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「ソダシ」と「元カレ」の心模様

 6月9日、日本中央競馬会(JRA)はとある制裁を発表しました。

 騎手 吉田隼人は6/4、競馬開催期間中に阪神競馬場の調整ルーム(公正確保、不正防止のため、競馬開催中に騎手が1人で宿泊する施設)内の備品を損壊したことが確認されました。よって、2023年6/24~6/25の2日間の騎乗停止としましたので、お知らせいたします

 吉田隼人騎手といえば、白毛のアイドルホース「ソダシ」のパートナーだった騎手で、デビューから昨年11月のGⅠ「マイルCS」までコンビを組んでいましたが、今年に入り2戦は別の騎手が彼女のパートナーを務めていました。

  6/4といえば、ソダシが東京競馬場でGⅠ「安田記念」に出走していた日。鞍上には現在勝利数トップをひた走る、川田将雅(かわだゆうが)騎手の姿がありました。結果はいつも先行の型を貫きましたが、最後の直線で失速し
7着。今まで芝のマイル戦では全て3着以内でしたが、キャリアワーストの着順となってしまいました。

 そんな彼女の結果を見てなのか、騎乗できなかった悔しさからなのか、吉田騎手はこの日の全レース終了後に、調整ルームの備品を損壊したそうです。「俺だったら、俺が乗っていたら……。」もちろん推測にすぎませんが、想像できる域だと思います。もちろん、物を壊すことはいけないことですが。

 そして、その安田記念に出走していたソダシも、私の眼にはいつもの彼女には見えませんでした。勝気の強いソダシは、レース前から気合を乗せ、本馬場入場で、ある程度のウォームアップ済ませると、すぐに臨戦態勢に入る。レース、勝ちに対して真面目で、そんな戦闘モードを害するものなら、「走らないわよ‼💢」と強い主張で気難しさを垣間見せます。かわいい印象をお持ちの方が多くおられると思いますが、根は非常にストイックというのが私が持つ彼女の印象です。
 
 今回の安田記念では、レース前から落ち着きすぎている、引手の人間に引っ張られていて、気合に乏しい……。ウォームアップ後はすぐにスタートゲート近くの待避所に自ら向かって臨戦態勢に入るのに、何度も立ち止まり、遠くを見つめるソダシの姿……。レース直前にはいつもの勝気のソダシに戻っていましたが、レースに向かうまでの過程がいつもの彼女とは全く違っていました。
 
 レースに負けた彼女を見て私が思ったのは、今回を最後に厩務員を引退されるソダシの担当厩務員、今浪隆利(いまなみたかとし)さんのことを想っていたのかなと私は感じていました。勝負事ですので、お金が動いている賭け事ですので、あってはいけないのかもしれませんが、そのような心境があったのかもと思っていました。それに加えて、もしかしたら彼女自身、こう想っていたのかもしれません。「やっぱり、私には隼人さんが……。」と。

 安田記念が終わったのが6/4の15時44分頃、そして吉田隼人騎手が事を起こした(と思われる)のが、約一時間後の16時45分~17時頃(推測)、ということを考えますと、彼が上記のような心境になったのは想像に難くないと私は改めて思います。そして、ファンの中でも「ソダシ・吉田隼人騎手の再コンビ論」というのは変わらず根強くあります。勝負事を抜きにして、私も、もう一度このコンビを観たいと思っているひとり。実現は難しいかもしれませんが、今回の吉田隼人騎手の件で、様々な想いが巡りました。
 答えは出ないかもしれません。私はソダシと吉田隼人騎手は「相思相愛」だと今でも思っています。
 

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