランド「On」がIPOに向けて準備しているようです。

スイスの報道機関「NZZ」や「Sonntag」によると、来年の夏か秋のIPOを目指しているとのこと。まだ上場準備は初期段階です。

Onは2010年、スイス出身の3人組によって2010年に設立されました。

On_-_オン|スイス生まれの高機能ランニングシューズ&ウェア

On

デュアスロン競技で3度世界チャンピオンとなり、数々のアイアンマンレースで優勝してきたオリヴィエ・ベルンハルド氏、友人のディビット・アレマン氏とキャスパー・コペッティ氏が新しいランニングシューズの開発を構想したのが始まり。

試作品が完成し、翌年にスイス連邦チューリッヒ工科大学(ETH)との共同研究で、Onのシューズを履いて走ったテストランナーのランニング中の脈拍数と血中乳酸値が著しく低かったことが実証されました。NIKE「フライ」シリーズを筆頭とする厚底の先駆け的存在といえます。

2012年にレース用シューズ「Cloudracer」を発売し、プロのアスリートにも提供を開始しました。2013年11月にハワイ・コナで開催されたアイアンマン選手権では、ベルギー出身のフレデリック・ヴァン・リエルドが新モデル「Cloudracer2014」を着用して優勝を果たしています。

2014年には当時世界最軽量のランニングシューズ「Cloud」をリリース、2015年には日本にアジア支社を開設して世界展開を加速します。その後もトレイルラン用シューズやアパレルなど商品ラインナップを拡大していき、世界50ヶ国700万人以上に愛されるブランドに成長しています。

2019年11月にはテニスプレーヤーのロジャー・フェデラーから出資を受け、評価額は21億スイスフラン(21億ドル)に達しています。

最近はジム閉鎖や巣ごもりの反動でランニングブームという話も聞いたりします。

ベンチマークとなりそうなのはアンダーアーマー。

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Under Armour Reports First Quarter 2020 Results

フットウェアの売上構成比は25%程度、年間10億ドル以上の売上がありますが。1Q時点で北米、アジア太平洋を中心に大幅減収に見舞われています。

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株価はピーク時の1/5以下まで下落していて、2020年7月10日終了時点の時価総額は41億ドルです。

昨今は従来型のアパレル企業にとっては厳しい事業環境となってしまいました。Onの動きを見ると、ロコンド×ヒカルのP2C(Person to Consumer)戦略に近い路線なのかなと。そのほか、LululemonがMirrorを買収したり、Pelotonがアパレルも展開していたりと、アイテムだけで完結せず利用シーンまで統一した体験を提供するスポーツブランドが増えているのも気になる動き。こういったタイミングでブランドの序列が入れ替わっていくのかなと思ったりもします。

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