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#4  りんごの花が咲きました

こんにちは。JAいわて中央広報担当のSです。

JAいわて中央のエリアでは、新緑の季節を迎えています。岩手の農業も少しずつ動き出し、春本番です。

ところで、岩手では"お花見が2回できる"って知ってましたか?

と、言っても桜が2回咲くわけではありません。

岩手では、桜の開花からおよそ20日後、りんごの花が開花します。桜が散った後でも、りんごの美しい花を見られるのは、りんご産地ならでは。ちなみに、真っ赤なりんごが想像できないような、白くて小ぶりな花です。

ゴールデンウィークに突入し、今、まさにJAいわて中央のエリアでは、りんごの花が開花しています。「2回目のお花見」といいましたが、りんご農家の皆さんは花を愛でる間もなく、いよいよ作業が本格化していきます。

りんご栽培では、花が咲くと「摘花」、続いて「摘果」という作業が始まります。どういった作業かというと、よい果実として見込みのあるものを残して、その他を摘み取っていくといったもの。いわゆる「間引き」です。

まずは、花が咲いた段階で生育の良い花を残して、花を摘み取ります。花が咲き、さらに果実が育っていくと、残念ながらこの時点で「大きくならないであろう果実」「形が悪い果実」が見えてくるようになります。一般的には、真ん中についている「中心果」という果実が、最も優秀なものと言われていますが、それ以外をある程度吟味して落としていくのです。

摘果をする前
摘果をしたあと

大きくて形の良いりんごを収穫するためには、優秀な果実に栄養を十分に行きわたらせ、太陽の光をたっぷりと当てなければなりません。そのためにも、不要な果実たちに栄養がとられてしまわないように、出来る限り早く摘み取る必要があります。

とはいえ、「そのまま育てていけばたくさん収穫できるのに!もったいない!」と思う方もいるかもしれません。しかし、仮に今年たくさん収穫できたとしても、樹が必要以上にパワーをつかってしまうことで、来年の出来に影響してしまうんです。なかなか簡単にはいかないんですね~。

この「摘花」「摘果」という作業を、りんご畑にある何百、何千本のりんごの樹に対して、一つひとつ行っていきます。時間も手間も掛かる途方もない作業ですが、よいりんご、そして元気な樹を作るためには、どのりんご農家でも欠かさずに行っているものです。

昨年を振り返ると、岩手のりんご栽培はとても苦しいものでした。

りんごの花が最も寒さに弱いとされる開花期に低温が続いたことで、りんごの花が咲かなかったり、枯れてしまうなど、甚大な被害を受けたのです。

寒さにあたった影響で中心果が育っていません

1枚目の満開の写真と比較すれば一目瞭然。この花は最も優秀とされる「中心花(果)」の部分が育たなかったばかりか、周りの花も枯れてしまっている状態でした。何十年とりんご栽培を経験してきた農家でさえ、「こんな被害は初めてだ」と話す方もいた程です。このような状況の中では「摘花」はおろか、やみくもに「摘果」するのはとてもリスクのあること。吟味に吟味を重ねて、残った果実を大切に大きく育てなければなりません。そうした理由から、昨年はりんご農家の皆さんの途方もない努力によって、なんとか収穫の秋を迎えることができました。

りんごに限ったことではありませんが、"実ったものを、実っただけ収穫する"のではなく、農作物が食卓に届くまでにはたくさんの作業があります。その工程を知るだけで、食べ物に対する理解が生まれ、さらに、それに携わる思いや考え方に触れることで、さらに愛着も生まれると感じています。

岩手のりんごが、JAいわて中央のりんごがおいしい理由を、もっともっとたくさんの人に知ってもらえるように。ファンが増えるようにー。また、産地のお話をお届けします🍎

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