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女性活躍の鍵はパラレルキャリアにある? 〜SDGs People Voice 美宝れいこさん〜

「10年後の未来をつくるノート」では、さまざまなアプローチでSDGsアクションを行なっているSDGs Peopleの“リアルな声”を届ける手段のひとつとして、寄稿いただいたコラムを公開していきます。今回は「ゴール5|ジェンダー平等を実現しよう」「ゴール8|働きがいも経済成長も」などにつながるアクションを行なっている美宝れいこさんのコラムです。

パラレルキャリアとは
本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと。「複業」を行うこと。「副業」が金銭的な報酬を得ることを目的にしていることに対して、スキルアップや地域・社会貢献活動などのために活動する場合が多い。

女性活躍から日本の経済成長を応援する「エールプロジェクト」

こんにちは。パラレルキャリア推進委員会代表の美宝です。

私は、2015年に会社員を続けながら複業としてアロマサロンを開業したことをきっかけに、SNSを通して女性から「複業」の相談を多く受けるようになり、2016年にパラレルキャリアコンサルタントとして独立しその後、パラレルキャリア推進委員会と働く女性の活躍を応援するエール株式会社を設立。延べ1,500人以上の働く女性達と関わり、現在は個人や企業にパラレルキャリアという新しい働き方を推進、サポートする活動を行っています。

パラレルキャリア推進委員会は、「女性活躍推進」と「複業推進」をビジョンに掲げ活動している女性支援団体です。

主にFacebookグループを使ったオンラインコミュニティ「エールプロジェクト」を拠点として、「学び・つながり・挑戦」の3つのテーマで活動しています。SNSや口コミや紹介を中心に広まり、1年9ケ月でメンバーは国内・海外を合わせて1,300人を突破しています。

団体の活動としては、

①企業や働く女性たちへの啓蒙活動
→3ケ月に1回パラレルキャリア専門情報誌の定期発行
②ゼロからパラレルキャリアを学ぶ場の提供
→オンラインスクールの設立や仲間をつくるためのイベント・交流会の開催
③複業家の実績づくり
→企業や行政や大学やメディアなどからの依頼やプロジェクトを複業人材とマッチング

などを行っています。パラレルキャリアのための総合プラットフォームです。

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団体の運営は、1,300人の中から国内・海外のプロボノメンバー女性100名が行っています。東京本部のほか、東海支部・関西支部・九州支部・海外支部があります。

女性が活躍できる場を自分たちの手で創っていくというところに大きな意味があり、プロボノでリーダーポジションを多く経験していくことで、ジェンダー平等を自分達で実現していき、それを働きがいや経済成長につなげていこうと活動しています。

ごく限られたリーダー資質がある人だけでなく、産休中のママや一般的な働く女性が取り組める、「誰ひとり取り残さない」というSDGsの思いを体現した取り組みでもあります。

変わりたいと思った時には「人」と「環境」の2つが大切

団体を設立しようと思ったきっかけは、働く女性のキャリア支援を行ううちに、働く女性は会社でのキャリアアップやライフスタイルの変化によるキャリアストップという課題に直面しやすく、働き方や生き方に悩んでいることがとても多いと感じたことです。

特に女性は自分を活かして輝ける環境や実力が評価される環境はまだ少なく、女性活躍推進という言葉だけが一人歩きしているように感じます。また、世界経済フォーラムが公表している「ジェンダーギャップ指数ランキング」を見てもわかるとおり、世界的にも日本の男女格差が大きく、その開きが長年変わっていないという社会問題にも課題を感じていました。

人生100年時代と言われながらも年金2,000万問題やAI導入による大量リストラ、企業自体の存続が短命といわれる中で、働くこと・生きることが不安定で楽しめないという社会問題があります。

働く女性の取り巻く状況や日本の社会、そして自分の人生を変えていくためには、「パラレルキャリア」という生き方を広めていくことが直結すると考えました。

私自身、これからの働き方や本当にやりたいことは何なのか?と悩んでいた時期に、パラレルキャリアをはじめたことで出会う人が変わり、自分の新しいつよみを発見したことで、世界の見え方がガラリと変わりました。会社内では、まだまだ上層ポジションになることや評価がされにくい環境があるからこそ、女性は1つの働き方、1つの生き方に縛られるのではなく、パラレルキャリアで自分のやりたいことを実現し、つよみやスキルを発揮し、それが社会で活かされることが豊かな人生につながると自身の体験から強く感じ、パラレルキャリアを推進することにしました。

そんな自分の複業体験からも、同じ志を持った仲間がみつかることと、パラレルキャリア・複業を体系的に学べて、スキルや経験を活かした挑戦の場が提供されることが大切だと感じていました。そこで、「人」と「環境」が集まる総合的なプラットフォームとして、パラレルキャリア推進委員会を立ち上げました。

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男女の競争ではなく共創していく社会

パラレルキャリアという生き方が社会全体に広まり、女性がライフスタイルに取り入れていくことで、個人の人生が豊かになるだけでなく、本当の女性活躍という社会課題も解決できると考えています。

そして、それが実現できることで女性だけでなく、男性にも良い影響を与え、それが企業や社会全体へと広がっていき「働く、生きるが楽しめる日本社会」へとつながることに貢献できると思い、女性のパラレルキャリアを支援する第一人者として活動しています。

私たち女性は、「会社が変わる。社会が変わる。」のを待っているだけでなく、自らの手で変えていこうという姿勢や行動や発信が必要だと思っています。また、男性と女性は張り合ったり競い合っていくのではなく、お互いの良いところをリスペクトし合い協力し合うことが大切で、競争ではなく共創していく社会にしていきたいと考えています。

また、持続可能な取り組みにしていくため、団体を運営している中心メンバーの30代-40代から学生や20代の若者たちへバトンをつなげるように、学生イベントにも積極的に取り組んでいます。

若い世代からパラレルキャリアという生き方を知ることで、人生の選択肢を増やし、社会で活躍する女性のロールモデルが増えていけば、将来ジェンダーギャップ指数ランキングも日本が世界に追いつけるようになっていくと思います。

10年後には、企業の複業解禁率が今の3割(参考データはこちら)から9割まで引き上がり、パラレルキャリアという生き方が日本全国で当たり前となっていて、社会で活躍する女性が今より増え「働く、生きるが楽しめる日本社会」になっていて欲しいと願っています。

そして、「世界から注目される日本女性の生き方」という景色を、色々な企業や団体や行政とパートナーシップを築きながら創っていきたいと思います。

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■PROFILE
美宝 れいこ
エール株式会社代表取締役。 パラレルキャリア推進委員会代表。産能短期大学国際経営ビジネス学部を卒業後、大手旅行代理店に入社。その後、営業として数社を経験し、2000年に広告代理店に転職。女性初の事業部長に就任。自身で複業としてアロマサロンを開業したことをきっかけに、女性から複業の相談を受けるようになり、2016年にパラレルキャリアコンサルタントとして独立。個人や企業にパラレルキャリアという新しい働き方を推進する。

■パラレルキャリア推進委員会公式HP
http://aile-official.co.jp/parallelcareer/