コメント → 【野村泰紀にきく】宇宙がたくさん存在する可能性とは

マルチバースで有名な、カリフォルニア大学バークレー校教授、バークレー理論物理学センター長 野村泰紀先生の動画についての、私的なコメントです

(記事について)
「超弦理論の方程式を調べていくと、コンパクト化された6次元のかたちの種類は10の1000乗、10の10000乗にもなることがわかります。」
→「座標3次元と波数3次元(シンプレクティック構造)」
 あるいは
 「期待値3次元(=座標)と偏差(=波数)3次元」
→量子トポロジカル相

(動画はここから)
07:52 「量子エンタングルメントから創発する宇宙」からすると、(離散化されたイメージでの)時空(または真空場)の間の距離がハッブル定数より大きくなると、エンタングルメントが自動的に消滅する(量子相関が無相関になる)ので、時空の計量テンソルが存在しない、時空が消滅する、ということにならないのかな?(無相関なので、因果律も成立しなくなるので、事実上(事象の地平面内部のような)「別世界」?)

10:05 エネルギー運動量テンソルと「量子計量」「量子幾何テンソル」(上と同じく、エンタングルメントから生じ時空の計量テンソル) 「ゲージ/幾何双対」「情報/幾何双対」
統計学的「交互」作用項・「偏差」のパラメータ空間・次元の呪い → 重力/(数学的またはパラメータ)空間曲率

14:37 座標xと波数kから成るシンプレクティック構造が持つ「情報不等式」の下限、1bitのエントロピー(フィッシャー情報量の逆数・逆温度)
 1bitのエントロピーと超選択則、超選択則と複素構造(保存則・不変量)、シンプレクティック構造と複素構造、複素構造と量子計量テンソル・情報幾何計量テンソル
→ケーラー多様体/カラビヤウ多様体

※超選択則 → https://note.com/quantumuniverse/n/n3e9f1056fcca

18:54 座標xと波数kから成るシンプレクティック構造が持つ1bitのエントロピー(フィッシャー情報量の逆数。エントロピーも情報量も、無次元量)=ホログラフィック
エントロピー表示だと「負の空間曲率」、逆数である「フィッシャー情報量」表示だと(情報量は対数なので、逆数=正負の符号の反転なので)「正の空間曲率」

ド・ブロイ方程式による 「空間波数k -> 運動量p/h」 への変換と「プランク定数による物理次元の付与」
アインシュタイン関係式による 「時間周波数ν -> エネルギーE/h」 への変換と「プランク定数による物理次元の付与」

20:51 「期待値」の次元と、(上のプランク定数の付与によって、期待値に対して、極端に小さくなる)「偏差」の次元、から成る「パラメータ空間」

21:56 丸まった次元 → 複素構造(とシンプレティック構造)に基づく「複素平面波」としての波動関数
6次元の色んな形 → 量子トポロジカル相、チャーン数

28:05 赤い泡・青い泡 → この泡宇宙のブラックホール(事象の地平面)の中に、別の泡宇宙ができて、更にその中でまた新しいブラックホールができて、その中にさらに新しい泡宇宙ができて・・・
※重力が強くなる = 空間曲率が大きくなる = エネルギー運動量テンソルが大きい = 量子計量テンソルが大きい = 時空の計量テンソルが大きい → 空間の定義{計量テンソルに含まれる空間次元の基底ベクトルの大きさ}が(親の泡宇宙での空間の定義に比べて)大きくなり、固有時間の定義{計量テンソルに含まれる固有時間次元の基底ベクトルの大きさ}が(親の泡宇宙での時間の定義に比べて)小さくなる(光速不変の原理、光速定数、ミンコフスキー計量)

※※事象の地平面の内部でも「強い等価原理」が保証されていれば、局所的には(ブラックホールの中心からの重力が存在していない)ユークリッド計量として扱える(あるいはリンドラー座標系によるウンルー効果による、環境系での熱浴の発生として扱える → 事象の地平面内部側の視点でのビッグバン)ので、親の泡宇宙における通常の(曲がっていない・重力の影響を受けていない)時空と物理現象は同じ。

30:42 千発以上打てば、一個は入るだろう → 低確率な確率事象ほど、生起した時には、膨大な「自己情報量」を生じる( 確率p → 情報量I = log p )
10の500乗もの確率事象(泡宇宙)が含まれている(量子)確率分布から、一つの確率事象(私たちの泡宇宙)が生じたときには、log(1 / 10^500)もの「自己情報量」が生じる。

★情報熱力学での「ランダウアーの原理」では、情報量の消去は熱(エントロピー)へ変換される(kT ln2) → (情報熱による)ビッグバン

親の泡宇宙の中に、子の泡宇宙が生じる = 子の泡宇宙の内部の視点からは、親の泡宇宙との(量子)相関が切れる・無相関になる・エンタングルメント(=相互情報量)が消滅する・相互情報量の消去 → ランダウアーの原理による熱の発生

※もともと「エントロピーを低下させるものが情報量である」という側面がある以上、「情報量の消去」が行われれば「(情報量の存在によって)低下していたエントロピーが、元に戻る、つまりエントロピーの上昇」は当然の結果。
※※相互情報量=エンタングルメント/量子相関=創発する時空(時空計量テンソル)=重力(複数の計量テンソル間の空間曲率)   
子の泡宇宙の発生 = 親の泡宇宙との因果律・量子相関の喪失 = 相互情報量の消去 = 情報熱の発生 = ビッグバン
インフレーション = (親の泡宇宙側での)重力による「時空の計量テンソルの大きさ」の増加(テンソルに含まれている、空間の次元についての基底ベクトルの大きさの増加)
情報熱力学第二法則/エントロピー増大則 = エントロピー増加/情報量の減少/相関の消失

★重力も情報熱力学第二法則も、両方ともエントロピー・情報量の増減についての法則。この2つの法則の間に保存則が成立するのかどうか?
(ある局所的な領域での重力による「情報量生成」と、別の局所的な領域での情報熱力学第二法則による「エントロピー生成」についての等式または不等式が成り立つか? → 非平衡量子統計力学)

31:46 超弦理論(によるマルチバース)は「量子力学の枠内」 → 「エヴェレットの多世界解釈に基づく異なる世界の実在証明」

32:23 一般相対論は量子力学が入っていない → 「期待値」の次元のみで構成されたパラメータ空間における、計量テンソル(と空間曲率)によって構築された理論。 
「偏差」の次元を、このパラメータ空間へ追加すると、量子計量テンソルも加わり、自動的に超弦理論になる。
「期待値」≒座標、「偏差」≒波数、という2つのパラメータが、シンプレクティック構造を構成し、情報不等式による制限の結果、1bitの「離散化された」最小のエントロピーを持つ(ホログラフィック球面上の{座標xと波数kのウェッジ積f(x)⋏g(k)によって定義される}「面積」)

32:45 基本法則・量子力学は変わらない → 一般確率論・非可換確率論、確率=情報量→情報理論  = 量子情報・情報幾何 → 情報=物理 It from Qubit  
確率過程による時間発展と「状態変化」「(量子または熱力学的)速度限界」

37:10 曲率がほぼ0 → リーマン幾何の性質「(どんなに曲がった空間でも) 【局所的】 にはユークリッド計量として扱える」 
→ マルチバースの「全泡宇宙」を基準に取った場合「局所的」とは【具体的にはどれぐらいの距離】まで含まれるのか(各泡宇宙・空間における、計量テンソルの基底ベクトルがどうなっているか、を含めて)
137億光年まで「局所的」になっている、実験科学上はユークリッド計量・曲率0としてしか【原理的に】測定できない。

38:45 外から見たら球、中から見たときはそうじゃない →
親の泡宇宙の視点での重力は、(事象の地平面の内部の)子の泡宇宙の視点では加速膨張に見える
子の泡宇宙の視点での重力は、(事象の地平面の内部の)孫の泡宇宙の視点では加速膨張に見える
重力 = エンタングルメント/量子相関 = 相互情報量 = 正の空間曲率
加速膨張 = 負の空間曲率 = 情報量の消去 = エントロピー増大 = 親の泡宇宙と子の泡宇宙との間の量子相関・因果律の消去
どちらも「完全に同一の物理現象」なのに対して、親の泡宇宙側から見たときには「重力(正の空間曲率)」、子の泡宇宙から見たときには「加速膨張(負の空間曲率)」に見える。
※エントロピー = 負の情報量、 正の情報量 = 負のエントロピー。
エントロピーなのか、情報量なのか、どちらを表示のための基底に取るかによって、空間曲率も正負が変わってしまう。

43:00 マルチバースじゃないと理解できないような現象 → 
(量子)確率分布 ・ 非平衡量子統計力学 ・ 情報熱力学 ・ 情報幾何学 などでの「計算」と「実測」での乖離がある = 並行世界間・マルチバース間での「情報量/エントロピー」の「移動/流れ」が存在する = 実在証明
→極低確率の事象が発生したときに、その直後以降に発生する事象の確率分布(を量子トモグラフィーによって復元して)がどれだけ理論からズレるのか(条件付き確率分布の検定、元の理論上の確率分布との間のカルバックライブラー情報量の大きさの検討)
もし「復元力」「確率論/情報理論的な ”力”」のようなものが存在すれば、物理時空側の”力”ではなく、(確率空間である)ヒルベルト空間中にだけ存在する”力”なので、並行世界間・マルチバース間での”力”が存在する。

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