2023年ベストアルバム10
駆けこむぜ、2023年!
10位 曽我部恵一『ヘブン2』
前回の『ヘブン』に続き、曽我部さんのラップアルバム好きだな~、正直フロウとかについては固い部分も多く感じるけど綴る言葉が面白い。そして、第一印象が「ギターアルバムだな」というものだったのも印象に強く残っている。
9位 ずっと真夜中でいいのに。『沈香学』
正直、聴かず嫌いしてたのだけど、フックの強い曲が多くて驚いた。昨年もベストトラックに挙げた「夏枯れ」のように音のチョイスもいいし、ラストトラックの「上辺の私自身なんだよ」のようにダブ?フィッシュマンズぽいのもできるったら、器用だと思うばかり。
8位 吉澤嘉代子『若草-EP』
リリース間隔があいていたが、本作はじっくり煮詰めたというより勢い一発な印象の風通しの良さがあった。「セブンティーン」がベボベ「BOYFRIEN℃」的な一発録りガレージバンド調だったり、「夢はアパート」のイントロのドラムパターンがイエモン「プライマル。」みたい(「卒業」ワード繋がり)だったりで色んな曲が浮かぶのが楽しかった。
7位 cali≠gari『16』
上半期選出。「生と死」というテーマが貫かれているが、それ以上に楽曲がとっちらかってるのがホント彼ららしい。「実験室」の冠が乗っていてもおかしくないが、そこはキャリアを経て一曲一曲のクオリティは十二分。前作より好き。「切腹-Life is Beautiful-」とか、音像が極端なものが多いのもサイコー。
6位 スピッツ『ひみつスタジオ』
上半期選出。アルバム単位で刺さるのはいつぶりやら…ベスト10に挙げる程に刺さったのはリアルタイムでは初めてかも。「ときめき part.1」みたいな「いつも通り」の必殺のメロディは健在なのだけど、「美しい鰭」のキメや「未来未来」の民謡コーラスなどはみ出ている部分も充実してる。とげまるなバンドだ。
5位 lyrical school『NEW WORLD e.p.』
LS5時代の「OK!!!!!」を塗り替えんばかりの傑作EPを出したリリスク。Take on me歌謡の「DRIVE ME CRAZY」やLS8による最初の楽曲である表題曲の「NEW WORLD」はもうライブでもアンセムになたるのが頼もしい。どんどん次の楽曲も出てるし、ライブではこのe.pの曲もアレンジされて演奏されていたりしているし、次の動きが気になり過ぎるクルーだ。
4位 cero『e o 』
上半期選出。丹念に編みこまれた、そう編まれたという表現にふさわしい作品だと思われる。かといって難解さはなく、スッと入ってくる。分かろうとする気にならないというか、ただ流れるのを受け止めるのが気持ちいい。聞き慣れぬリズムや和音やコーラスなのに。前作のようにリズムセクションが強く前に出ている作品ではないが、ライブで聴くと自然と体が揺れた。
3位 THE NOVEMBERS『The Novembers』
正直、本作を聴いての第一印象は「薄味では…?」だった。『Hallelujah』から聴き始め、轟音のギターサウンドに稲妻のようなインダストリアルな打ち込み音が盛り込まれた『Angels』へのドラスティックな変化をリアルタイムで目の当たりにしたから。ではなぜこの位置においたか。
ライブで最初に聴いたとき、その存在に違和感があったか、否。
今年聴いたアルバムの中で、一回聞いてメロディがバチッとハマった曲の割合がこのアルバムより高いものが多くあったか、否。
このアルバムほど気高く、その前向きさに信頼のおけるアルバムがあったか、否。
大いなる変化に基づく衝撃だけがすべてではない。こういった作品を創り上げる練度のようなものの凄みを順位付けをする中で思い知った。
2位 NewJeans『2nd EP 'Get Up'』
やーもー、ゲームチェンジャーでしょ。そして、五人の魅力が凄すぎ。それしか言うことないような…苦笑
でも今年リリースされた曲ではこのアルバム曲より「Zero」だったなあ。アルバムはアルバムで楽しめた印象。今年までに重ねてきたチルめな楽曲から、来年はどんな感じに変わっていくのだろう?楽しみ。
1位 Mr.Children『miss you』
詳しくはここで述べた通り。
個人的にはダントツ。圧倒的であった。
終末感、どこにもいけなさを訴えながら、聴き手はこのキャリアでこのような表現ができるなら、彼らはどこまでも行けるということを逆説的に理解するはずだ。近年の数作を経て、ミスチルはまだまだ何でも歌詞に表せられるし、何でもどのようにでも鳴らせるということを表明したのだと思う。
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